誰もが気軽にコンテンツを発信できる現代では、やみくもに情報を発信するだけではビジネスにつなげることが難しくなっています。その中で注目されるのがキラーコンテンツです。
本記事では、キラーコンテンツの意味、BtoBビジネスにおける具体例、作り方や活用のポイントを紹介します。あなたのビジネスにおけるキラーコンテンツが何か、それを見極め、企業の成長に欠かせない売り上げを効率的に作る方法を一緒に探っていきましょう。
目次
キラーコンテンツとは
キラーコンテンツは、単なるコンテンツを超越した特別な存在です。
キラーコンテンツの意味
キラーコンテンツという用語は海外でも利用されており、和製英語ではありません。キラーコンテンツは英語で「killer contents」と表され、「非常に良いコンテンツ」「優秀なコンテンツ」の意味で使われています。
ビジネスにおいては「売上に直接影響をもつ魅力的なコンテンツ」を指します。キラーコンテンツの「キラー」とは、サッカーやバスケットなどのスポーツでも使われる「キラーパス(得点に繋がるパス)」と同様のニュアンスで使われています。
キラーコンテンツと通常のコンテンツの違い
通常のコンテンツが情報提供や商品紹介に留まるのに対し、キラーコンテンツは相手に深い印象を残します。ブランドの価値を高める役割を果たすものであり、情報提供を超越した魅力を有します。
キラーコンテンツと通常のコンテンツの違いをわかりやすく説明しますと、通常のコンテンツが見込み客に与える印象が、
「なるほど」
程度の印象だったとして、キラーコンテンツが見込み客に与える印象は、
「なるほど!だったら欲しい!」
「なるほど!だったら買おう!」
となります。
見込み客に「欲しい!」思ってもらうためのコンテンツがキラーコンテンツです。自社のビジネスにおけるキラーコンテンツが何か、それを見極めて作成することができれば、企業側が求める成果・CVを大きく増やすことができるでしょう。
ビジネスにおけるキラーコンテンツの代表例
ビジネスにおけるキラーコンテンツの代表例を2つ紹介します。
◎プレステにおける「ファイナルファンタジー7
まず紹介するのは、プレステ(PlayStation)における「ファイナルファンタジー7」です。このゲームは1997年に発売され、グラフィック、ストーリー、音楽のクオリティが高く、当時のゲームに革新的な要素をもたらしました。「ファイナルファンタジー7」は、プレステの成功に大きく寄与し、今もゲーマーたちに長く愛され続けています。
初期のプレステは「ファイナルファンタジー7」という強力なキラーコンテンツを持つことよって、当時の次世代ゲーム機(セガサターンやニンテンドー64など)との競争に勝っています。この成功は、優れたコンテンツがプラットフォーム全体を引き上げ、ブランド価値を向上させる力を示しています。
◎ソフトバンクにおける「iPhone」
ソフトバンクの「iPhone」も、モバイル業界におけるキラーコンテンツとして挙げられます。iPhoneの日本導入は2008年で、当時の他社に先駆けて提供されました(ただし、今では他キャリアもiPhoneを取り扱っています)。これにより、高品質なスマートフォンが大衆化し、ユーザーエクスペリエンスが大きく変革されました。
iPhoneの導入により、ソフトバンクは市場での差別化を果たし、多くの新規顧客を獲得しました。この事例は、新たなテクノロジーを取り入れた優れた製品がキラーコンテンツとして事業に革新をもたらす可能性を示しています。
ファイナルファンタジー7やiPhoneはキラーコンテンツ(売上に直接影響をもつ魅力的なコンテンツ)だったことは、これらの事例かも明らかです。キラーコンテンツは単なるプロモーション以上の価値を持ち、ブランドやプラットフォームに大きな影響を与える力を持っています。
コンテンツマーケティングにおけるキラーコンテンツとは
コンテンツマーケティングにおけるキラーコンテンツ(売上に直接影響をもつ魅力的なコンテンツ)とは、自社が選ばれる理由が相手に伝わり、購入の意思を持ってもらうことができるコンテンツです。売上に直接影響をもつ魅力的なコンテンツとはつまり、高い受注率につながるコンテンツです。
ただし、キラーコンテンツは単なるクロージングに役立つ情報ではなく、ブランドのストーリーを伝え、顧客との深い関係を築くための中核的なコンテンツになります。検索エンジン最適化(SEO)やソーシャルメディアを活用し、広く共有され、多くの人々に届くことが期待されます。キラーコンテンツは、単なる情報発信以上の、感動や共感を生む力を持っています。
キラーコンテンツの作り方(コンテンツマーケティング)
キラーコンテンツを生み出すためには、慎重で計画的なアプローチが必要です。以下はその手順です。
アプローチの結果をデータ蓄積する
最初に行うべきことは、マーケティングや営業アプローチの結果をデータ蓄積することです。Google search consoleやGoogle analytics、MAやSFAを通じて、相手に受け入れられていた過去のアプローチは何か、また、どの要素が成功したかを明らかにできるようにします。
受注率の高い市場セグメントを特定する
受注率の高い市場セグメントを特定しましょう。データをもとに、受注率が高く、競争しても負けない(または、競争が激しくない)市場セグメントを見つけることが重要です。特定の市場にフォーカスすることで、受注率の高い要因を特定しやすくなります。
受注率の高いニーズを特定する
市場セグメントが明確になったら、そのセグメントが直面している具体的なニーズや課題を特定します。ユーザーの要望に的確にアプローチすることで、コンテンツの関与が高まり、受注率が向上します。
USPを特定する
続いて、USP(ユニークセリングプロポジション)を特定します。競合他社と差別化できるポイントを理解することが大切です。自社の強みや他社にはない価値を理解し、これを強調することで、相手に印象づけられます。
USPの裏付けとなるUGC・調査データ・専門家の意見などを集める
USPが信頼できるものだと見込み客に認識されるように、UGC(ユーザー生成コンテンツ)、市場調査データ、業界専門家の意見などの情報を収集します。これにより、USPが裏付けられ、信頼性が向上します。
発信可能なコンテンツ形式にまとめる
得られた情報をもとに、ターゲットに適したコンテンツ形式を選択します。営業資料、導入事例、SEO記事、ホワイトペーパー、動画、など、効果的なメディアを用いたマーケティングや営業の施策に活用できるコンテンツを構築します。
結論:キラーコンテンツ=USP(自社が選ばれる理由)が伝わるコンテンツ
最終的なコンテンツは、企業のUSPが際立つように構築されます。読者や視聴者に、なぜ自社が他社よりも優れているかを理解させ、ブランドの強みをアピールすることが、キラーコンテンツの本質です。
キラーコンテンツを活用したコンテンツ形式の例
企業がキラーコンテンツを活用する際、さまざまなコンテンツ形式を選択できます。以下はその一例です。
営業資料
営業資料は企業の商品やサービスを紹介し、顧客に価値を提供する手段として重要です。キラーコンテンツを活用した営業資料では、興味を引きつけるストーリーテリングやビジュアル要素、効果的なデータが組み込まれていることが大切です。相手に深い印象を残します。
導入事例
キラーコンテンツを導入事例に活かすことで、実際の成功体験を伝えることができます。成功したプロジェクトやクライアントの声を通じて、信頼性を高め、潜在的な顧客に自社サービスや製品の価値を示すことができます。
比較資料
競合他社との比較資料もキラーコンテンツを活かすポイントがあります。明確なデータや利点のハイライトを交え、読者になぜ自社が選ばれる理由であるかを伝えます。
SEO記事
SEO記事はウェブ上で企業のオンラインプレゼンスを高める手段です。キラーコンテンツを組み込んだSEO記事は、検索エンジンでのランキング向上だけでなく、読者に深い印象を与え、コンバージョンに繋がりやすくなります。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは特定のトピックについて詳細に論じたコンテンツ形式です。キラーコンテンツを活かすホワイトペーパーでは、専門的な情報を分かりやすく伝え、読者の理解を深めることが重要です。
セミナー(ウェビナー)
キラーコンテンツを用いたセミナーやウェビナーでは、魅力的なプレゼンテーションや有益な情報を提供し、参加者との対話を通じてブランドの価値を高めます。また、参加者との対話を通じ、その場で相手の疑問を払拭することや、購入の背中を押すこともできます。
メルマガ
メルマガは直接顧客とのコミュニケーションを促進する手段です。キラーコンテンツを活かしたメルマガは、読者に定期的に価値ある情報を届け、信頼を築くのに役立ちます。
キラーコンテンツの使い方のポイント
キラーコンテンツを最大限に活用するためには、具体的なアプローチと共通の理解が必要です。以下はそのポイントです。
5W1Hで活用方法を整理する
キラーコンテンツを活用するには、その具体的な目的と手段を明確にすることが不可欠です。5W1H(Who, What, When, Where, Why, How)を用いて、誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのようにキラーコンテンツを活用するのかを整理しましょう。これにより、戦略的な展開が可能となります。
関係者間で共通認識を持って積極的に活用する
キラーコンテンツの効果を最大化するためには、企業内の関係者全体がその重要性を理解し、共有することが必要です。マーケティング、セールス、クリエイティブ、管理層など、関係者全体が一体となってコンテンツを活用することで、一貫性のあるメッセージが発信され、ブランド価値が向上します。
結論:キラーコンテンツも見込み客に伝わらなければ意味がない
キラーコンテンツがあっても、それが見込み客に適切に伝わらなければ効果は期待できません。適切なプロモーション戦略やターゲティングを検討し、SEO最適化を行うことで、ターゲットオーディエンスにコンテンツが届きやすくなります。キラーコンテンツを作成したら、その次にどのようにキラーコンテンツにアクセスを促すのか検討することが大切です。
これらのポイントを踏まえてキラーコンテンツを活用することで、競争の激しい市場で他社と差別化し、企業側が求める成果・CVを大きく増やすことができるでしょう。
コツ・留意点
キラーコンテンツを生み出し、維持するためには、以下のコツと留意点が重要です。
キラーコンテンツは、簡潔にわかりやすく
読者や視聴者は情報を素早く消化し、理解したいと考えています。キラーコンテンツは簡潔でわかりやすい表現が不可欠です。冗長な表現や難解な言葉を避け、明確でストレートなメッセージを伝えることで、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
競合・トレンドの変化に伴いアップデートが必要になる
キラーコンテンツが一度作成されたら終わりではありません。市場や業界の変化、競合の動向、トレンドの変遷に敏感に対応し、定期的なアップデートが不可欠です。常に最新かつ有益な情報を提供することで、ユーザーの興味を引き続け、コンテンツの価値を維持できます。
これらのコツと留意点を念頭に置きながらキラーコンテンツを制作し、戦略的なアップデートを行うことで、長期的な効果を最大化することができます。
さいごに
キラーコンテンツの作成・活用に関する知識が今回の記事を通じて深まりましたでしょうか?しかし、知識をビジネス上の具体的な成果に結びつけるには、実践が欠かせません。
プロレクトでは、キラーコンテンツの作成や戦略的なコンテンツマーケティングに関するサポートを行っています。あなたのビジネスに最適なアプローチを見つけ、強力なキラーコンテンツを生み出すお手伝いができます。
もし具体的なアクションを起こしたい、またはプロレクトのコンテンツマーケティング支援パッケージサービスに興味がある場合は、お気軽にお問い合わせください。当社の専門家があなたのビジネスに合わせた戦略を提案いたします。