リードナーチャリングをはじめてみよう!7つの手順についてわかりやすく解説します

リードナーチャリングには、まだまだ大きな誤解があります。それは、リードナーチャリングがリードに単発のメールを一斉配信することだと思われていることです。そして、そのメールを開封したリードに対して営業担当者がテレマーケティングで次々に架電することが、リードナーチャリングであると考えているケースも見受けられます。

本記事では、リードナーチャリングを実施する上で大切な心構えや、はじめるための7つの手順について、わかりやすく解説していきます。

リードナーチャリングをはじめてみよう

あなたがこの記事を見つけたということは、リードナーチャリングの実施を検討しているのでしょう。リードナーチャリングの実施を検討されているのなら、難しく考えず、まずははじめてみましょう。

リードナーチャリングをはじめる前に、まずはリードナーチャリングを実施する上で大切なポイントについてご紹介します。

リードナーチャリングで大切な心構え

まずは、リードナーチャリングで大切な心構えをご紹介します。それは、リードナーチャリングとは、顧客との一連のコミュニケーションのことを指す、ということを理解することです。リードナーチャリングの一連のプロセスにおけるリードとの接点(タッチポイント)には、それぞれ明確な目的があるべきです。リードの購買プロセスを推し進めるためにとってほしい行動を促します。

リードナーチャリングでは、リードの購買行動やニーズを無視して一方的にコミュニケーションをとることはよくありません。メールの配信、営業担当者による架電も、それぞれコミュニケーション手段の一つにすぎません。

どのような見込み客に、どのような手段で、どのようなメッセージを届けるか、そして、どのような行動に促していくのか、という一連のコミュニケーションを設計し、それぞれのコミュニケーションに意図を持たせることがとても大切です。

シンプルにはじめ、PDCAサイクルを回す

経験上、いきなり完璧なリードナーチャリングをすることはほぼ不可能です。まずは、最大でも2週間で完結するリードナーチャリングプログラムから手掛けてみましょう。

リードのニーズをしっかりと掴みとり、かつ精度が高く、完璧なリードナーチャリングのフローを最初から構築することは非常に難しい作業です。そのため、まずは非常にシンプルなリードナーチャリングのプログラムを作成し、実践してみましょう。

その結果から、プロセスの改良やプロセスの追加を徐々にしながら、あなたの会社やビジネスの特性に最適な独自のリードナーチャリングプロセスを作っていきましょう。

シンプルにはじめ、PDCAサイクルを回していきましょう。

PDCAサイクルについては、別記事「【PDCAの基本】失敗しないポイントやメリット・デメリットを徹底解説します」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

リードナーチャリングの7つの手順

ここでは、基本的なリードナーチャリングのモデルを構築する方法をご紹介します。リードナーチャリングの7つの手順で、今すぐリードナーチャリングがはじめられます。

リードを一元管理する

一つ目の手順は、リードを一元管理です。リードナーチャリングのモデル構築は、リードを一元管理するところから始めます。リードの一元管理とは、リードとあなたの会社との関係を同じデータベース上で管理することです。リードの属性情報だけでなく、展示会やセミナー、メール配信などあなたの会社で過去に実施したマーケティング活動の接点の履歴も記録します。このようにリードの情報を一元管理することによって、過去のリードとの接点から将来的に営業引き合いにつながる見込み客を数多く引き出していきます。

リードを一元管理するためには、リードの基本情報やマーケティング活動、ひいては営業活動の接点の履歴を記録できる、データの受け皿となる顧客管理システムが必要です。

リードの各情報を分析するより、リードの各情報を分析できるようにデータを整備しておくことの方が根気のいる作業ではありますが、分析しようにもデータ無しには始まりません。そのため、保有しているリードデータ量の大小に関わらず、データ整備の仕組みを早めに作っておくことは大事です。

リードナーチャリングに活用するデータの受け皿となる顧客管理システムとして代表的なものには、MA(マーケティングオートメーション)、SFA(セールスフォースオートメーション)、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)があります。

顧客管理システムについては、別記事「顧客管理とは?顧客管理システムの種類やシステム導入時の注意点について」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

MA・SFA・CRMは異なる特徴を持った顧客管理システムとなっており、得意領域が異なります。リードナーチャリングのプロセスを含め、自社のBtoBマーケティングのプロセスの設計が固まってきたタイミングで、自社の実現したい運用のために必要な機能があるツールを選ぶことをお勧めします。

BtoBマーケティングのプロセスについては、別記事「BtoBマーケティングとは?知っておきたい5つのプロセスと成功のための3つのポイント」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

セグメンテーションの作成

二つ目の手順は、セグメンテーションの作成です。セグメンテーションの作成では、ニーズが一致するリードを同じセグメントに集約します。ニーズによって、リードナーチャリングのワークフローや、提供すべき情報が異なるからです。

セグメンテーションの最も簡単な方法は、業種や職種、部門などリード固有の情報での分類です。類似する業種、類似する役職や部門などでセグメンテーションに分けます。セグメンテーション作成のもう一つの方法では、リードの購買行動に着目します。特定資料をダウンロードしたリード、あるセミナーに参加したリードなど、特定のニーズを持つリードが示すであろう特徴的な行動の情報からも、セグメンテーションを作成することができます。

リードの行動をBtoBの購買プロセスの段階に当てはめてセグメンテーションを作成することも可能です。リードの購買プロセスでのセグメンテーションは、最初は少し難しいかもしれません。初めてリードナーチャリングを始める場合には、リード固有の情報(業種や役職など)、もしくは特定の行動(特定のセミナーへの参加など)でセグメンテーションすることをお勧めいたします。

リードナーチャリングのセグメンテーションに関しては、別記事「リードナーチャリングにおけるセグメンテーションの2つの方法」でもご紹介しております。合わせてご覧ください。

また、リードナーチャリングの対象は、新規の見込み客だけには留まりません。既存顧客もクロスセルやアップセルなどのビジネス機会があります。既存顧客も、あなたの会社の商品やサービスをより気に入れば、同僚や友人などにも喜んで紹介してくれるかもしれません。

そのためには、既存顧客にもリードナーチャリングを実施しましょう。既存顧客があなたの会社や商品のファンになり、ヘビーユーザーになってくれることを促進することができれば、売上が伸びるだけでなく、評判が評判を呼び、もっと大きなビジネス機会を得られるかもしれません。

ターゲットをよく理解する

三つ目の手順は、ターゲットをよく理解することです。あなたの会社や商品・サービスに興味を持ってから購買するまでにリードがどのような行動を取るのか、購買プロセスをできるだけ詳しく理解しましょう。

セグメンテーションを作成したとします。そのセグメンテーションに属するリードは、どのようなニーズを持っているのでしょうか?購買にあたって、どの段階でどのような情報やコンテンツ、イベントへの参加を求めているのでしょうか?

すぐには完璧な正解には辿り着けないかもしれません。ただし、セグメンテーションしたリードの購買行動の情報を確認し、答えを導き出すための努力を続けていきましょう。セグメンテーションしたリードの購買行動の情報が十分に得られない場合には、インタビューやリサーチを行うことも検討しましょう。

リサーチに関しては、別記事「マーケティングリサーチとは?実施するメリット、手法、手順について解説します」でもご紹介しております。合わせてご覧ください。

あなたが設定したセグメンテーション間でプロセスや提供すべき情報が重複する場合、あるいは、そのセグメンテーションの購買行動のプロセスに特徴が見出せない場合には、セグメンテーションを見直してみると良いでしょう。もしくは、そのセグメンテーションの代表的なペルソナを作ってみることも効果的です。

ペルソナを設定する上では、以下の質問に答えられるようにしておきましょう。

  • このセグメンテーションのリードは、どんな悩みを持っているのだろうか?
  • どんな課題を持っていて、それを解決するにあたり何に困っているのだろうか?
  • どんな情報、どんな仕組みを求めているのだろうか?
  • 課題を解決する方法を探すときに、どのような情報源を活用するだろうか?
  • 購買するにあたって、社内で承認をとる必要があるのだろうか?
  • 社内で承認をとるために必要な情報はどのようなものだろうか?
  • 課題を解決するにあたり、解決策となる商品やサービスは他にもあるだろうか?
  • 他の商品やサービスと比較した上で購入するとしたら、何が決め手になるだろうか?

いかがでしょうか?全ての質問に答えることができるのであれば、解像度の高いペルソナを設定することができているといえるでしょう。

ターゲット層とそのペルソナについては、リードナーチャリングだけでなく、全てのマーケティング活動や営業活動でも利用できます。全てのマーケティング活動と営業活動を通じて、あなたの会社や商品・サービスのメッセージに統一感が生まれ、一貫性の取れたアプローチとコミュニケーションが可能になるでしょう。

ペルソナに関しては、別記事「ペルソナ設定とは?BtoBマーケティングにおけるペルソナ設定と活用のコツ」でもご紹介しております。合わせてご覧ください。

また、BtoBビジネスの購買プロセスは、ある程度モデル化できます。もちろん、扱っている商品やサービス、市場の成熟度などによって細かな点は違いますが、大枠では、認知段階→検討段階→決断段階という順番で購買プロセスは移行し、それぞれの段階で必要な情報やコンテンツが変化していきます。

    認知段階

  • 課題に気づいて解決方法を探している
  • 会社や製品については詳しく知らない
  • 検討段階

  • 課題の詳細を把握している
  • 課題解決のための解決策を比較検討中
  • 決断段階

  • 採用する解決策の提供者を探している
  • 複数社のサービスや製品を比較している

リードナーチャリングでは、ターゲットとなるリードが購買行動プロセスのどの段階にいるかを理解し、購買行動を助長する情報やコンテンツを提供しながら、リードの購買プロセスを推し進めるためにとってほしい行動を促します。

顧客の購買プロセスの解像度を上げるために、カスタマージャーニーマップを作成するのもおすすめです。自社のビジネスにおいて、ターゲットとなるセグメンテーション内にいるリードがどのような購買プロセスを経ていくのかを図で整理したものを、カスタマージャーニーと言います。

カスタマージャーニーに関しては、別記事「カスタマージャーニーとは?概要とカスタマージャーニーマップの作り方について解説します」でもご紹介しております。合わせてご覧ください。

プロセスを構築する

四つ目の手順は、プロセスを構築することです。いろいろと細かく(ゴール、メッセージ、コンテンツ、コミュニケーション・ツール)を決めて、それぞれを送るタイミングも設定して、リードナーチャリングのプロセスを作ります。リードナーチャリングのプロセスを作成する際には、ペルソナやカスタマージャーニーを参考にしましょう。

まずは、リードナーチャリングのターゲットとゴールを設定します。ゴールは、問い合わせに促す、セミナーへの参加を促すなど、様々な切り口で設定いただいて構いません。そして、ペルソナやカスタマージャーニーを参考にしながら、ターゲットの行動を書き出してみましょう。それらを参考にしながら、リードナーチャリングのプロセスの全体像を考えます。全体像が浮かんだら、紙や資料などの目に見える形に落とし込んでおきましょう。

リードナーチャリングのシナリオを考える際は、ベストなシナリオから考えます。その中で、リードの購買を妨げる悩みや、購買プロセスが次に進むためのポイントを抽出します。ここに着目しながら全体のリードナーチャリングのフローをチューニングします。

顧客視点でコミュニケーションする

五つ目の手順は、顧客視点でのコミュニケーションです。リードナーチャリングでは、広告メールやメルマガとは異なるコンテンツやフォーマットが必要です。リードナーチャリングのメールの本文は、私信で送るビジネスメールのように、メールの本文はリードの所属する会社名や名前からはじめるようにしましょう。リードに「私のためにメールが来た」と思っていただくことが大切です。これは、パーソナライズと呼ばれています。

パーソナライズされたメールは、一般的なメルマガや広告メールよりも開封率やクリックスルー率が高いことが知られています。効果の高いリードナーチャリングを目指すならば、メール本文でのパーソナライズは必ず行うようにしましょう。

リードナーチャリングのコンテンツについても考えましょう。いま、この段階にあるリードはどんな情報が欲しいでしょうか?例えば、あなたが実施したセミナーに参加したリードは、セミナー翌日からすぐに購買行動を進めるためにはどんな情報やコンテンツが必要でしょうか?

リードナーチャリングでは「提供する情報やコンテンツ」も重視しますが、同じくらい「提供するタイミング」を重視します。

そのリードにとって本当に役に立つ情報やコンテンツを、適切なタイミングで提供しなければなりません。タイムリーかつ最適なコンテンツをリードに届ければ、リードの購買プロセスが加速するだけでなく、あなたの会社の信頼や信用も上がります。

購買プロセスを進めるにあたり、リードが抱くであろう「疑問」には、リードナーチャリングのコミュニケーションの中で積極的に答えて行きましょう。例えば、「この商品を買ったらどんなメリットがあるのだろうか?」「他の商品とは何が違うのだろうか?」「今のまま現状を維持するとしたら、どのようなリスクがあるのだろうか?」など、リードが持つ疑問には限りがありません。リードの状況を詳しく理解した上で、リードの視点に立って考えてみましょう。

前述した顧客管理システムは、そのリードの過去の反応を分析するのに役に立ちます。あなたの会社の過去のマーケティング活動は、どのようなリードの、どんな反応を生み出したのでしょうか?その結果、そのリードはどのような行動をしたのでしょうか?

過去のマーケティング活動の結果として生み出されたリードの行動は、売上に貢献するものだったでしょうか?もしくは、直接売上に貢献しなかったとしても、リードの購買プロセスを推し進める上で、貢献するものだったでしょうか?

ここを調べてみましょう。ここには、リードナーチャリングに必要な情報やコンテンツについてのアイデアが隠れています。

スコアリングをする

六つ目の手順は、スコアリングをすることです。スコアリングとは、リードナーチャリングのプロセスにおいて、リードの購買に至る興味・関心の度合いを数値化したものです。

スコアリングでは、リードの行動を購買行動に紐づけて、購買行動に大きく関係あると考えられる行動には高い加点をおこないます。そのように設計すれば、リードが持つスコアは、リードの購買意欲を反映したものになります。

スコアリングは、そのリードが閲覧したwebページ、検索キーワード、セミナーや展示会への来訪など、購買段階や極度の関心の度合いを示す行動に対して大きな加点を行います。例えば、購買行動の段階が進み、そろそろ導入の検討を考えている場合、見込み客は製品の詳細仕様やFAQ、料金表、導入までの流れなどのwebページを閲覧します。したがって、これらのwebページの訪問には高い加点を設定すべきだと思います。

その一方で、まだ解決策を検討しているリードは、ソリューションや製品概要ページ、そしてこの製品やサービスの提供元を確認するために会社概要なども訪問します。このようなwebページへの訪問には先ほどよりも低いスコアの加点を設定します。

Webページへの訪問履歴だけでなく、メールのコンテンツやセミナーの内容によってもスコアの重み付けを変更しましょう。例えば、業界動向に関連するセミナーは購買行動の初期段階にある見込み客が集まりやすいですが、具体的なソリューションや商品説明・デモンストレーションを行うセミナーでは、商品の導入検討に近い見込み客が参加する傾向にあります。

このように、メールの開封や本文内のリンクのクリック、展示会への来訪、セミナーへの登録や参加など、購買行動との関連性や、購買プロセスの段階に応じてスコアリングの加点を検討し、リードの興味・関心の度合いを数値化しましょう。スコアの加点は、MAなどの専用ツールを利用すればすぐに実施することができます。

スコアリングに関しては、別記事「スコアリングとは?活用するメリットと使い方をわかりやすく解説します」でもご紹介しております。合わせてご覧ください。

また、スコアリングを活用しない場合には、購買プロセスの段階ごとにダウンロードコンテンツを用意し、ダウンロードする際のフォームの設問項目にてBANT条件を確認するという方法もあります。

どちらかの方法を利用する、もしくはどちらの方法も利用しながら、リードナーチャリングのゴールとなる行動に促せる可能性の高いリードを洗い出し、次の行動に促すためのアプローチを行ないます。

BANT条件に関しては、別記事「BANT条件とは?法人営業におけるヒアリングの代表的なフレームワーク」でもご紹介しております。合わせてご覧ください。

行動を促す

七つ目の手順は、行動を促すことです。関心の度合いの高い見込み客に対して次の行動を促すことは、そうでない場合に比べてスムーズに進みます。つまり、スコアリングやBANT条件から興味関心の度合いが高いリードを選別することができれば、そのリードに対しての営業アプローチは、先方からも快く受け入れられる可能性が高くなります。

購買の準備が十分でないBtoBの見込み客は、営業担当者からのアプローチを避ける傾向にあります。営業担当者が無理矢理アプローチすれば、見込み客は不快な思いをする可能性が高まります。アプローチを行う営業担当者にもストレスが溜まり、どちらの立場にもメリットはありません。しかし、購買の準備が十分に整っている見込客であれば、営業担当者からより詳しい情報を引き出したいと思い、むしろ、営業担当者からのアプローチを受け入れるでしょう。

このように、リードナーチャリングのプロセスが整い、ひいては関心度合いの高い見込み客へのアプローチの仕組みが整えば、売り手側、そして買い手側の双方にとって大きなメリットがあります。

売り手は意思を持って、買い手に行動を促しましょう。売り手の促した行動に対し、買い手が喜んで受け入れる姿勢を見せるのであれば、それはリードナーチャリングとして、かなり完成している状態であると言えます。

さいごに

本記事では、リードナーチャリングを実施する上で大切な心構えや、はじめるための7つの手順について解説しました。

リードナーチャリングは、一斉メールの配信や営業担当者による家電といった一過性の施策ではありません。顧客と良い関係を気付き、最終的には売上に繋げるための一連のコミュニケーションの設計図とも言えます。

いきなり完璧なリードナーチャリングをすることは難しいかもしれませんが、プロセスの改良やプロセスの追加を徐々にしながら、あなたの会社やビジネスの特性に最適な独自のリードナーチャリングプロセスを作っていく、そういうものだと理解しましょう。

できるだけ早くはじめて、効果の改善を図りながら長く続けていく。数年単位で見たときに、これは大きな競争優位につながります。

あなたの会社の未来のためにも、リードナーチャリングをはじめてみましょう。