導入事例とは?作成するための5つのプロセスについてわかりやすく解説します

導入事例とは、マーケティングや営業活動を行う上で欠かせない、重要なコンテンツです。見込み客は、導入事例から製品を使っている人の実際の意見や感想を知ることができます。また、導入事例は客観的な意見であり、自分と同じ目的で使用を開始する人の意見も多いことから、購入を判断するための有益な情報となります。

本記事では、導入事例を作成するための5つのプロセスについて、わかりやすく解説していきます。

導入事例とは

導入事例とは、既に製品やサービスを利用しているお客さまに対し、導入目的や購入の決め手、得た効果や感想などをインタビューし、コンテンツにしたものです。

導入事例を作成するメリットは、大きく3つあります。

一つ目のメリットは、様々な用途で活用できる点です。HPや事例集、営業資料、パンフレット、展示会の装飾パネルなど、様々な用途で活用することができます。利用用途に関しましては、導入事例の取材をお受けいただくタイミングで、お客さまに許可を得ておく必要があります。

二つ目のメリットは、購入検討の強力な判断材料になるという点です。新しい製品やサービスの購入を検討するときに見込み客が一番知りたいのは、営業担当の言葉ではなく、実際にその製品を使用している人の意見や感想です。導入事例があれば、見込み客は、製品を使っている人の実際の意見や感想を知ることができるようになります。

三つ目のメリットは、購入を後押しする材料となる点です。判断を迷っている人が、他社の成功事例を羨ましく思い、購入を決心することがあります。これは特に、同業他社の事例をみた際の見込み客の反応として期待できます。

導入事例は、マーケティング活動で見込み客の獲得(リードジェネレーション)や見込み客の育成(リードナーチャリング)にも活用できますが、営業活動の際に、商品・サービスの導入を検討している見込み客を説得するためのコンテンツとしても効果を発揮します。そのため、導入事例の作成を検討する際には、まず、どのような事例があれば、より営業活動がやりやすくなるのか、営業担当者にもヒアリングを行うようにすることをオススメします。

作成するための5つのプロセス

導入事例を作成するためには、まずは、導入事例として取り上げるのに適したお客さまを探すことが必要です。また、そのお客さまに協力を依頼する必要があります。アプローチの準備を行い、実際にインタビューを実施するまでには、大きく5つのプロセスが発生します。

適切な事例候補を探す

製品を導入したお客さまは、業種や、導入目的などがそれぞれ異なることが多いです。そのため、適切な事例候補の中から、タイプの異なるさまざまな企業にインタビューを行い、複数の導入事例を作成するようにしましょう。そうすれば、マーケティング活動や営業活動のさまざまな場面で活用することができます。

適切な事例対象を探すための切り口としては、以下のようなものあげられます。

・製品やサービスへの理解度が高い
自社の製品やサービスへの理解度が高いお客さまであれば、自社の製品やサービスについて熟知しており、製品やサービスの細かい仕様や、利用して感じたことをすらすらと細かく説明できるため、喜んで依頼に応じてくれると思います。

・製品やサービスへの満足度が高い
自社の製品やサービスへの満足度が高いお客さまであれば、おそらく、その体験を自ら進んで大勢の人に積極的に紹介したいと思っているはずです。特に満足しているポイントや、満足していることを伝わるような活用の事例を話してくれると思います。

・著名な企業、もしくは個人
有名な企業や、有名な個人がお客さまにいる場合、是非とも、導入事例になっていただけるように交渉しましょう。見込み客にとっても、自分が知っている企業や個人が製品やサービスの素晴らしさについて話している内容を見れば、その製品やサービスへの興味が増すと思います。

・競合他社からの乗り換え
自社の製品やサービスを導入する前に、競合他社の製品やサービスを使用していて、そこから乗り換えたというお客さまがいれば、競合他社の製品やサービスに比べ、自社の方が優れていると感じてくれたポイントやについて、他社との違いを踏まえて詳しく話をしてくれる可能性が高いです。そのような導入事例があれば、見込み客にとっても説得力のある方法でアピールすることができます。

インタビューの許可を得る

適切な事例候補を見つけることができたら、連絡をとり、導入事例として取り上げさせていただくことについて協力を依頼し、許可を得ましょう。既に、事例候補と密にやり取りをしていて、関係が良好な担当者が社内にいる場合(営業担当者や、カスタマーサクセス担当者など)には、その担当者に事例取材のアポイントをとるための協力を依頼しましょう。

また、面識のない担当者宛にマーケティング担当者から直接連絡する場合には、まずは丁寧な文面でメールを送り、事例取材に協力いただけないか交渉します。

事例取材への協力を依頼する際には、相手が社内で確認をとりやすいように、以下の3つの情報を含めるようにしましょう。

一つ目は、活用目的です。HPに掲載するのか、HPだけでなく、事例集、営業資料、パンフレット、展示会での装飾パネルなど、作成する導入事例は、どのような用途で活用するのかを明確にしましょう。あらかじめ、活用目的と範囲について明確にしておくことで、掲載許可の可否などで発生する、不要なトラブルを防止するようにしましょう。

二つ目は、掲載イメージです。例えば、HPに掲載する場合、どのように掲載するかなど、事例候補が掲載可否を判断するための情報も必要です。

三つ目は、導入事例に含めるお客さま情報です。導入事例に含めるお客さま情報には、ロゴ、会社名、部門名、担当者さまのお名前、取材でお伺いさせていただいた内容や取材時で撮影させていただいた写真など、さまざま存在します。こちらについても、あらかじめ、導入事例に含める内容について明確にしておくことで、掲載許可の可否などで発生する、不要なトラブルを防止するようにしましょう。

また、事例候補と交渉する場合には、全ての内容にご了承いただくことが難しい場合でも、一部の活用方法や情報だけでもご協力いただけないかと交渉するようにしましょう。

導入事例への協力をメールで依頼する場合には、上記の3つの情報の他にも、インタビューで質問する項目のリストも添付して送っておくと良いと思います。事例候補が依頼を受けるかどうかを検討する際の参考にしてもらいましょう。

以下は、導入事例を依頼する際のメールコンテンツのサンプルとなります。

件名:導入事例取材へのご協力のお願い|○○株式会社

○○株式会社
○○様

お世話になっております。○○株式会社の○○でございます。
平素、当社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。

当社では、この度、当社サービスの導入事例を作成することになりました。

つきましては、ぜひ、貴社にも導入事例として掲載のご協力を賜りたいのですが、
取材にご協力をお願いできませんでしょうか?

導入事例の作成目的や使い方、取材の際にお伺いしたい内容に関しましては、
本メールの下記、及び、添付資料(○○)にまとめてございます。

添付:○○(フォルダ名)

ご了承いただけるようでしたら、その旨ご返信いただけますと幸いです。
当社担当とカメラマンで取材にお伺いさせていただきます。

◎事例取材について
時間:一時間程度を想定しております
場所:貴社にお伺いいたします
お借りしたいもの:貴社のロゴデータ(Aiデータでいただけると助かります)
導入事例の使い方:添付ファイル内の○○をご参照ください
導入事例に含める情報:添付ファイル内の○○をご参照ください
取材内容:添付ファイル内のヒアリングシートをご参照ください

事前にヒアリングシートにご回答・ご返信をいただけますと、○○様にご迷惑がかからず、
当日のインタビューを滞りなく進めることができます。

取材にご了承いただける際は、ご協力いただけますと幸いです。

また、取材当日は、○○のサービスに詳しい担当者も同席いたしますので、
操作方法が知りたい、もっと有効な活用方法が知りたい、といったお悩みがございましたら、
お気軽にご相談いただけますと幸いです。

当方からのお願いは、以上となります。

お手数ですが、○○様からのご返信をお待ちしております。
お受けいただくことが難しい場合は、お気兼ねなくお申し付けください。

引き続き、宜しくお願いいたします。

ーー
○○
○○株式会社

営業担当者やカスタマーサクセス担当者に紹介してもらうことができた場合には、お客さまにメールを送る場際に、その紹介者の名前を記載するようにしましょう。(自分が知っている人の名前を見て)安心してもらうことができます。

事例候補のお客さま側も、日々忙しく仕事をしていることが推測されます。そのため、メールを送ったすべての人から返信が来ることは期待せず、あらかじめ、何割かは断られる、何割かは返信がこない、という前提のもと、複数の事例候補に対してアプローチを行うことも大切です。

また、「何日までに返事をください」のように期限を決めて、いつまでも待ったり、先方に迷惑をかけたりするようなことがないようにだけ、気を付けましょう。

インタビューの質問を準備する

事例候補から事例取材の了承を得ることができたら、事例取材の当日になる前に、インタビュー当日の質問を準備しておきましょう。質の高い導入事例を作成するためには、的確な質問を準備する必要があります。

自由に回答する形式の質問は回答者との会話も弾みやすいですが、話がそれてしまうこともしばしばです。そのため、必要な情報を十分に聞き出せるよう、話題を上手くコントロールする必要があります。

印象に残る、そして信憑性の高い結果を紹介する興味深いストーリーを作成できるよう、質問を考えてください。準備した質問は、インタビューで質問する項目のヒアリングシートとして先方にもあらかじめ送っておくと、当日のインタビューを円滑に進めやすくなります。

以下は、ヒアリングシートのサンプルとなりますので、ご参考いただければ幸いです。

インタビューを実施する

事例候補を決め、事例取材の許可をもらい質問を準備したら、いよいよインタビュー当日を迎えます。

インタビューを実施する際には、ボイスレコーダーを用意し、お客さまから許可をいただいた上で、インタビューを録音しておくようにしましょう。

また、インタビューを実施する際には、以下の3つを意識しましょう。

一つ目は、お客さまが話しやすい雰囲気をつくることです。一例ですが、インタビュー当日は、インタビューを開始する前には、あらためて、インタビューに協力していただくことへのお礼の気持ちを伝えるようにしてみましょう。インタビュー開始前は、相手も緊張しているものです。お礼の気持ちを伝えることは、相手の緊張を和ませ、お客さまが話しやすい雰囲気をつくることにつながります。

また、インタビュー中は、回答者が自分の経験を気さくに話してくれるように、会話を盛り上げるように心掛けましょう。会話が盛り上がると、思いもよらないエピソードが聞け、事例取材前に想定していたよりも貴重な情報を得ることができる可能性も広がります。

二つ目は、お客さまの伝えたいことを理解することです。取材相手によっては、相手が自分の言いたいことを上手く伝えることができず、何を伝えたいのかが理解しづらい場合もあると思います。その場合には、わからないことをそのままにせず、正しく理解できるまで、回答者に何度も確認するようにしましょう。

例えば、「それは、具体的にはどういうことですか?」「それは、○○といったことですか?」と言ったように、回答を深堀りしていくような質問を心がけましょう。自分の話を丁寧に理解しようとしているという姿勢が伝われば、何度も確認しても、回答者も嫌な気持ちにならずに話してくれると思います。

三つ目は、お客さまにもメリットがある時間にすることです。お客さまの視点から見た場合、日々の業務があるにも関わらず、導入事例の取材に協力するために時間を割いている状況です。そのため、導入事例のインタビューを実施する当日は、できるだけ相手にとってもメリットを感じていただけるようにしましょう。例えば、お客さまが知ったら嬉しい情報(例えば、お客さまの業務に関連する新しい知識やノウハウなど)を準備しておいて、インタビューの前後でご紹介するのもオススメです。

導入事例を作成する

インタビューが終わり、貴重な情報をお客さまから大量に入手できたら、実際に導入事例を作成していきます。ただし、作成をはじめる前に、まずはボイスレコーダーで録音したインタビューの録音データを書き起こしてみることをオススメします。

インタビューを書き起こすことで、インタビューでお客さまが伝えたかったことの全体像が鮮明になり、印象に残るエピソードや、メッセージについても洗い出しができると思います。インタビューの書き起こしが終わったら、構成を決め、実際に作成していきましょう。

どのような構成にするべきか

導入事例の構成は、読者が読みやすいように構成する必要があります。そのため、自由なインタビュー形式のものよりも、あらかじめ決まった要素で構成されるテンプレートを用意しておくことをオススメします。見る側の立場からすると、構成が揃っていた方が複数の事例を確認するときに比較しやすいからです。

法人取引の場合、下記のような構成にするのがオススメです。

概要

はじめに、導入事例の概要を説明します。読者の興味を惹くような見出しを付け、導入事例の内容を2文から4文程度で要約します。要約には、この事例で強調したい点を含めるようにします。また、取材したお客さまの成果を示す指標を2つか3つ示すようにします

お客さまの紹介

次に、事例対象となるお客さまを紹介します。紹介文は、企業のウェブサイト、もしくはパンフレットから引用するようにします。また、企業名の部分にはウェブサイトへのリンクを張るようにします。

課題

製品やサービスを導入する前にお客さまが抱えていた課題を紹介します。その当時、どのような課題を抱えていたか、特に不満を感じていたことは何かついて説明します。課題は、自社の製品やサービスの見込み客の多くが抱えているような、共通の課題であればより効果的です。

解決策

お客さまが抱えていた課題に対する解決策を紹介します。お客さまの課題に対し、自社の製品やサービスを通じてどのような解決策を提案したのか、また、実際に課題は解決できたのか、解決するにあたり、製品やサービスは具体的にはどのように活用したのかなど説明します。また、自社の製品やサービスの競合他社にはない優れた特徴があれば、存分にアピールするようにしましょう。

成果

自社の製品やサービスを導入することによって、お客さま自身が感じている成果や、実際に成果を示すことに繋がる指標について紹介します。特に、それがROIを証明できるものであれば、購入を検討している見込み客の背中を押すことができるでしょう。

また、インタビューの際にお客さまから製品やサービスに対するお墨付きや、今後も継続して利用していきたいと言ったようなお言葉をいただけている場合には、その内容も含めるようにしましょう。

CTA

最後に忘れてはならないのは、CTA(Call-To-Action)です。アンケートフォームへの入力や、ホワイトペーパーのダウンロード、製品への問い合わせなど、必ず、次の行動を促すCTAを含めるようにしましょう。

さいごに

導入事例は、様々なマーケティング施策や、営業活動、カスタマーサクセスの領域でも活用することができるため、是非とも作成しておきたいコンテンツです。実際に導入事例を作成する際には、ぜひご参考いただければと思います。

ですが、導入事例になってくれるお客さまがなかなか見つからないようであれば、そもそも、製品やサービスに満足しているお客さまが少ないということも考えられます。その場合、満足しているお客さまが少ない理由を調査・分析してみることからはじめるのも良いでしょう。

私たちは、今回ご紹介した導入事例の作成だけでなく、マーケティングの実務全般について、お手伝いをしております。

オンラインでの個別相談会(無料)を定期開催していますので、マーケティングの業務についてお困りごとがありましたら、お気軽にご参加ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です