顧客理解を深めるための10の具体的方法

BtoBビジネスにおいて、顧客理解はとても大切です。営業やマーケティング、サポートやカスタマーサクセスなど、顧客に対面する仕事に携わっている方であれば、顧客理解が大切ということは、感覚的にも理解ができるのではないでしょうか?

今回は、BtoBビジネスにおいて顧客理解が大切な理由や、顧客を理解するための具体的な方法についてご紹介します。

顧客理解が大切な理由

顧客理解が大切な理由は単純です。相手を理解することは、全てのコミュニケーションの第一歩になるからです。そのため、営業やマーケティング、サポートやカスタマーサクセスなど、顧客とのコミュニケーションをベースとした業務において、顧客理解はとても大切になります。

仕事において相手を理解するための努力は、コミュニケーションを円滑にします。また、信頼関係の構築にもつながります。もちろん、BtoBだけでなく、BtoCにも当てはまることです。

ただし、下記の図のように、BtoBの場合、理解すべき顧客の情報は相手(担当者)だけでなく、顧客の企業や顧客、競合など多岐にわたります。

また、同じ業種・業態の企業であっても、業界内での立ち位置やターゲットによって、置かれている状況や戦略、担当者の役割も一定ではありません。そのため、顧客理解を行うために確認すべき項目もBtoCよりも多くなります。

顧客理解を深めるための10の具体的方法

BtoBにおいて顧客理解を行うためには、顧客個人(担当者)の理解と、顧客の3C(顧客視点での自社、競合、顧客)について情報を集め、それを理解する必要があります。ここからは、当社がお客さまとお会いする前に、顧客理解のために行っているお客さま情報の調べ方について、具体的な方法をご紹介します。

企業情報を確認する

企業情報について確認します。HPから事業内容、社員数、資本金、住所、全国の事業所などの活動エリア、売上の伸び率、ビジネスモデル、IR情報(上場企業の場合)、取引先などを確認します。HPの情報だけで、その会社がどのような会社の事業内容やビジネスモデルが理解できるようであれば問題ありません。しかし、いまいち理解できない場合には、新卒や中途向けの求人サイト(リクナビやマイナビなど)なども参照しましょう。事業内容やビジネスモデルをわかりやすく紹介している場合が多いです。

また、顧客がどのようなオンラインのマーケティング施策を行っているのかについて確認したい場合、シミラーウェブや、ウーバーサジェストで解析することができます。無料でも使えるので、ぜひ、活用してみてください。顧客の視点からみた3Cにおける自社(company)に該当します。

製品・サービスを確認する

製品・サービス情報を確認します。HPから製品・サービス情報を確認し、営業方法や取引先、競合他社との違い(顧客に選ばれているポイント)について確認します。複数の事業部や複数のサービスを取り扱っている場合は、会社の全体像(事業部の数や、取扱製品・サービスの種類など)についても確認するようにしましょう。また、検索エンジンで製品・サービスを検索してみるのも良いでしょう。他サイトでの特集や比較サイト、製品やサービスのレビューを確認できる可能性があります。顧客の視点からみた3Cにおける自社(company)に該当します。

沿革を確認する

沿革を確認します。HPから沿革を確認することにより、創業から現在に至るまで、事業の成り立ちと変遷を確認することができます。創業当初から会社を牽引してきた事業は何か、また、現在注力されている事業への変遷を確認することにより、その会社の経営戦略の遷移や、今後の事業の方向性について推測を立てることができます。顧客の視点からみた3Cにおける、自社(company)に該当します。

ニュース情報を確認する

ニュース情報を確認します。ニュース情報からは、最近の事業に関連する情報を確認できる可能性が高いです。また、オフラインのマーケティング施策(展示会やセミナーなど)の開催情報についても、ニュース情報から確認できることができる可能性が高いです。そのため、ニュース情報も必ず確認するようにしましょう。また、マーケティングのオンラインの施策もオフラインの施策も実施しているかどうかわからないような場合、主要な取引先の下請けである場合や、商社メインで販売業務を委託している場合が多いです。顧客理解のための視点の一つとして参考にしてみてください。顧客の視点からみた3Cにおける、自社(company)に該当します。

業界動向を確認する

業界動向について確認します。業界動向を知ることで、顧客の置かれている外部環境について、理解することができます。また、顧客がビジネスを行っている業界にいる競合(competitor)についても知ることができます。業界動向は、東洋経済新報社が出版している「会社四季報」業界地図や、業界動向サーチなどを活用して確認しましょう。顧客の視点からみた3Cにおける、自社(company)、競合(competitor)に該当します。

競合を確認する

競合について確認します。競合は、上記のように業界動向を確認することで調べることができます。また、検索エンジンで製品・サービスを検索してみれば、競合の情報も検索にヒットする可能性が高いため、そこから確認するのも良いでしょう。また、顧客の競合についても、その企業のHPから製品・サービス情報を確認し、営業方法や取引先、他社製品との違い(顧客に選ばれているポイント)について確認します。顧客の視点からみた3Cにおける競合(competitor)に該当します。

顧客を確認する

顧客の顧客について確認します。HPから導入事例や導入企業ロゴ、取引先一覧から確認できる場合があります。他にも、新卒や中途向けの求人サイト(リクナビやマイナビなど)なども参照しましょう。事業内容やビジネスモデルとともに、どのような顧客向けに業務を行っているか確認できる場合があります。顧客の視点からみた3Cにおける顧客(customer)に該当します。

担当者情報を確認する

担当者情報を確認します。担当者情報は、CRMやSFA、MA、名刺管理ツールに情報が格納されていれば、まずはその情報を確認するようにします。この際に、名前だけでなく職種や役職についても確認しておき、検索エンジンで、顧客の企業名+職種で検索しておきましょう。すると、新卒や中途向けの求人サイト(リクナビやマイナビなど)の記事が検索にヒットする可能性が高いため、確認するようにしましょう。例えば、マーケティング部、と一言で言っても、会社によって業務の内容や比重が異なるため、その会社におけるマーケティングの業務が何を指すのか、確認しておく必要があるからです。また、検索エンジンに担当者の名前を入れて検索してみるのもオススメです。もし、過去に何かの記事に取り上げられている場合には、その記事が確認できますし、その担当者のSNSに辿り着けるかも知れません。担当者の個人としての人となりや、嗜好性が確認できる可能性が高いので、ぜひ、確認しておくようにしましょう。

過去の接点を確認する

過去の接点を確認します。こちらも、CRMやSFA、MA、名刺管理ツールに情報が格納されていれば、まずはその情報を確認するようにします。既存顧客の場合や、新規でも過去に商談を行っている場合には、以前はどのようなやりとりをしていたのか、どのような課題を抱えていたのかなどについては、必ず確認しておきたいところです。

また、MAを活用していて、ウェブアクセス上の行動履歴が確認できる場合には、その情報も合わせて確認するようにします。例えば、googleより検索流入しブログ記事を参照したあと、導入事例や料金、機能を確認してから問い合わせに至っている、という行動履歴が確認できれば、ブログ記事の内容に関連する課題を持っている可能性が高く、製品やサービスを具体的に検討している可能性が高く、自社の導入要件を満たすスペックかどうか確認している、という背景が推測できる、といった具合です。

直接ヒアリングする

それでもわからない場合には、直接ヒアリングします。お客さまとビジネス上のコミュニケーションをとる上で必要な情報が、探してもわからない場合には、直接ヒアリングするしかありません。ですが、ここまで自分なりにお客さまの情報を調べたうえでわからないことをヒアリングする訳なので、要点は絞られますし、お客さまに対してヒアリングしたい内容も明確になっていると思います。

また、調べた内容が過去のものである場合も多いため、ビジネス上のコミュニケーションをとる上で認識合わせが必要な項目に関しては、相手にしっかり確認するようにしましょう。例えば、広告の提案を行うような場合であれば、「HPを拝見し、○○業界のお客さまが非常に多いという印象を受けましたが、認識は合っていますでしょうか?また、今回の広告のターゲットに関しましても、同じ○○業界のお客さまになりますでしょうか?」というように確認してみましょう。

さいごに

大切なのは「お客さまに興味を持っているか」「お客さまに興味を持てるまで調べることができているか」ということだと思っています。相手を理解するための努力はコミュニケーションを円滑にします。

さいごになりますが、当社ではBtoBマーケティングの業務に役立つお役立ち資料を複数ご用意しております。マーケティングの基礎知識と実践方法を体系的にまとめたお役立ち資料などもご用意しておりますので、ご活用いただければ幸いです。

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