ホワイトペーパー制作でよくある失敗5選|成果につなげる改善ポイントとは?

「ホワイトペーパーを作ったのに、ダウンロード数は増えない…」
「DLは取れているのに、商談や受注にはつながらない…」

──そんな悩みに心当たりはありませんか?

多くのBtoBマーケティング担当者が同じ壁にぶつかっています。展示会や広告よりも効率的にリードを獲得できる“王道施策”であるはずのホワイトペーパー。しかし、実際には 「作っただけで満足してしまう」自己完結型コンテンツ になってしまい、成果につながらないケースが少なくありません。

本記事では、ホワイトペーパー制作で特によくある失敗5つを具体的に取り上げ、それぞれをどう改善すれば成果に直結できるのかを解説します。
「DL数を“成果”に変えたい」と考える方に、実務でそのまま活かせるヒントをご紹介します。

なぜホワイトペーパーで失敗が起きやすいのか?

ホワイトペーパーは「ダウンロード数さえ増えれば成功」と思われがちです。
しかし、実際には DL=成果ではありません。
成果につながらない原因の多くは、制作工程のどこかが「部分最適」にとどまり、全体像が欠けていることにあります。

たとえば──

・ペルソナや課題を十分に定義せずに企画を進めてしまう
・デザインや構成ばかりを重視して「読後に何をしてほしいか」が曖昧
・公開後の配布導線やDL後のフォローが仕組み化されていない

このように「点」では正しいことをやっていても、「線」としてつながっていなければ、商談や受注といった成果には届きません。
つまり、ホワイトペーパーの成否は、ターゲット設定 → コンテンツ企画 → デザイン構成 → 配布設計 → フォローを一気通貫で設計できるかどうかにかかっています。
「どうすれば全体を抜け漏れなく設計できるのか?」と悩む方は、ホワイトペーパー制作の完全ガイドもあわせて参考にしてみてください。

失敗①:ターゲットが不明確で内容がぼやける

問題点

ホワイトペーパーは「誰に」「どんな状況で」読んでもらうのかを明確にしなければ、情報が散漫になり、結局どの層にも刺さらない中途半端な資料になってしまいます。
とくに社内で「幅広く使えるように」と考えるあまり、ターゲットを絞らずに制作してしまうケースが多いのです。

よくある例

・経営層に見せたいのに、専門用語だらけで現場向けにしか見えない
・どの業界・どの課題にも当てはまりそうな一般論ばかりで差別化できない
・読み手が「自分の課題と関係ある」と思えず、最後まで読まれない

改善ポイント

・ペルソナを明確化する
例:IT部長(情報システム投資の決裁権あり、課題はコスト削減とセキュリティ強化)など、役職・課題・意思決定の関与度を具体化。

・顧客の生の声を取り入れる
営業ヒアリングや既存顧客インタビューから、実際にどんな課題や表現が響くのかを収集し、企画段階で反映する。

「誰のための資料か」が明確になると、見込み顧客が「まさに自分向けの情報だ」と感じ、読み進めてもらえる可能性が格段に高まります。

失敗②:営業資料化してしまう

問題点

ホワイトペーパーの本来の役割は、見込み顧客に課題を理解してもらい、解決の道筋を示すことです。
しかし、制作の途中で「せっかくだからサービス紹介も入れよう」と欲張ってしまい、気づけば 自社商品の宣伝パンフレット のようになってしまうケースが少なくありません。
これでは、読者が期待する「中立的な情報提供」から外れてしまい、最後まで読んでもらえないばかりか、信頼感を損なうリスクもあります。

よくある例

・サービス機能紹介が本文の半分以上を占めている
・導入事例やデータがなく「自社すごい」で終わっている
・資料冒頭から「資料請求はこちら」など強い営業色を出してしまう

改善ポイント

・読者が課題を理解し、解決の方向性をつかめることにフォーカスする
→ 「なぜこの課題が起きるのか?」「どうすれば解決できるのか?」を中心に据える

・自社サービス紹介は最後に軽く触れる程度に留める
→ 本文ではあくまで“解決の型”を示し、最後に「当社ではその支援が可能です」と補足する程度がベスト

ホワイトペーパーは“売り込む資料”ではなく、“信頼を得る資料”。
読者に「この会社は自分たちの課題を理解している」と思ってもらうことが、DLを成果につなげる第一歩です。

失敗③:具体性・独自性が欠ける

問題点

「とりあえずネットの情報をまとめて形にした」──そんなホワイトペーパーは、見込み顧客からすぐに見抜かれます。
数値や一次情報、実際の事例がなければ、「どこでも読める情報」と判断され、DLされても読了されず、商談にもつながりません。
さらにGoogleが重視するE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が不足すると、SEO的にも評価されにくく、せっかく作っても検索流入から見込み顧客を獲得できなくなります。

よくある例

・「市場は拡大しています」とだけ書いて、具体的な数値や出典がない
・他社サイトに載っている内容を要約しただけで独自性がない
・実務担当者や顧客の声が入っておらず、机上の空論に見えてしまう

改善ポイント

・一次情報を盛り込む
アンケート調査、顧客インタビュー、社内データなどを引用し、信頼性を高める

・事例や数字を入れて「使える資料」にする
「導入後〇%改善」「〇社中〇社が成功」といった具体例があると読者が行動に移しやすい

・出典を明示する
公式レポートや統計データの出典を明示し、安心感と説得力を担保する

「自社ならではの視点やデータ」が入って初めて、ホワイトペーパーは読者にとって価値ある資料になります。
改善の具体策をさらに知りたい方は、ホワイトペーパーで成果が出ない理由と改善策もあわせてご覧ください。

失敗④:デザイン・構成がわかりにくい

問題点

せっかくDLされても、「読むのがつらい」と感じられた時点で、読者は離脱してしまいます。
文章だけが延々と続き、図解や要約もないホワイトペーパーは、“情報の墓場”になりがちです。
特に経営層や忙しい担当者は数分で内容を把握したいのに、肝心の解決策がどこに書かれているか分からなければ、最後まで目を通してもらえません。

よくある例

・「結論が後ろに隠れていて探さないと分からない」
・解決策よりも背景説明にページを割きすぎている
・読者のアクションを想定していないストーリー展開

改善ポイント

・図表・イラスト・チェックリストを活用
複雑な内容は図解で整理し、読者が直感的に理解できるようにする

・ストーリーをシンプルに整理
「課題 → 解決策 → 成功イメージ」の流れを徹底し、読者が「自分のケースに置き換えられる」ように設計する

・読者の時間感覚に配慮
要点を冒頭で示し、1分で「読む価値がある」と思わせる構成にする

デザインや構成は「見栄えのため」ではなく、読者に最後まで読んでもらい、行動につなげるための仕掛けです。
「伝わる設計」に変えるだけで、同じ内容でも商談化率が大きく改善する可能性があります。

失敗⑤:配布・運用設計をしていない

問題点

どれだけ中身の良いホワイトペーパーを作っても、「公開して終わり」では成果につながりません。
サイトに置きっぱなしで自然流入を待つだけではDLはほとんど増えず、社内営業チームに共有されなければ活用の機会すら失われてしまいます。
つまり、ホワイトペーパーは「作る」以上に、「どう届け、どう運用するか」の設計が欠かせないのです。

よくある例

・自社サイトのLPにひっそり置いてあるだけで、流入導線がない
・営業チームが存在すら知らず、顧客との商談に活用されていない
・DL後のフォローがなく、せっかく獲得したリードが放置されてしまっている

改善ポイント

・配布チャネルを複数用意する
SEO記事からの流入、メルマガ配信、広告、ウェビナーや展示会での配布など、複数の導線を設計する

・ISや営業チームに「トスアップ用資料」として活用してもらう
「この資料をDLした人は関心度が高い」という合図になるように仕組みを整える

・DL後のフォロー体制を仕組み化する
MAツールやSalesforceでDL後の行動をトラッキングし、インサイドセールスが48時間以内にコンタクトできる体制をつくる

ホワイトペーパーは“作った瞬間”がゴールではなく、配布と運用で初めて価値を発揮する施策です。
運用設計を意識することで、DL数は単なる数字から「商談・受注に直結するリード」へと変わっていきます。
外注を検討中の方はホワイトペーパー制作会社おすすめ8選も参考になります。

まとめ|ホワイトペーパーは「作る前」が勝負

ホワイトペーパーが成果につながらない最大の原因は、制作スキルの不足ではなく、設計段階での抜け漏れにあります。
ターゲット定義、独自情報の盛り込み、分かりやすい構成、そして配布・運用設計──この4つを徹底することで、DL数は単なる数字ではなく、商談・受注に直結する「成果指標」へと変わります。

「作って終わり」ではなく「作る前の設計」で勝負が決まる。これがホワイトペーパーを成功させる鉄則です。

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