BtoBのコンテンツマーケティング!見込み客を獲得するために押さえておきたい4つのポイント

コンテンツマーケティングという言葉は、2010年頃、hubspot社がインバウンドマーケティングを提唱し始めたのと同時期にアメリカで注目されはじめ、日本では2015年頃から注目されはじめたように思います。今ではBtoC/BtoBと領域を問わず、多くの企業で実施されるようになりました。

本記事ではBtoB領域に的を絞り、BtoB領域におけるコンテンツマーケティングの特徴、見込み客を獲得するために押さえておきたいポイント、作成すべきコンテンツについて紹介します。

BtoBのコンテンツマーケティングとは

はじめに、コンテンツマーケティングとは何か、そしてBtoB領域のコンテンツマーケティングの特徴について解説します。

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングは、コンテンツ(=情報)の発信を通じて、相手が必要としているコンテンツを提供し、コンテンツ発信元の企業や商品・サービスに対する信頼性を高めるための手法です。コンテンツの発信を通じて見込み客の興味を引き、信頼を築き、最終的には商品・サービスを購入してもらうことを目指します。

コンテンツはさまざまな形式で提供されます。例えば、ブログ記事、動画、ソーシャルメディア投稿、ポッドキャスト、ホワイトペーパー、メルマガなどが含まれます。見込み客が好む形式で情報を提供できるよう、同一コンテンツを複数の形式で提供することも多々あります。

コンテンツマーケティングに取り組むと、コンテンツが資産として蓄積されてオーガニック検索での流入数が増えるなど、様々なメリットが得られます。コンテンツ作成に時間がかかる、などのデメリットも存在しますが、根気強く続ければ、かけた時間や労力に勝るメリットを享受できるでしょう。

コンテンツマーケティングに取り組むメリット・デメリットに関しましては、別記事「コンテンツマーケティングに取り組むメリット・デメリット」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

BtoBのコンテンツマーケティングの特徴

BtoB領域におけるコンテンツマーケティングの特徴について詳しく説明します。

◎高い専門性が求められる
一つ目の特徴は、高い専門性が求められることです。BtoB市場では、見込み客は専門的な知識やノウハウ、価値ある情報を求めています。そのため、発信するコンテンツも見込み客が求める専門的な知識やノウハウ、あるいは業務上の課題の解決策といった価値ある情報である必要があります。

例えば、特定の産業で注目されている新しいビジネスソフトウェアの説明や有効活用のためのノウハウ、産業トレンドの分析レポートなどが該当します。

◎購買プロセス毎に見込み客が求める情報が異なる
二つ目の特徴は、購買プロセス別に見込み客が求める情報が異なることです。BtoBでは一般的な消費者商品よりも購入金額が大きくなることや関係者への説明責任が発生することから、購買プロセスは段階的に進みます。また、同じ見込み客であっても、購買プロセス毎に求める情報が変化していきます。

例えば、課題に対する解決策を模索しはじめたばかりの見込み客であれば、「◯◯を解決するための方法」のようなコンテンツを発信に興味・関心を持ってもらえる可能性が高いです。ただし、同じ見込み客でも、購買プロセスが進み、他社商品と自社商品を比較・検討している状況であれば、「自社にあった△△ツールの選び方」「徹底比較!△△ツール10選」といったコンテンツの方が興味・関心を持ってもらえる可能性が高くなります。

◎ビジネス上の成果が求められる
BtoBのコンテンツマーケティングは、企業のビジネス目標を達成するための手段として位置づけられます。そのため、PV数やUU数などの中間指標の数字が改善しただけでは成果として評価されないことも多く、リード獲得、商談数の増加、売上の増加など、具体的なビジネス上の成果が求められます。

ビジネス上の成果を明らかにするためには、公開したコンテンツからどのくらいリード獲得、商談数の増加、売上の増加に繋がったのか、後追いができなくてはなりません。また、ビジネス上の成果を向上させるためには、どのようなターゲットに向けてどのようなコンテンツを発信することが効果的なのかを見定めて、投資を集中させていく必要があります。

見込み客を集めるのがマーケティング部門、見込み客をフォローして商談・受注に繋げるのが営業部門、といったように、成果の後追いがマーケティング部門だけでは完結しないところがBtoBのコンテンツマーケティングの難しいところです。コンテンツマーケティングからの成果を計測し、評価・分析・改善するためには、マーケティング→営業間のパイプラインを整備しておく必要があります。

上記のような理由から、不特定多数の一般消費者向けのコンテンツ発信とは異なり、特定領域のビジネスプロフェッショナル向けに価値あるコンテンツを提供し、長期的なビジネス関係を築くことが大切になります。また、ビジネス上の成果に繋げるための戦略的なアプローチ、部門間のスムーズな連携なども求められます。

見込み客を獲得するために押さえておきたい4つのポイント

BtoB領域におけるコンテンツマーケティングの特徴について、理解いただけましたでしょうか?続いては、見込み客を獲得するために押さえておきたいポイントを4つに絞って紹介します。

ターゲットを明確にする

ポイントの一つ目は、ターゲットを明確にすることです。どのような見込み客(企業/担当者)とコミュニケーションしたいのかを考えてみることが、コンテンツマーケティングの第一歩になります。ターゲットを明確にすることで、誰向けのコンテンツを発信するのか関係者間で認識合わせがしやすくなり、効率よくコンテンツマーケティングを進行できるようになります。

BtoBの場合、企業ペルソナと担当者ペルソナの2つを設定してみましょう。企業の置かれている状況によって担当者のニーズや関心事が大きく変わってくるため、企業ペルソナ→担当者ペルソナの順番で設定することをおすすめします。企業のペルソナを設定した上で、その企業に所属する担当者が抱えている課題が推測できるようになれば、どのようなコンテンツに価値を感じるのか推測しやすくなります。

ペルソナ設定と活用のコツに関しましては、別記事「ペルソナ設定とは?BtoBマーケティングにおけるペルソナ設定と活用のコツ」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

購買プロセスに沿ったコンテンツを用意する

ポイントの二つ目は、購買プロセスに沿ったコンテンツを用意することです。前述したとおり、同じ見込み客であっても購買プロセス別に求める情報は変化していきます。そのため、コンテンツマーケティングを通じて見込み客を獲得するためには、購買プロセス毎に見込み客が必要とする情報(=コンテンツ)をあらかじめ用意していくことが大切です。

見込み客にとって適切なタイミング、適切な方法で必要とするコンテンツを届けることができるようになれば、見込み客の興味・関心を引くことはもちろん、信頼を得やすくなります。結果、見込み客を獲得しやすくなります。

購買プロセスに沿ったコンテンツは、資産として蓄積されていき、様々な形式で使いまわすことができます。ただし、作成したコンテンツが購買プロセスに沿っていない場合、購買プロセスを推し進めることにはなかなか寄与することができず、コンテンツの蓄積が資産につながらないこともあります。そのため、購買プロセスに沿ったコンテンツづくりを行うことが大切です。

購買プロセスに沿ったコンテンツを用意するためには、バイヤージャーニーを作成し、購買プロセス毎に求められる情報を整備するのがおすすめです。

バイヤージャーニーの作り方に関しましては、別記事「バイヤージャーニーとは?作り方やマーケティングや営業に活用する方法について解説します」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

CTAを明確にする

ポイントの三つ目は、CTAを明確にすることです。CTAとは、CTAとは、Call To Action(コール トゥ アクション)の略語で、日本語でいえば行動喚起のことです。

コンテンツに触れた見込み客が求めていた情報を取得し、課題や疑問を解消できたとしても、次にどのような行動を取るべきか明記しておかなければ、購買プロセスを次に進めてもらうこともできません。

作成したコンテンツにCTAを明記しておかないことは、非常にもったいないことです。見込み客を獲得するためにも、コンテンツに触れた見込み客にどのような行動を促したいのか明確にし、明記しておきましょう。

パイプラインを整備する

ポイントの四つ目は、パイプラインを整備することです。パイプラインとは、マーケティングが見込み客を獲得し、営業がアプローチして受注するまでの段階的なプロセスのことです。

マーケティングや営業のパイプラインは、購買プロセスに沿って整備することが大切です。購買プロセスに沿って整備することができていれば、各プロセス上にどのくらいの見込み客が存在しているのかを可視化し、管理・分析しながら改善を図っていくことができるようになります。

パイプラインを整備することは、次のプロセスに移行させるためのアプローチや、フォローアップの抜け漏れ対策にもなり、見込み客の獲得にも貢献します。

パイプライン整備に関しましては、別記事「パイプライン管理とは?限られた経営資源で売上を伸ばすマーケティングと営業の仕組みの作り方」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

参考:BtoBコンテンツマーケティングのKPI設定方法

BtoBコンテンツマーケティングの成功を測るためには、セッション数やCVR(コンバージョン率)、有効リードの獲得数など、いくつかの重要な指標が絡み合います。

そのため、適切なKPIを決めずに闇雲にコンテンツを量産するだけでは、目標数の見込み客の獲得や商談にはつながりません。成功するためには計画的で戦略的なKPI設計とアプローチが必要となります。

BtoBコンテンツマーケティングのKPI設定方法については、別記事「BtoBコンテンツマーケティングのKPI設定方法と設定事例をわかりやすく紹介」にまとめておりますので、合わせてご覧ください。

見込み客を獲得するために作成すべき3つのコンテンツ

見込み客を獲得するために作成すべき主要なコンテンツは、SEO記事、ホワイトペーパー、メルマガの3つになります。理由は以下の通りです。

SEO記事

一つ目のコンテンツはSEO記事です。SEOに最適化されたコンテンツをウェブ上に公開すれば、見込み客が問題やニーズを検索した際にコンテンツがヒットするようになります。これにより、新しい見込み客を引き付けることができます。

SEO記事は、ウェブ上にコンテンツ資産として蓄積されます。コンテンツ資産を積み重ねることでウェブサイトの検索エンジンランキングを向上させ、競合他社のコンテンツよりも自社のコンテンツが表示されやすくなる可能性が高まります。

インターネット上での情報収集が主流となっている今、営業がアプローチするよりも前に見込客側が競合商品の購入を決めてしまっていることもあります。そのため、営業がアプローチするよりも前から認知と信頼を得るための仕組みづくりをしておくことが必要です。

上記のような理由から、SEO記事は是非とも作成しておきたいコンテンツです。

ホワイトペーパー

二つ目のコンテンツはホワイトペーパーです。ホワイトペーパーでは、専門的な問題や解決策に焦点を当てた詳細なコンテンツを提供します。見込み客が問題を理解し、解決策を探す段階で、高品質なホワイトペーパーは信頼性を高め、専門性や知識をアピールできます。

ホワイトペーパーは、一般的にウェブサイトにアクセスした見込み客からの連絡先情報を収集するためには欠かせないコンテンツです。ホワイトペーパーをダウンロードできる代わりに、見込み客はダウンロードフォームに連絡先情報を入力し、企業側からのコミュニケーションに同意することになります。

見込み客の課題・疑問の解決に役立つホワイトペーパーを複数用意しておくことや、購買プロセス別にホワイトペーパーを作成しておくことができれば、ダウンロードしてもらうことで相手の購買プロセスの状況を見極めることもできるようになります。

上記のような理由から、ホワイトペーパーも是非とも作成しておきたいコンテンツです。

ホワイトペーパーの活用に関しましては、別記事「ホワイトペーパーを活用したマーケティングで成果を上げるためのポイント」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

メルマガ

三つ目のコンテンツはメルマガです。メルマガは見込み客や既存の顧客との継続的なコミュニケーションを確立するための有力な手段です。定期的に業務に役立つお役立ち情報、プロモーション、トレンドの情報を提供し、見込み客をフォローアップします。

BtoBの場合、見込み客が商品やサービスを認知して興味を持ったとしても、検討期間が長期間にわたることが多々あります。そのため、今は購入を検討していない見込み客であっても、そのまま放置してしまうのではなく、継続的にコミュニケーションを取り続けることが大切です。

メールは、現代社会においてもビジネス上の中心的なコミュニケーションツールです。メールソフトはほとんどの人が利用しているので情報伝達性が高く、メールは転送しやすいので回覧性も高いです。SEO記事やホワイトペーパーのようなプル型のアプローチとは異なり、プッシュ型で情報を見込み客に届けることができるのも魅力です。

また、メルマガは新しい商品やサービスを紹介し、既存の顧客からのリピートビジネスを促進するのにも役立ちます。特別なプロモーションや割引情報を提供することで、売上アップの機会を創出できます。

上記のような理由から、メルマガも是非とも作成しておきたいコンテンツです。

SEO記事、ホワイトペーパー、メルマガの3つのコンテンツは、見込み客を引き付け、連絡先情報を獲得し、関係を築くために大いに役に立ちます。

適切なターゲットに対して価値のある情報を提供し、ターゲットのニーズや関心に合ったコンテンツを提供することを目指してコンテンツマーケティングに取り組んでいけば、必要な時間や労力に勝る大きな利益(見込み客の獲得、商談数の増加、売上の増加)が期待できるようになるでしょう。

さいごに

BtoB領域におけるコンテンツマーケティングの特徴、見込み客を獲得するために押さえておきたいポイント、作成すべきコンテンツについて、ご理解いただけましたでしょうか?

当社ではSEO記事、ホワイトペーパー、メルマガなどのコンテンツ作成や運用を一括でご支援するコンテンツマーケティング支援サービスのプランをご用意しております。

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