マーケティング用語の多くはカタカナ用語であり、種類が多く、類似している用語も多いです。新しい用語も頻繁に登場するため、意味がよくわからないまま使っている用語も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、マーケティングや営業の現場で耳にすることが多い基本的なマーケティング用語を中心に、その意味を解説していきます。
目次
「ら」から始まるマーケティング用語
今回は、マーケティングに関する基本的な用語を中心に、「ら」から始まるマーケティング用語についてまとめました。ぜひ、参考にしてみてください。
ライフサイクルステージ
ライフサイクルステージは、製品やサービスが市場に導入された後の時間的な進行によって分類される段階です。一般的なライフサイクルステージは4つあります。
◎導入段階(Introduction Stage)
製品やサービスが市場に初めて導入される段階です。顧客への認知度が低く、需要も限られています。販売量は増えていませんが、市場開拓、製品改良、価格設定の戦略的決定などを行う重要な段階です。
◎成長段階(Growth Stage)
製品やサービスの需要が拡大し、売上や利益が急速に成長する段階です。競合他社が増え、業界全体の売り上げも増えることが予想されます。この段階では、マーケティング施策が積極的に行われ、売上を伸ばすためのさまざまな戦略が検討されます。
◎成熟段階(Maturity Stage)
製品やサービスの需要が頂点を迎え、市場が飽和状態になる段階です。競争が激化し、新規参入企業が増える可能性があります。マーケットシェアの維持や利益最大化が重要な課題です。この段階では、価格競争、製品改良、販売促進などの施策が行われます。
◎減退段階(Decline Stage)
製品やサービスの需要が低下し、市場縮小の兆候が見られる段階です。需要の低下により売上も減少し、利益が減少する可能性があります。この段階では、撤退や製品の廃止、代替商品への移行などが検討されます。
ライフサイクルステージの理解は、市場に適切なマーケティング戦略を策定するために重要です。各段階での顧客ニーズや競合状況を把握し、適切な施策を実施することが成功の鍵となります。
ライフタイムバリュー(LTV)
ライフタイムバリュー(LTV)は、顧客が企業との関係を維持し、製品やサービスを購入し続ける期間にわたる顧客の経済的価値を示す指標です。LTVは、企業が顧客を取り組む価値を測定し、顧客獲得や維持に関する意思決定を支援するための重要な概念です。
LTVは以下の要素に基づいて計算されます。
・平均取引金額
顧客が企業から購入する製品やサービスの平均金額です。
・購入頻度
顧客が一定期間内に企業から何回の購入を行うかを表します。
・顧客の生涯(顧客期間)
顧客が企業との関係を維持し続ける期間です。
LTVの計算式は次のようになります:
・LTV = 平均取引金額 × 購入頻度 × 顧客の生涯(顧客期間)
LTVは、顧客によって異なる値を持つ場合があります。顧客の生涯の長さや顧客の行動パターンに基づいて、企業は異なる顧客セグメントを特定し、それぞれのLTVを計算して比較することができます。
高いLTVを持つ顧客は、企業にとって重要な収益源であり、長期的なビジネス成果につながる可能性があります。したがって、企業はLTVを最大化するための顧客獲得や維持の戦略を策定することが重要です。
ライフタイムバリュー(LTV)については、別記事「LTV(顧客生涯価値)とは?計算方法や最大化するための方法についてわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。
ラガード
ラガード(Laggard)とは、イノベーションや新しいトレンドに対して保守的なスタンスを取り、他の人々よりも遅れて採用や変化を行う個人やグループを指します。
ラガードは、時代の変化やテクノロジーの進歩に対して懐疑的であり、既存の方法や製品に忠実でありたいと考えています。彼らは新しいアイデアや技術に対して綿密な検討を行い、安定性や確固たる証拠がなければ受け入れることはありません。
最終的には、ラガードは自身の判断やビジネスの状況に合わせてイノベーションを採用するタイミングを決定する必要があります。一部のラガードは、変化を拒み続けることで結果的に市場から取り残される可能性もあります。
ランチェスター戦略
ランチェスター戦略とは、第一次世界大戦時にイギリスの航空工学のエンジニアであったランチェスターが発表したランチェスターの法則と、第二次世界大戦時にコロンビア大学の数学教授であったクープマンが発表したクープマンモデル(ランチェスター戦略方程式)、それぞれの戦争理論をビジネスに応用することで誕生した経営戦略理論です。
尚、ランチェスター戦略は日本で誕生した経営戦略理論としても有名です。経営コンサルタントの田岡信夫(1927-1984)によって確立されたため、田岡式とも呼ばれます。
ランチェスター戦略では、市場シェアを判断基準にして強者(市場シェア1位)と弱者(市場シェア2位以下)を定義づけます。また、販売能力が同じであれば人数が多い方が勝ち、人数が同じであれば販売能力が高い方が勝つ、という考え方をとります。
以上の前提のもと、それぞれの立場から、自社の限りある経営資源(を適切に振り分け、戦局を有利に運ぶための戦略が説かれています。
ランチェスター戦略から導かれる指針は、以下の3つの結論に集約されます。
◎足下の敵を攻撃する
一つ目の結論は、足下の敵を攻撃することです。ランチェスター戦略では、狙うべきは市場シェアが一つ下の足下の敵である、としています。上位企業と戦っても、体力を消耗するわりに得るものが少なくなります。そのため、まずは一つ下の企業を叩きます。
◎ナンバーワン主義
二つ目の結論は、ナンバーワン主義です。一番と二番には大きな差があります。例えば、日本で一番高い山が富士山だということは皆知っていますが、二番目に高い山が北岳だということはあまり知られていません。これは、ビジネスでも同じです。
◎一点集中主義
三つ目の結論は、一点集中主義です。自社が勝てる場所(もしくは、勝ちやすい場所)で戦うことを考えましょう。自社の経営資源が尽きる前に、必要な売上・利益・シェアを上げることができる場所を見つけ、その場所でナンバーワンを目指すのが弱者の戦略です。一点集中主義といいます。
ランチェスター戦略については、別記事「ランチェスター戦略とは?ランチェスターの法則を応用した経営戦略理論について解説します」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。
ランディングページ(LP)
ランディングページ(LP)とは、特定の目的を達成するために設計されたページのことです。LPは、特定のアクション(例えば製品の購入、メールアドレスの登録、情報の提供など)を促すことを目的として作成されます。
以下にLPならではの特徴を示します。
◎シンプルなデザイン
LPは、ユーザーの注意を散漫にせず、目的に集中させるため、シンプルなデザインが特徴です。余分な要素やナビゲーションメニューは最小限に抑えられます。
◎一つの目的
LPは通常、ユーザーに何か特定のアクションを促すために作成されます。例えば、製品の購入やメールアドレスの登録などです。LPにはこの目的に関連するコンテンツやコールトゥアクションが組み込まれています。
◎ユーザーの興味を引く要素
LPは、ユーザーの興味を引きつけるために、魅力的で関連性のあるコンテンツや画像、ビデオなどを使用します。これにより、ユーザーはLPに滞在し、アクションを起こす可能性が高まります。
◎追跡や分析
LPは、キャンペーンのパフォーマンスを追跡し、分析するための手段としても使用されます。アクションの追跡、コンバージョン率、クリック数、滞在時間などのデータを収集し、改善や最適化に役立てることができます。
◎ソーシャルメディアや広告へのリンク
LPは、ソーシャルメディアや広告など、他のマーケティングチャネルから直接リンクされることが多いです。特定のターゲットオーディエンスに対して、ダイレクトに公開することができます。
LPの性能を向上させるためには、目的に適したコンテンツやデザインを使用し、ユーザーの関心を引きつけ、アクションを促すために最適化することが重要です。
ランディングページ(LP)については、別記事「ランディングページ(LP)とは?初心者でも成果につながる作り方を解説」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。
ランディングページオプティマイゼーション(LPO)
ランディングページオプティマイゼーション(LPO)とは、ランディングページの性能を向上させるために行われる改善プロセスのことです。訪問者のコンバージョン率(目的のアクションを起こす割合)を最大化するために、デザイン、コンテンツ、レイアウト、フォームの最適化などのテストと改善を行います。
LPOの手法としては、A/Bテストやマルチバリアントテストが一般的に使用されます。A/Bテストでは、異なるバージョンのランディングページをランダムに訪れるユーザーに対して表示し、どのバージョンがより効果的かを比較します。マルチバリアントテストでは、複数の要素(例:見出し、コピー、画像)を同時にテストし、最適な組み合わせを見つけます。
LPOの改善のための具体的な戦略としては、以下のようなものがあります。
◎シンプルでわかりやすいデザインの使用
ユーザーが目的やメッセージを一目で理解できるようにします。
◎コンテンツの最適化
顧客のニーズや要求を反映し、魅力的なコピーを提供します。訪問者がランディングページにとどまり続けるようにすることが重要です。
◎CTA(Call To Action)の最適化
明確で魅力的なCTAを配置し、ユーザーに行動を促します。ボタンの色、文字、配置などをテストして最適な結果を得ます。
◎フォームの最適化
入力項目の数を最小限に抑え、ユーザーにとって簡単に入力できるようにします。フォームの位置、レイアウト、ヒントテキストなども効果的な要素です。
◎モバイルフレンドリーなデザインの使用
モバイルデバイスからのトラフィックが増えているため、ユーザーがスムーズに操作できるモバイルフレンドリーなランディングページを作成することが重要です。
LPOは、データとテストに基づいて行われるプロセスであり、継続的な改善を行う必要があります。データに基づいてトラフィックの振る舞いを分析し、最も効果的なランディングページを作成することが重要です。
さいごに
以上、今回はマーケティングや営業の現場でよく使われるマーケティング用語について「ら」から始まる用語編と題し、お届けしました。次回は「り」から始まるマーケティング用語についても解説したいと思います。
さいごになりますが、当社ではBtoBマーケティングの業務に役立つお役立ち資料を複数ご用意しております。マーケティングの基礎知識と実践方法を体系的にまとめたお役立ち資料などもご用意しておりますので、ご活用いただければ幸いです。