ダウンロード率(CVR)の高いホワイトペーパーの作り方

「ホワイトペーパーを作成したが、あまりダウンロードされない」
「質の良い(ターゲットとなる)リードの獲得につながらない」

マーケティング上のコンテンツとして、ホワイトペーパーを活用する企業が増加しました。その一方で、このような声もよく聞かれます。

背景には、世の中に出回るホワイトペーパー数の増加したことがあります。コンテンツとして、差別化を図ることが難しくなった、言い換えれば、ダウンロードしてもらうためのハードルが上がってしまったのです。

しかし、「ホワイトペーパーを作成したが、あまりダウンロードされない」「質の良いリードの獲得につながらない」と諦めるのは時期尚早です。いくつかのポイントを押さえるだけで、ダウンロードされ、かつターゲットとなるリードの獲得につながるホワイトペーパーを作り上げることができるのです。

本記事では、ダウンロード率(CVR)の高いホワイトペーパーの作り方と題し、ターゲットとなる見込み客からのダウンロード率(CVR)の高いホワイトペーパーの作り方について解説します。

ホワイトペーパーの作成・活用に取り組む企業のマーケティング担当者様は、ぜひご一読ください。

ホワイトペーパーとは

BtoBマーケティングにおいて、ホワイトペーパーという言葉は商材カタログ、市場調査資料、事例集、お役立ち資料など幅広い内容のドキュメントをまとめた言葉として使用されています。

コンテンツマーケティングについて考えるとき、ウェブサイトのSEO対策に焦点を当てがちです。しかし、ウェブサイトを訪れた見込み客から連絡先の情報を獲得できなければ、実際のビジネスに繋げるための能動的なアプローチはできません。

ホワイトペーパーは、ウェブサイトを訪れた見込み客が情報を無料で入手できる代わりに、個人情報の提供と連絡を取る許可を求める形式のコンテンツとして活用されます。この方法により、ダウンロードされたホワイトペーパーから見込み客が興味・関心を持っているテーマについて知ることができ、それに基づいてアプローチを行えます。

ダウンロードされない=リードを獲得できない

一方で、思ったような成果を獲得できず、悩んでいる企業も少なくありません。

別のマーケティング施策においても同様のことが起こっています。例えば、今日ではメルマガ配信を中核としたマーケティング戦略も一般化していますが、メールボックスはあっという間に未開封メールで一杯となってしまいます。つまり、それだけ見込み客の一人ひとりが受け取るメルマガ数が増加しているということです。

このような状況化で、他社のメルマガの中で埋もれることなく開封してもらうことは容易ではありません。そして、このメルマガと同じような状況に、ホワイトペーパーも陥りつつあります。

「似たようなものを、前に見たな…」

世に出回るホワイトペーパー数の増加に伴い、その内容が重複することが多くなったため、このように感じる見込み客が増えているのです。

コンテンツマーケティングにおいて、ホワイトペーパーはリード獲得の要となるコンテンツです。ホワイトペーパーがダウンロードされなければ、リードの獲得につながらず、コンテンツマーケティングの取り組みを成功させることはできません。

ダウンロード率(CVR)の目安

ホワイトペーパーのダウンロード率(CVR)は、平均5%~8%程度となります。また、資料請求が平均1%~2%程度、問い合わせが平均0.5%~1%程度となります。ダウンロード率(CVR)は、多くの企業にとって重要なKPI(主要業績評価指標)の一つです。

ホワイトペーパーのダウンロード率を向上させることは、リードジェネレーション戦略の成功に直結します。見込み客が高品質な情報を受け取り、関心を示すように導くために、継続的な努力と改善が必要です。

ダウンロード率(CVR)の低いホワイトペーパーとは

ホワイトペーパーは、ビジネスにおいてリード獲得や情報提供の重要なコンテンツとなっていますが、中にはダウンロード率(CVR)が低いホワイトペーパーも存在します。では、ダウンロード率の低いホワイトペーパーはどのような特徴を持っているのでしょうか?

ターゲットが曖昧

ダウンロード率(CVR)の低いホワイトペーパーの一つ目の特徴は、ターゲットが曖昧なことです。ターゲットが明確でないということは、そのホワイトペーパーにターゲット視点が欠けている可能性が高く、ターゲットが求める知識やノウハウ、問題提起や解決策が提供できていない可能性が高いです。

これはホワイトペーパーだけでなくコンテンツマーケティングの取り組み全般に対して言えることですが、ターゲットに対する理解が乏しいと良質なコンテンツは生み出せません。そのため、ターゲットの明確な定義と、それに基づいたホワイトペーパーの制作がダウンロード率を向上させるために不可欠です。

理解が乏しいだけでなく、そもそも誤ったターゲットを対象にしてしまった場合、ホワイトペーパーのダウンロード率は更に低くなります。ターゲットのニーズや関心に合致しないコンテンツは、ダウンロードされにくいのです。

ダウンロードのメリットが曖昧

ダウンロード率(CVR)の低いホワイトペーパーの二つ目の特徴は、ダウンロードのメリットが曖昧なことです。ホワイトペーパーのダウンロードを促進し、ダウンロード率を向上させるには、明確なメリットと価値を伝え、ダウンロードする気にさせることが大切です。

ダウンロードするメリットや提供される価値がホワイトペーパー内で明示されていない場合、見込み客はダウンロードの理由が分からなくなります。そのため、提供者側もダウンロードした資料から得られる情報やメリットなど、何かしらのメリットが提供できることを伝えることを意識して、ホワイトペーパーの表紙やLPに情報を記載しておくことが大切です。

メリットが曖昧なホワイトペーパーは、信頼性に欠けると判断される可能性があります。提供者側がダウンロードに値する信頼性があることを強調し、信頼感を高めることが大切です。

ただし、ターゲットの期待や目的が実際のホワイトペーパー内容と一致しない場合、ダウンロードした際にがっかり感を生じます。そのため、提供者側が約束したメリットとダウンロードした資料の提供価値に一貫性を持たせることが重要です。

他ホワイトペーパーと内容が重複している

ダウンロード率(CVR)の低いホワイトペーパーの三つ目の特徴は、他ホワイトペーパーと内容が重複していることです。ダウンロード率を向上させるためには、他のホワイトペーパーとの差別化を図り、ユーザーに独自性や価値を伝えることが大切です。

他ホワイトペーパーと内容が類似している場合、見込み客は新しい情報が得られない、もしくは独自性のある情報が提供されないと感じます。その結果、ダウンロードする必要性を感じなくなります。

ダウンロード率(CVR)を向上させるためには、他ホワイトペーパーとの差別化を図り、新たな価値を提供する必要があります。独自の洞察や新しい情報、実用的なツールやテンプレート、課題解決のアプローチなど、他ホワイトペーパーと異なる要素を強調することが、ダウンロード率を向上させる鍵となります。また、ターゲットの特定とカスタマイズも重要です。

ダウンロード率(CVR)の高いホワイトペーパーの作り方

世に出回るホワイトペーパー数の増加に伴い、その内容が重複することが多くなったため、このように感じるリードが増えているのです。当然、それではダウンロードしてもらえません。

しかし、以降でご紹介している6つのポイントを押さえることで、ダウンロード率(CVR)の高いホワイトペーパーを作り上げることができます。

ターゲットを考える

往々にして、対象とするターゲットとテーマが広すぎると、他ホワイトペーパーと内容が重複してしまう可能性が高いです。そのため、まずはターゲットを細分化し、明確にすることが必要です。

ホワイトペーパー制作では、商品やサービスの対象となるターゲット層よりも、更に絞り込んでターゲットを設定した方がダウンロード率は高くなります。例えば、次のような形でターゲットを絞り込みましょう。

自社の商品:SFA
商品のターゲット:営業に課題を抱えている中堅~大企業
ホワイトペーパーのターゲット例1:
すでにSFAを導入しているものの、営業とマーケティングの連携に課題を抱えている大企業(従業員1000人以上)の経営層
ホワイトペーパーのターゲット例2:
すでにSFAを導入しているものの、利用が定着していないために情報共有に課題を抱えている中堅企業(200人以上)の営業マネージャー

ターゲットを絞り込む場合には、職種別/業種別など、焦点をより絞ってコンテンツを作成することによって、該当するターゲットが読んだ際により当事者意識を持って内容を読んでくれる可能性があります。

ただし、職種別/業種別などに焦点を絞ることによって、ターゲットの数も絞られることになるため、ターゲットの量と質、両方を加味してホワイトペーパーのターゲットを決めることが大切です。

ターゲットへの提供価値を考える

次に、ターゲットへの提供価値を考えましょう。

例1におけるターゲットへの提供価値:
営業とマーケティングの連携を進めるための手順やノウハウ、実際に上手く営業とマーケティングが連携している企業(従業員1000人以上)におけるSFAの活用事例、経営層視点でのSFA活用への関わり方、など

例2におけるターゲットへの提供価値:
SFAの利用を定着させるための手順やノウハウ、中堅企業(200人以上)におけるSFAを活用した情報共有の活用事例、営業マネージャー支店でのSFA活用への関わり方、など

上記のように、ホワイトペーパーのターゲットを商品やサービスの対象となるターゲット層よりも、更に絞り込んでターゲットを設定したことで、ターゲットへの提供価値もより詳しく設定することができます。

ホワイトペーパー制作全体の流れを理解した上で制作する

ホワイトペーパーを作成する際には、ホワイトペーパー制作全体の流れを理解し、その上で制作を開始するようにしましょう。ホワイトペーパー制作全体の流れは、以下のようになります。

・製作物の用途を明確にする
・ターゲットを明確にする
・購買プロセス別に必要な情報を整理する
・コンテンツを企画する
・タイトルと構成を決める
・必要な情報を収集する
・執筆する
・デザインする

ホワイトペーパーの制作にあたり、各プロセスにつながりを持たせないと、一貫性のある内容のホワイトペーパーに仕上がりません。また、ホワイトペーパー制作全体の流れを理解した上で制作することによって、内容に矛盾が生じていないか、ホワイトペーパーを作りはじめる前にチェックすることができます。

制作を開始する前に、製作物の用途を明確にします。そしてターゲットを明確にします。その上で、ターゲットへの提供価値を明らかにするために購買プロセス別に必要な情報を整理してから、ターゲットへの価値提供につながるコンテンツを企画する必要があります。

タイトルと構成を決める際には、仮タイトルとページ割りを決めて全体の流れを確認します。この段階では、一貫性を保つことを最優先し、細かな表現や使用するワードについてはあまり気にしないようにしましょう。その上で、下必要な情報を収集し、執筆、デザインを作り上げていけば、余計な手戻りが防ぎつつ、一貫性のあるホワイトペーパーに仕上げることができるでしょう。

タイトルと見出しにトレンドワードを盛り込む

ホワイトペーパーのダウンロード率(CVR)を高めるために、タイトルと見出しにトレンドワードを盛り込むのも有効です。商材に関連するサジェストワードやキーワードの検索ボリュームからトレンドワードを探ってみると良いでしょう。

一般的に、ホワイトペーパーをダウンロードするページには、タイトルや目次などの概要を掲載します。そのため、より多くのダウンロードを獲得するには、ダウンロードページに掲載されるタイトルや各項目の見出しでターゲットの興味を喚起することが重要です。

また、すでに配信しているウェブコンテンツやメールマガジンのPV数や開封率などを分析することも、効果的なキーワードの発見につながるでしょう。

表紙にターゲットを書いてしまう

ホワイトペーパーのダウンロード率(CVR)を高めるために、ホワイトペーパーの表紙にタイトルだけでなくターゲットを記載しておくことも有効です。

「うわ… それワタシが悩んでることじゃん!」

ダウンロードページを訪れた見込み客にこのように思ってもらえれば、その後のダウンロードにつながる可能性が高まるからです。

前述したように、職種別/業種別など、焦点をより絞ってターゲットを明記することによって、該当するターゲットの興味・関心をより引くことができる可能性があります。明確かつ細分化されたターゲットであればあるほど、ターゲットを振り向かせることができるからです。

あらかじめ数本分の仮タイトルと全体の流れを決める

あらかじめ数本分の仮タイトルと全体の流れを決めておくことも有効です。

前述の通り、世に出回るホワイトペーパーの数が増加したことによって、他社のものと内容が重複してしまうケースも増えています。これは、何も自社と他社との間でだけ起こるとは限りません。ホワイトペーパーを何本も制作しているうちに、自社の中でも内容の重複が発生してしまうこともあります。

そのため、あらかじめ数本分の仮タイトルと、それぞれの大まかな流れを決めておきましょう。そうすれば、内容が重複してしまうという事態を未然に防ぐことができるからです。

ホワイトペーパーは、ターゲットの購買プロセスに沿った内容で複数作成しておくことをおすすめします。購買プロセス別にホワイトペーパーを設計しておけば、大枠が同じテーマのホワイトペーパーであっても内容の重複を防ぐことができ、かつ見込み客のニーズに合わせた情報提供が可能となるのでフォローアップも行いやすくなります。

注意点

本記事では、ホワイトペーパーを制作するタイミングでダウンロード率(CVR)を高める方法に焦点を当てて紹介しましたが、ホワイトペーパーのダウンロード率は流入経路(広告、SEO、メルマガ)やLP、フォームの作り方によっても変化します。

ホワイトペーパー自体は良いものが作れているはずなのに、なかなかダウンロード率が上がらない、という場合には、流入経路など、ホワイトペーパーのダウンロードに至るまでの導線を見直してみるのも良いでしょう。

さいごに

本記事では、ダウンロード率(CVR)の高いホワイトペーパーの作り方について紹介しました。

オンラインでの情報収集が当たり前になっている今、ほとんどの企業にとってコンテンツマーケティングは重要なマーケティング施策です。良質なホワイトペーパーを作ることができれば、自社のコンテンツマーケティングの成功に大きく貢献できることでしょう。

さいごになりますが、当社ではSEO記事、ホワイトペーパー、メルマガなどのコンテンツ作成や運用を一括でご支援するコンテンツマーケティング支援サービスのプランをご用意しております。

ホワイトペーパーを活用したマーケティングを始めたい、あるいは当社サービスについて詳しく知りたい、という方はお気軽にお問い合わせください。

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