営業活動をおこなうセールス職にとって最も重要な局面、クロージング。商談の最終段階にあたる契約、または終わりを意味する言葉として、営業に携わる人なら誰もが知っている用語です。
しかし、他の商談プロセスと比べると難易度が高く、多くの営業職の方が悩まれていることでもあります。
目次
営業のクロージングとは?
営業活動は、大きく5つのステップから成ります。クロージングは、事前準備→導入アプローチ(アイスブレイク)→ヒアリング→提案を経て、営業活動の最後に行います。お客さまが商品やサービスに納得し、購入の意思を示したタイミングで商談は締めとなります。面談の内容について振り返り、今後の進め方を決めるステップになります。
クロージングに至るまでの4つのステップの詳細については、それぞれ下記の別記事にまとめております。合わせてご覧ください。
事前準備に関しては、別記事「営業担当者なら抑えておきたい、商談の成功率を高めるための事前準備の8つのステップ」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。
商談初期における信頼関係の構築に関しては、別記事「営業におけるアイスブレイクとは?商談アプローチの初期における信頼構築の10ステップ」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。
ヒアリングに関しては、別記事「営業ヒアリングとは?フレームワークの項目別にやり方とコツをまとめました」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。
提案(プレゼンテーション)に関しては、別記事「営業における提案のコツと提案を成功させるための8つのチェックポイント」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。
クロージングまでの流れ
ヒアリングや提案のステップでどれだけ上手くいったとしても、クロージングが上手くいかなければ、成約にいたりません。そのため、クロージングは営業活動の中でも、気が抜けない勝負のプロセスになります。
クロージングのステップでは、契約をするか、あるいは決裁者と話し合う機会を設けてもらうなど、何らかの行動をお客さまに約束してもらい、商談を前進させることが大切です。
クロージングを行う(反応を確認する)
クロージングでは、お客さま自身に意思決定をしていただくことが大切です。プレゼンテーションの内容に納得していただけたと感じたら、契約を促しましょう。また、クロージングでは、お客さま自身に意思決定をしていただくことが大切です。営業担当者は、意思決定を迫るのではなく、必要に応じてお客さまの背中を押す、くらいの感覚を持っておきましょう。
◎クロージングの言葉
「いかがですか?」
「どうされますか?」
と聞いて、お客さまが「やるよ」という反応を示すまで待ちましょう。
決裁者・影響者への面談の依頼
商談の相手が決裁者であれば必要ありませんが、そうでない場合には、決裁者と話し合う機会を作っていただくようにお願いしましょう。ただし、面談の必要性がないと、なぜ自分を飛び越えて上司と話をするのかと、お客さまが気分を害する恐れがあります。この点には十分に注意しましょう。
◎決裁者・影響者への面談の依頼の例
(今後の御社内での進め方として)○○さまと上長の△△さまが相談してお決めになるとのことでしたが、○○さまから△△さまには、いつお話になるご予定ですか?△△さまにご説明するにあたり、私どもで資料を準備したり、△△さまもいらっしゃるタイミングで再度ご提案にお伺いすることもできますが、○○さまとしては、どのような進め方が望ましいでしょうか?
契約に向け、双方の行動を整理する
商談を前進させるための最後の仕掛けを行います。契約成立に至るまでのプロセスを整備して、お客さまと一緒に、お互いにいつまでに何をすべきかを明確にしましょう。
- どの時点で、誰の承認が必要か?
- 誰を説得する必要があるか?
- 誰に対して商品・サービスを説明する必要があるか?
- どのような書類、データが必要か?
◎契約に至るまでに必要な項目をピックアップする例
次のステップに向けた行動の依頼
お客さまと次のステップまでの宿題を整理したら、最後に、前進に向けて後押しをします。商談を前進させるための行動がいつ行われるのか曖昧にならないように、日時まで決める必要があることを意識しておきましょう。
商談を前進させるための行動を依頼し、日時を明確にします。例えば、次回が決裁者との面談であれば、決裁者との面談の可能日時を確認する必要があります。すぐにわからない場合には、いつ決裁者の予定が確認できるかを聞いた上で、「では、○月○日の午前中にまたご連絡差し上げますので、その際に面談の日程を決めましょう」と次回連絡の日時を明確にしましょう。
成約率を向上させるためのコツ
成約率を向上させるためのコツについてもご紹介します。相手側に決断してほしいのがクロージングのステップになりますが、なかなか決断ができない、一人では判断できない、と悩んでしまうような方を相手にする場合には、商談を前進させるためにこちらが呼び水を出してあげる必要があります。
仮クロージングを行う(反応が悪い場合に本気度を確認する)
クロージングをしても、「ちょっと考えさえて」とお客さまが決めきれないときもあります。そういう場合には、仮クロージングを行います。「もしやるなら、いつごろですか?」「もしやるとしたら、Aプランですか?それともBプランですか?」と言った聞き方をして、相手の本気度をチェックします。
◎仮クロージングの質問の例
「もしやるなら、いつごろですか?」
「もしやるとしたら、Aプランですか?それともBプランですか?」
「もしやるとしたら、ご担当者は○○さまで宜しいですか?」
「あとは金額だけの問題、ということで宜しいでしょうか?」
「○○様、個人のお考えとしてはいかがですか?導入したいですか?」
類似商品を購入した際の選定ポイントを確認する
クロージングをしても、商品やサービスの購入については一人では判断できない、とお客さまが悩んでしまうときもあります。そういう場合には、以前、会社で類似商品を購入したことはないか、その際の選定ポイントはなんだったか、確認するようにしましょう。
もし、類似商品を購入したことがあれば、その際に意思決定に関わった人やその際の選定ポイントが、そのまま今回の意思決定にも関わってくる可能性があるからです。
◎類似商品を購入した際の選定ポイントを確認する際の質問の例
「今までに、今回の商品と同様、もしくは似たようなサービスを検討したことはありますか?」
「その際、誰が検討に携わったのですか」
「その際、実際に購入に至ったのですか」
「その際の商品の選定ポイントはどんな点だったのですか」
「その際、商品を購入したのであれば、決め手は何だったのですか」
「その際、商品を購入したのであれば、その後の社内での評価はどうでしたか」
「一緒に頑張りましょう」と背中を押す
クロージングをしても、商品やサービスの購入金額が大きい場合や、失敗したときに責任を取らなければならないような立場にいる人の場合にも、なかなか購入を決められないこともあります。
そんなときは「一緒に頑張りましょう」と背中を押してあげましょう。もちろん、本心からの言葉であること、お客さまと一緒に頑張って結果につなげること、相手に後悔させないことが大切です。
商品やサービスを購入してもらうということは、購入したお客さまの期待に応えることに責任を持つということでもあります。
さいごに
本記事では、営業のクロージングまでの流れと成約率を向上させるためのコツについて解説しました。
営業のクロージングを通じ、相手の購入意思を確認することや、必要なアクション全体を整理し、次のアクションを明確にすることが大切です。また、相手と同じ目線から「一緒に頑張りましょう」と背中を押してあげることができるパートナー型の営業スタイルを目指しましょう。
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