マーケティング用語を解説します|「こ」から始まる用語編

マーケティング用語の多くはカタカナ用語であり、種類が多く、類似している用語も多いです。新しい用語も頻繁に登場するため、意味がよくわからないまま使っている用語も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、マーケティングや営業の現場で耳にすることが多い基本的なマーケティング用語を中心に、その意味を解説していきます。

「こ」から始まるマーケティング用語

今回は、マーケティングに関する基本的な用語を中心に、「こ」から始まるマーケティング用語についてまとめました。ぜひ、参考にしてみてください。

コアコンピタンス

コアコンピタンスとは、企業の中核的な競争力を与える能力や資源であり、その企業の主要な商品やサービスを提供するために必要な独自の能力のことです。一般的には企業の専門知識、技術、経験、ブランド価値などを指します。

コアコンピタンスは、企業の戦略的な意思決定に影響を与え、企業の価値提供の本質を形成するため、そのマネジメントにとって非常に重要です。また、コアコンピタンスに基づく競争戦略は、競合他社に比較的に持続的で優れた企業成果をもたらすことができます。

コストリーダーシップ戦略

コストリーダーシップ戦略は、企業が同じ品質の商品やサービスを他社よりも低い価格で提供することで、市場での優位性を獲得する戦略です。

この戦略を採用する企業は、生産性を高め、製造や配送の効率化、原材料の仕入れコストを抑えるなどの方法でコストを削減し、低価格で商品やサービスを提供することができます。そして、低価格競争力を維持することで、市場でのシェアを獲得し、競合他社よりも利益を得ることができるのです。

ただし、コストリーダーシップ戦略を採用するには、製品やサービスの品質を低下させずにコストを抑えることが必要です。また、流通や販売、マーケティングなどの費用もできるだけ抑える必要があります。それでも、高い生産性や低コストの優位性を保つことができれば、競合他社よりも優れた市場シェアを獲得できるでしょう。

コトラーの競争地位戦略

コトラーの競争地位戦略には、以下の4つがあります。

コストリーダーシップ戦略

同様の品質の商品やサービスを競合他社よりも低価格で提供することで、市場での優位性を獲得する戦略です。

差別化戦略

自社の商品やサービスを、競合他社よりも優れた品質や価値で提供することで、独自性を持ち、市場での優位性を獲得する戦略です。

集中戦略

特定の市場や商品に注力して、それに特化した商品やサービスを提供することで、市場での優位性を獲得する戦略です。

ニッチ戦略

特定のニッチ市場に注力し、その市場でのニーズに合わせた商品やサービスを提供することで、市場での優位性を獲得する戦略です。

コミュニケーション履歴

コミュニケーション履歴とは、ある人または組織とのやり取りやコミュニケーションを記録するための文書または情報のことです。これには、テキストメッセージ、電子メール、会話の録音、メモ、スケジュールなどが含まれます。

コミュニケーション履歴は、将来のコミュニケーション、プロジェクト管理、法的問題、顧客サービスなどで重要な役割を果たすことがあります。コミュニケーション履歴を蓄積してデータ分析することで、マーケティング戦略の改善やカスタマーサポートの向上に役立てることもできます。

コモディティ化

コモディティ化とは、ある市場や業界において、同種の商品やサービスが多数存在し、価格競争が激しくなり、それぞれの商品やサービスの差別化が困難になる現象を指します。つまり、同じようなものがたくさんあるため、価格や品質などで差別化できなくなり、価格競争に陥ることが多いです。

例えば、原油や大豆などはコモディティ化が進んでおり、価格が全世界的にほぼ同じになっております。

コンタクト

コンタクトとは、顧客との接点やコミュニケーションのことです。コンタクトを深めることで、顧客との信頼関係や顧客ニーズの理解を深め、ビジネスの成果を上げることができます。

顧客とのコンタクトを深めるためには、以下のような具体的な手段があります。

1. 顧客の購入履歴や情報を把握する
2. 顧客にターゲティングされたメッセージを送信する(例えば、ニュースレターや目的のある広告など)
3. 電話やメール、チャット、SNSでコミュニケーションをとる
4. イベントやセミナーなどで顧客と直接対話する
5. プロモーションや割引クーポンなどで、新しいお客様を呼び込む

これらの手法を駆使して、顧客との信頼関係を築き、サービスの評価や口コミにつなげることが大切です。

コンタクトポイント

マーケティングや営業におけるコンタクトポイントとは、顧客が製品やサービスと関わりを持つ可能性のある接点のことです。代表的なコンタクトポイントには以下のようなものがあります。

・広告
・商品やサービスへのアクセスポイント
・オンラインの情報やWebサイト
・プロモーションイベント
・パッケージ、ラベル、カタログ
・販売店、代理店、直営店
・カスタマーサポート、コールセンター、メール相談
・SNS、ブログ、口コミサイト

これらのコンタクトポイントは、商品やサービスを知り、購入し、使い、再度の購入を検討するために必要不可欠なものです。マーケティングや営業は、それらのポイントで顧客と積極的に交流を図ることが重要です。

コンテンツ

コンテンツとは、顧客の関心や欲求に応えるために企業が作成する情報・コンテンツのことです。
マーケティングや営業におけるコンテンツは、以下のようなものがあります。

Webサイトのコンテンツ

企業のウェブサイトに掲載される記事やブログ、商品やサービスの説明などのコンテンツ。

SNSのコンテンツ

Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSに掲載される投稿、広告、ストーリー、ライブ配信などのコンテンツ。

メールマガジンのコンテンツ

企業から顧客に配信されるメールマガジンの中身。

オンライン広告のコンテンツ

Google AdWords、Yahoo! JAPAN 広告などのオンライン広告のコピー、画像、動画などのコンテンツ。

印刷物のコンテンツ

会社案内、ダイレクトメール、チラシ、パンフレット、ポスターなどの印刷物コンテンツ。

PR記事のコンテンツ

新聞や雑誌、ニュースサイトなどに掲載される企業のPR記事やプレスリリース、インタビュー記事などのコンテンツ。

以上のように、コンテンツはマーケティングや営業において欠かせないものとなっています。顧客が企業に対して興味を持った際に、企業から提供された情報が購買意欲を高める重要な役割を果たしています。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、商品やサービスを宣伝・販売するために、企業が有用な情報やエンタメ的なコンテンツなどを提供して、その企業自身をブランドとして認知させたり、興味を持ってもらったり、信頼を築いたりするマーケティング戦略です。

具体的には、ブログ・SNSを利用した記事、動画、e-book、ホワイトペーパー、オンラインセミナー、ポッドキャストなどがあります。コンテンツマーケティングにより、企業の信頼性や知名度が高まり、売上につながることが期待されます。

コーズマーケティング

コーズマーケティングとは、企業が社会的な問題解決に取り組むことで、消費者や社会に対してポジティブなイメージを与え、企業価値の向上を図るマーケティング手法です。

具体的には、環境問題や社会問題などに取り組む活動を行い、その活動内容を広く知らせることで、消費者からの支持や認知度の向上を図り、企業のブランドイメージを向上させることができます。

ただし、コーズマーケティングは単なるPR活動として行うべきではなく、真に社会問題や環境問題の解決に取り組むことが大切とされています。

コールドコール

コールドコールとは、事前のアポイントメントなしに新規顧客に直接電話をかけ、商品やサービスを提案する営業手法のことです。営業員はリストから顧客を選定し、電話で話しながら商品やサービスを紹介していきます。

コールドコールは新規顧客獲得に効果がある反面、電話を受けた相手が不快に感じることもあるため、スキルやタイミングが重要になります。近年では、ビジネスのデジタル化に伴い、コールドコールに代わる手法として、インバウンドマーケティングやソーシャルセリングが注目されています。

コールドリード

コールドリードとは、まだ商品やサービスに興味を持っていない、取引実績のない新規の見込み顧客のことです。これらの見込み顧客を獲得するために、コールドコールや広告などのマーケティング手法を用いてアプローチします。

コールドリードの獲得には、リードジェネレーションの戦略や営業チームのコールドコールのスキルが必要です。

コンサルティング

コンサルティングとは、専門的な知識・技術を持つ人(コンサルタント)が、企業や個人などのクライアントに対して、課題解決やビジネスの成功をサポートするサービスのことです。コンサルティングの目的は、クライアントの問題や目標を明確にし、最適な解決策を提供することです。

具体的には、戦略立案、業務プロセスの改善、人材育成や採用戦略の提供など、様々な業務に対してコンサルタントがアドバイスや支援を行います。

コンサルティング営業

コンサルティング営業とは、コンサルティングサービスを提供することでビジネス上の課題を解決し、クライアント企業の業績向上に貢献する営業活動を指します。

コンサルティング営業は顧客との信頼関係を築くことが重要で、顧客のビジネスの抱える問題や目標を把握し、最適なコンサルティングサービスを提案することが求められます。そのためには、業界や市場のトレンドを把握し、コンサルティングサービスに加えてノウハウや改善提案など、付加価値を提供することが重要です。

また、コンサルティング営業は、長期的な視野でクライアント企業との関係を築くことを目指しています。そのため、ビジネス上の課題だけでなく、クライアント企業のミッションやビジョンにも関心を持ち、共有することが求められます。

顧客

顧客とは、商品やサービスを購入する相手のことを指します。企業の目的は、商品やサービスを「売る」ことですが、そのためには「誰に」「何をどのように」「どのように伝えて」販売するかの戦略が必要となります。

顧客は、商品やサービスを購入する直接の対象者であるだけでなく、周辺に影響を与える人々にも影響を与えます。そのため、顧客にとって有用な商品やサービスを提供することができれば、顧客満足度を高め、リピート率を上げることができます。

まだ商品やサービスを購入していない顧客を見込み顧客、既に商品やサービスを購入している顧客を既存顧客と呼ぶこともあります。

顧客志向

顧客志向とは、顧客のニーズや要望を中心に考え、それに合わせた商品やサービスを開発・提供し、顧客満足度を追求することを指します。どのような商品やサービスを提供すれば顧客がより満足し、リピートしてくれるかを常に考え、顧客の立場に立った視点で物事を考えることが重要です。

顧客志向を徹底することで、企業の業績向上やブランド力の向上につながります。

個別対応

個別対応とは、顧客一人ひとりのニーズや要望に合わせて、個別に対応することを指します。これは、顧客の満足度を高めるために非常に重要な要素です。

個別対応を行うためには、顧客の情報を集め、分析することが必要です。また、ある程度の規模の企業であれば、CRMシステムを活用して、個別対応に必要な情報を一元管理することができます。個別対応によって、顧客のロイヤルティを高め、長期的な関係を築くことができます。

ただし、個別対応を行うことで、次のような問題点が生じることがあります。

コストがかかる

個別対応は、顧客一人ひとりに対してそれぞれ異なる対応をするため、大量生産や標準化されたサービスと比べるとコストがかかります。

生産性が低下する

個別対応を行うと、スタッフがそれぞれの顧客に時間を割いて対応しなければならないため、一定の生産性の低下が生じます。

品質の低下

個別対応を行うと、何度も同じ作業をすることがないため、品質が低下することがあります。また、スタッフの技術力や対応力にばらつきが生じることがあるため、品質のムラが生じることがあります。

情報管理が難しい

個別対応を行う場合、それぞれの顧客に対して何を行なったか、どのような対応を行なう必要があるかを管理する必要があります。この情報管理が難しいため、情報漏洩や誤った対応を行うことがある可能性があります。

以上のような問題点があるため、個別対応を行う際には、コスト及び生産性に焦点をあて、きめ細かな情報管理や品質管理を図ることが大切です。

個人情報

個人情報とは個人に関する情報で、個人識別に使われる情報や、個人の生活に関する情報、属性情報、メールアドレスやクレジットカード番号などが含まれます。

個人情報の適切な取り扱いは重要であり、個人情報保護法などの法律によって保護されています。企業や団体は、個人情報を適切に管理する責任があり、個人情報が漏えいしたり、不正に利用された場合には、法的責任を追及されることがあります。

個人情報保護法

個人情報保護法は、日本において2005年に施行された法律で、個人のプライバシーや人格尊重を保護するために制定されました。法律の目的としては、個人情報の適切な取り扱いを促進し、個人情報を保護することが挙げられます。

個人情報保護法では、企業や団体などが個人情報を収集する場合には、原則として本人の同意を得る必要があることや、個人情報の漏えいや不正利用に対しては適切な対策を講じることが求められています。

さいごに

以上、今回はマーケティングや営業の現場でよく使われるマーケティング用語について「こ」から始まる用語編と題し、お届けしました。次回は「さ」から始まるマーケティング用語についても解説したいと思います。

さいごになりますが、当社ではBtoBマーケティングの業務に役立つお役立ち資料を複数ご用意しております。マーケティングの基礎知識と実践方法を体系的にまとめたお役立ち資料などもご用意しておりますので、ご活用いただければ幸いです。

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