リードナーチャリングのシンプルではじめやすいパターンと事例まとめ

BtoBビジネスでは、展示会やセミナーの開催などリードを獲得する方法が既に確立しています。しかし、これも既に広く知られていることですが、得られるリードに対して営業活動をかけても、すぐに商談に結び付くリードばかりではありません。

リードナーチャリングをすれば、徐々に商談が増えるだけでなく、営業活動も効率よく実施できるようになり、最終的には売上アップにつながります。本記事では、これからリードナーチャリングを手がけ始める方向けに、シンプルではじめやすいパターンと事例をまとめました。

リードナーチャリングとは

リードナーチャリングとは、簡単に言えば、見込み客に商品を買ってもらう、もしくは、その手前の購買プロセスを推し進めるために実施する一連のコミュニケーションのことです。

リードナーチャリングで購買意欲の高まったリードに対しては、購買意欲が高まった「今」そのタイミングで営業活動を行う必要があります。

そのため、リードナーチャリングで売上アップを狙うには、ナーチャリング直後の営業活動へとスムーズに移る必要があります。したがって、マーケティング部門と営業部門の密な連携が求められます。

リードナーチャリングの大前提

マーケティングと営業の関係は、本来対立すべきではありません。それぞれがお互いを補完する関係にあることを忘れてはいません。

そもそも、BtoBマーケティングのマーケティング→営業のプロセスを整備しなければ、マーケティング部門から営業部門に引き渡せるリードのうち、質の高いリードが圧倒的に少なくなります。リードジェネレーション直後の段階で営業活動を展開すれば、非効率です。

これを解決するアプローチがリードナーチャリングです。リードナーチャリングでこのような問題を解決し売上アップにつながるためには、マーケティングと営業の連携が必要不可欠です。

営業とマーケティングが連携する場面

リードナーチャリングのプロセスの中でマーケティングと営業が連携すべき場面があります。連携では、認識を一致させるだけでなく、一連のスムーズな行動も求められます。

まず、決めておかなければならないのは、マーケティング部門→営業部門へのリードの引き渡しの基準です。これは、会社としての共通見解が必要です。会社によって共通見解として持つ内容が違うことは問題ありませんが、会社としての共通見解を持ち、その基準を満たしたリードは引き渡す、といったオペレーション上のルール決めが必要になります。

この共通見解が、リードナーチャリングの後工程にあたるリード選別(リードクオリフィケーション)の基準となります。営業担当者のヒアリングやフォームの設問でBANT条件を確認する仕組みを取り入れたり、MAツールのスコアリング機能を活用したりして基準値を見える化するのが一般的です。

ただし、マーケティング部門→営業部門へのリードの引き渡しの基準が明確になったからといって、マーケティング部門が営業部門に引き渡したリードに対して無関心になる、あるいは、営業部門がマーケティング部門のマーケティング活動に対して無関心になるのは良くないです。

リードとのタッチポイントはマーケティング部門と営業部門の両方で理解しておくべきです。リードとタッチポイントを持つきっかけとなる行動、その時期などについては、マーケティング部門と営業部門で、共通の認識を持てるように情報を共有し合うようにしましょう。

新規見込み客向けのパターンと事例

ここからは、リードナーチャリングのシンプルではじめやすいパターンと事例をまとめてご紹介して行きます。まずは、新規見込み客向けのパターンと事例をご紹介します。

教育・啓蒙キャンペーン

認知段階のリードは、まだまだ購買意欲が十分に高まっていません。そのため、営業担当者がコンタクトをすると、情報提供や雑談に終わってしまい、案件をクロージングすることができません。したがって、営業担当者が十分に営業活動ができるよう、リードに対して商品やサービスの理解度を高めるための情報を提供すると同時に、ノウハウの提供や課題解決策の提案と通じて、徐々にリードの抱えているニーズを顕在化させていきます。

特に教育・啓蒙型のキャンペーンでは、あなたの会社や商品・サービスのバリュープロポジションも提案しましょう。このような活動を続けながら、リードのより詳細な情報の獲得を目指します。所属部門、役職、役割、予算、購買時期、課題など、営業活動につながる情報を徐々に獲得します。

バリュープロポジションについては、別記事「バリュープロポジションとは?その意味と作り方をわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。宜しければご覧ください。

展示会来場などの御礼

展示会ブースへの来場、セミナーへの参加、資料のダウンロードなど、あなたの会社の手がけるマーケティング活動に対してリードが反応した場合には、反応に対する感謝の気持ちを伝えながら、そのメリットを伝え、あなたの会社や商品・サービスのファンになってもらえるように促します。

このパターンのリードナーチャリングを行う際には、単に御礼だけでなく、あなたの会社のブランド価値も伝えましょう。ブランド価値には、あなたの会社のビジョン、目指す姿、商品やサービスのコンセプトなど、あなたの会社が見込み客に約束するブランド価値、そして賛同していただける可能性の高いあなたの会社の活動を紹介します。

最後に、見込み客にとっていただきたい次の行動も伝えてみます。展示会ブースへの来場があった見込み客へは、関連する商品やサービスの資料ダウンロードやセミナーのご案内、デモンストレーションの紹介を行うことが効果的です。既に特定の商品やサービスに関心が高いことが確認できていれば、関連する事例やノウハウ、導入後の効果のシュミレーションや、サポート体制をご紹介して、より導入後のイメージを具体的に持っていただくようにしていくのが効果的です。

ブランド・ブランディングについては、別記事「ブランディングとは?ブランド、ブランディング、ブランド戦略構築の手順についてわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。宜しければご覧ください。

購買促進キャンペーン

BtoBビジネスの購買担当者は、商品やサービスの購入に慎重です。現実には、購入に満足する場合よりも、購入したものが事前の期待を下回ることの方が多いかもしれません。また、そのような場合には購買担当者の社内での評価が下がってしまいます。そのため、購入時にはいろいろな不安や心配が数多く発生します。

あなたの会社が見込み客に対し、利用者の声や第三者機関の評価、お試し導入プログラムを提供することもおすすめです。導入に関する懸念事項を取り除くことに繋がります。また、導入後の効果の提示も効果的です。

差別化キャンペーン

そろそろニーズが顕在化しそうな段階にあるリードに対して、そのニーズを満たすあなたの会社の商品やサービス、ソリューションを紹介します。そして、他の会社から購入するよりもあなたの会社から商品・サービスを買っていただくようなアプローチを展開します。

この差別化キャンペーンでは、特定のニーズに対して自社の優位性の強調とバリュープロポジション(お客さまがその商品やサービスを使うメリット)、そして導入事例や活用メリットなどのコンテンツを提供します。

これらのコンテンツを提供しながら、コンテンツに反応と満足度を示すお客さまの情報を段階的にフォームから取得していくことも大切です。また、メールを活用して何回かに分けてコンテンツを提供しながら、リードの反応を伺うアプローチもあります。

ニーズについては、別記事「ニーズとは?ウォンツとの違いについてわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。宜しければご覧ください。

既存顧客向けのパターンと事例

続いては、既存顧客向けのパターンと事例をご紹介します。

購入の御礼

ご購入いただいたお客様に御礼を述べると同時に、商品やサービスをより良く使っていただけるよう、ノウハウやヒントを提供します。これらのコンテンツは、お客さまにあなたの商品やサービスの活用方法をもっと深く知っていただき、満足度を向上させることが狙いです。

最初は、購入の御礼のメールを送り、その後しばらくしてから使い方手順の説明や、もっとより良く使っていただくためのヒントやノウハウを提供しましょう。

お客さま紹介キャンペーン

あなたの商品やサービスを購入して十分に満足していただいたお客さまに、その良さを広めていただきましょう。知り合いや関係会社などからの紹介された商品やサービスは、認知した段階で既に信頼していることが多く、購買につながりやすいはずです。

別のお客さまをご紹介いただいたお客さまには何かしらの特典(追加のサービス提供や、料金の割引など)を付けることが有効です。

あなたの会社の商品やサービスにおける新規顧客獲得コストを考えれば、このプログラムは非常に有効であることがわかるのではないでしょうか?

リードの購買段階に適したコンテンツを提供しよう

購買段階によって、リード側が必要とするコンテンツは大きく異なります。教育・啓蒙を目的としたコンテンツは、リードが情報収集を行う購買行動の初期段階で有効です。関連する技術や市場、経営手法の傾向などをまとめると同時に、その導入効果も伝えると効果的です。

特定の業界に特化したコンテンツは、リードが自社のビジネス課題を認識し、その解決方法を模索する、購買行動の中期の段階に有効です。この段階のリードに有効な代表的なコンテンツには、リードを取り巻く業界の動向や調査レポート、ソリューションガイドなどがあります。

さらに購買活動が進んで、具体的にニーズが固まり製品やサービスを模索するリードへは、購買ガイド、事例、実績、導入効果の試算ツールなどが有効です。これらのコンテンツでは、実際の導入事例とその効果を実感できるため、購買時に抱える悩みや不安を解消し、スムーズな購入へとつながります。

さいごに

本記事では、これからリードナーチャリングを手がけ始める方向けに、シンプルではじめやすいパターンと事例をまとめました。リードナーチャリングは、短期的に効果が見えづらいということもあり、まだまだ真剣に取り組んでいる企業が少ないのが現状です。

そのため、効果的なリードナーチャリングのプログラムを設計し、見込み客と定期的なコミュニケーションをとることは、中長期的には売上的にも大きな効果をもたらします。

さいごに、リードナーチャリングで注意したい点について、3点ご紹介いたします。

  • あまり頻繁に送りすぎない
  • 宣伝ばかり送らない
  • 次のアクションに強引に誘導しすぎない

気をつけましょう。