営業における提案のコツと提案を成功させるための8つのチェックポイント

営業の提案(プレゼンテーション)とは、クロージングを行う前に、お客さまの課題(ニーズ)を整理して、お客さまの課題(ニーズ)をどのように解決するか、相手に正しく伝え、その価値を理解してもらうための大切なステップです。

本記事では、営業における提案のコツと提案時に抑えておきたい8つのポイントについてまとめてご紹介します。

営業における提案のコツ

営業活動は、大きく5つのステップから成ります。営業の提案(プレゼンテーション)は、ヒアリングとクロージングの間に位置しており、課題やニーズを満たすための解決策を示し、その手段として商品やサービスを提案し、その価値を理解していただくステップになります。

営業における提案(プレゼンテーション)を成功させるためには、大きく2つのコツがあります。

「あなたから買いたい」と思ってもらうためのコツ

提案のステップでは、相手の課題やニーズを満たすための解決策として商品やサービスを提案し、その価値を理解していただく必要があります。しかし、相手がその提案に価値を感じたとしても、あなたから買う理由がなければ、他の商品・サービスに代替されてしまうかもしれません。

そのため、どうせ商品やサービスを購入して課題解決を目指すのであれば、あなたと一緒に目指したい、つまり、「あなたから買いたい」と思ってもらうことが大切です。

「あなたから買いたい」と思ってもらうためには、

  • ゴール(課題の解決)について共有していること
  • 解決策について共有していること
  • 今後の進め方(スケジュール)について共有していること
  • お客さまの課題解決を一緒に目指す、というパートナーとしての姿勢を感じること

といった条件を満たしていることが大切です。つまり、あなたに対する相手からの評価が、「課題解決を一緒に目指してくれるパートナー」であることが大切です。

「パートナー型営業」を目指すためのコツ

法人営業では、相手から「課題解決を一緒に目指してくれるパートナー」だと評価してもらえる状態を目指すことが大切です。このような営業を「パートナー型営業」と言います。

パートナー型営業では、パートナー型(WIN-WIN)の関係構築を目指します。仮に受注に繋がったとしても、御用聞き型(WIN-LOSE)や押し売り型(LOSE-WIN)では、お客さまとの長期的な関係は構築できません。

御用聞き型(WIN-LOSE)になってしまっている人は、多くの場合、商談の事前準備が不十分です。相手の課題やニーズが想定できていないまま商談の場に臨んでしまい、相手の課題やニーズに対する建設的な議論を交わすことができないのです。

相手側も、必ずしも自分たちの課題について言語化して説明できるとは限りません。また、相手が課題だと認識している顕在的なところではなく、もっと潜在的なところに問題が隠れている可能性もあります。

相手の課題やニーズに対する想定をしないまま、相手から言われたことだけに応えようとする、といった営業スタイルでは、相手から信頼を得られないばかりか、無理難題を押し付けられてしまうことにもなりかねません。残念ながら、「課題解決を一緒に目指してくれるパートナー」だと評価されるには、程遠い状態です。

商談の事前準備に関しては、別記事「営業担当者なら抑えておきたい、商談の成功率を高めるための事前準備の8つのステップ」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

押し売り型(LOSE-WIN)になってしまっている人は、多くの場合、商談初期における信頼関係の構築や、ヒアリングの精度が弱い傾向があります。相手の事情を十分に把握できていない状態で、購入の意思決定を迫ってしまいます。また、押し売り型(LOSE-WIN)をする方は、「相手から聞いた課題に対して、自社の商品で課題が解決できると思ったから提案している、むしろ悪いのは相手だ」と言わんばかりに、自分の提案を正当化する傾向もあります。

ただし、これでは「課題解決を一緒に目指してくれるパートナー」だと評価を得ることはできません。法人取引では、製品・サービスの利用者と購入の意思決定者(営業アプローチ先)が異なることや、複数人が購入の意思決定に関与することが多々あります。仮にあなたの提案に相手が価値を感じたとしても、実際に商品やサービスを購入するまでには、クリアしなければならない手続きやハードルが多々あるものです。

相手の事情を考慮しないまま購入の意思決定を迫ってしまうと、相手はあなたに対して高圧的な印象を受けるかもしれません。提案自体に価値を感じたとしても、あなたから以外からも買うことができるのであれば、担当替え、もしくは、他の商品・サービスに代替されてしまうかもしれません。

このような事態に陥らないためにも、仮にあなたの提案に相手が価値を感じたとしても、相手の事情を十分に把握できていない状態で、購入の意思決定を迫ってしまうことは避けましょう。この時期に導入を具体的に検討することは可能なのか、導入の意思決定をするために、どのようなハードルがあるのか、そのハードルを超えるために、何かお手伝いができることがないのか、など、相手の立場に寄り添って一緒に考えて行くことが大切です。

商談初期における信頼関係の構築に関しては、別記事「営業におけるアイスブレイクとは?商談アプローチの初期における信頼構築の10ステップ」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

営業ヒアリングに関しては、別記事「営業ヒアリングとは?フレームワークの項目別にやり方とコツをまとめました」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

商談の相手から、「課題解決を一緒に目指してくれるパートナー」だと評価を得るためにはどうしたらいいか、どんな姿勢で臨めば相手に伝わるのか、それをしっかりと考えるようにしましょう。営業担当者のスタンスは、商談を通じて相手にも伝わるものです。

提案を成功させるための8つのチェックポイント

ここからは、提案活動をどのように進めていくのか、実際にみていきましょう。提案を成功させるために抑えておきたいチェックポイントは、大きく8つあります。

ニーズの全容の再確認

一つ目のポイントは、相手とニーズの全容の再確認することです。お客さまの認識と、解決策・対応策の方向性に食い違いが生じるのを防ぐために行います。

営業ヒアリングで得られた情報を一つ一つ読み上げ、お客さまのニーズを再確認することをおすすめします。こうすることで、解決策・対応策の方向性に食い違いが生じるのを防ぐのと同時に、ニーズを全て受け止めていることを示すことができます。

    ◎チェックポイント

  • ヒアリングで得られた情報を一つ一つ読み上げて、お客さまのニーズの全てを再確認します
  • 「お客さまのご要望はこれで全部ということで宜しいですか」とお客さまの意思を確認します
  • 「本当にこれで全部ですか?」と念を押すと、お客さまは真剣に考えてくれます

ニーズの優先順位の確認

二つ目のポイントは、相手とニーズの優先順位を確認することです。時間やコストなど、様々な要素を考えていくと、お客さまのニーズを100%満たすことが難しいケースもあります。そこで、プランを提案する前に、ここまでに発掘した全てのニーズに対して、お客さまに優先順位をつけてもらいましょう。最優先したいものと、後回しにしてもいいものを選んでいただくと良いでしょう。

    ◎チェックポイント

  • お客さまにニーズの優先順位をつけてもらいましょう
  • お客さまのニーズの優先順位を、営業担当者が勝手な判断で解釈しないようにしましょう
  • 確認するための質問例
  • 最優先事項:「少なくとも最優先させたいものを一つ選ぶとしたらどれですか?」
    後回し事項:「また、最悪の場合は妥協できる、というものは、全くありませんか?」

ゴールを実現する解決策の提示

三つ目のポイントは、ゴールを実現するための解決策の提示です。具体的な解決策を提示し、共にゴールを目指して行こう、という合意形成につなげるために行います。ここから本格的なプレゼンテーションに入ります。

    ◎チェックポイント

  • 問題・ニーズ→解決策(方法論)→商品・サービス→コスト・スケジュールの順序で提案します
  • 解決策を提示する際には、事例や根拠も合わせて提示するようにしましょう
  • できれば、先に提案書を作って持参できるとベストです

解決策の合意形成

四つ目のポイントは、解決策の合意形成です。提案した解決策について、お客さまの反応を確認しましょう。お客さまが求めているニーズと、こちらで用意した解決策が一致しているかどうかをまずは確かめます。解決策の一致が共に確認できれば、合意形成が生まれます。

    ◎チェックポイント

  • 「ここまでの解決策の方向性については、いかがですか」とお客さまに尋ねます
  • 「いいと思います」と言ってもらってから、商品・サービスの特性と価値の説明に進みます
  • 合意形成を行うことで、解決策自体の方向性を修正して再検討することがないことを確認します
  • あとは、手段として何が適切か、という比較的シンプルな問題として進めます

商品・サービスの特性と価値について説明

五つ目のポイントは、商品・サービスの特性と価値について説明することです。ここから、プレゼンテーションは商品・サービスの提案へと進みます。お客さまが一目で特性や価値を理解できるよう簡単な資料も用意しておくと、より効果的です。

    ◎チェックポイント

  • 商品・サービスの特性と価値(バリュープロポジション)について説明します。
  • 「どのような製品か」「導入するメリットは何か」「競合との違いは何か」をわかりやすく説明します
  • お客さまが一目で特性や価値を理解できるよう簡単な資料も用意しておくと効果的です

スケジュールプランの提示(進め方)

六つ目のポイントは、スケジュールプランの提示(進め方)です。さらに、商品・サービスを導入した場合、どのような手順でゴールへ到達するのか、大まかなスケジュールプランを提示します。スケジュールは、事前に確認した優先順位を考慮して提示するようにしましょう。

    ◎スケジュールプランの提示する際のトークの例
    契約後は、まず当社からカスタマーサクセスの担当者を派遣いたします。最初は、管理者さま向けの研修を受けていただき、その後、他のご利用者さま向けの説明会を実施いたします。最初の一ヶ月は使い方のご説明やシステムの設定をしっかり進めていき、三ヶ月程度を目処にみなさまに使いこなしていただけるようにしていきましょう。優先順位の高い○○に関しては早めに取り組んでいき、半年経った時点で結果を振り返り、それ以降の取り組みについて検討していきましょう

価格プランの提示(複数プランを提示)

七つ目のポイントは、価格プランの提示(複数プランを提示)です。価格プランは一つではなく、複数のパターンを用意するようにしましょう。

    ◎価格プランを複数提示する理由
    複数のプランがあれば、そのうちのどれかを選ぼうという気になるので、購入に前向きになります。これは、価格プランというより、提案内容を複数用意しましょうということです。お客さまは、提案を自分で選ぶことでも満足度が高まります。

抵抗の排除(不審・不満・誤解の克服)

八つ目のステップは、抵抗の排除(不審・不満・誤解の克服)です。お客さまに不審・不満・誤解といったマイナスの感情が生まれている場合には、解消することに時間を割きましょう。じっくりとお客さまの意見に耳を傾け、マイナスの感情を払拭するように心掛けましょう。

    ◎不審・不満・誤解を克服するためのプロセス
    ①お客さまの発言を受けとめる(反論せずに、お客さまの発言を受け止めましょう)

    ②お客さまが不審・不満・誤解を感じている点を確認

    ③不審・不満・誤解の解消につながる証拠、事例の提示

    ④商品・サービスの特性と価値について説明

さいごに

本記事では、営業における提案のコツと提案を成功させるための8つのチェックポイントについて解説しました。

営業の提案(プレゼンテーション)を通じ、相手の課題やニーズを満たすための解決策として商品・サービスを提案することはもちろんのこと、商談の相手から「課題解決を一緒に目指してくれるパートナー」だと思ってもらうことを目指しましょう。このあとは、クロージングに移ります。

クロージングに関しては、別記事「営業ヒアリングとは?フレームワークの項目別にやり方とコツをまとめました」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

また、営業の提案(プレゼンテーション)前後の商談全体の流れにおいても、意識的に行うことで商談の質の改善に繋げることができるさまざまなポイントがあります。そちらについては、【無料PDF】法人営業の基本と実践に詳しくまとめておりますので、ぜひダウンロードしてご覧ください。

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最後までご覧いただきありがとうございました。