BtoBマーケティングを担当していると、必ず一度は耳にする施策がホワイトペーパーです。
展示会や広告に頼らず、資料ダウンロードを通じて見込み顧客を獲得できる──まさに「王道」と言われる理由も納得できます。
けれど実際に制作を外注しようとすると、こんな悩みに直面しませんか?
「どの制作会社に依頼すれば失敗しないのか?」
「費用は高いのか、それとも相場感があるのか?」
「実績や事例のある会社はどうやって見極めればいいのか?」
社内からは「費用対効果は本当にあるのか」「稟議は通せるのか」と聞かれ、マーケ担当者としては責任もプレッシャーも大きいものです。
そこで本記事では、ホワイトペーパー制作に強みを持つ8社を比較紹介しながら、費用相場や会社選定のポイントを整理しました。
目次
ホワイトペーパー制作を外注するメリットと課題
ホワイトペーパーを作ると決めたとき、まず最初に悩むのが「内製で作るか、外注に頼むか」という選択です。
マーケ担当者なら、上司から「コストを抑えて社内で作れないか?」と聞かれた経験があるかもしれません。
ここでは、内製と外注の違い、そして外注に伴うメリットと課題を整理します。
内製との違い(スピード・品質・リソース確保)
内製の一番の魅力は「コストがかからない」こと。社内にマーケティングやデザインのスキルがあれば、ゼロから自分たちで作ることも可能です。
しかし実際には、本業の傍らでホワイトペーパーを企画・執筆・デザインまで進めるのは大きな負担になります。
・スピード:公開が数か月先に延びてしまう
・品質:デザインや文章に“素人感”が出てしまい、ダウンロード数が伸びない
・リソース:社内のリソースを奪い、他の施策が止まる
結果的に「やっと完成したけど、リード獲得につながらなかった」という失敗例は少なくありません。
外注のメリット(専門知識・デザイン力・マーケノウハウ)
外注の最大の魅力は、専門家の知見を活用できることです。
制作会社には「成果が出るテーマ設定」「読みやすくデザインするノウハウ」が蓄積されており、1本目から“王道パターン”で作ることができます。
例えば、
・マーケ視点:見込み顧客が欲しがるテーマ選定や導線設計
・ライティング力:難しい内容を専門的かつ分かりやすく翻訳
・デザイン力:図解・グラフ・イラストで直感的に理解できる資料に
社内だけでは得られない「スピード感」と「品質」を両立できるのは、外注ならではの強みです。
外注の課題(コスト・稟議ハードル・ディレクション工数)
もちろん、外注にも課題はあります。
・コスト:数十万〜百万円単位の費用がかかる
・稟議ハードル:上層部に「なぜこの投資が必要か」を説得しなければならない
・ディレクション工数:丸投げではなく、社内で目的・ターゲット・方向性を共有し、制作会社に伝える役割は残る
特にBtoBマーケ担当者にとって大きいのは「稟議の壁」です。
「本当にリード獲得できるのか?」「費用対効果は説明できるのか?」と問われ、数字で答えられないと承認が下りません。
つまり、外注は「時間と品質を買う」一方で、ROIをどう説明するかが最大の鍵になるのです。
ホワイトペーパー制作会社8選【比較一覧】
「ホワイトペーパーを外注しよう」と思ってGoogleで検索しても、制作会社やサービスがずらりと並びます。
ただ、いざ比較しようとすると──
・どこも同じように見えてしまう
・結局どこを選べば失敗しないのか分からない
そんな気持ちになったことはありませんか?
特に、BtoBマーケ担当者にとっては「社内を説得できるか」「成果につながるか」が最大の関心事。だからこそ、各社の特徴を理解し、自社に合ったパートナーを見極めることが欠かせません。
ここでは、ホワイトペーパー制作に強みを持つ8社を厳選してご紹介します。
「スピードを重視するのか」「デザイン力を求めるのか」「ROIを数字で示したいのか」──
読んでいくうちに、自社に最適な選択肢が見えてくるはずです。
プロレクト株式会社
「いい施策だと思うのに、稟議でROIを説明できず前に進まない」──そんな悩みを抱えたことはありませんか?
多くのマーケ担当者にとって一番の壁は「制作」ではなく「社内承認」です。プロレクトはその壁を突破する仕組みを持った数少ない制作会社です。
特徴: ROIシミュレーションから制作まで一貫対応。費用対効果を数値で示し、稟議通過をサポート。
料金: 1本40万円、明瞭な定額プラン。
強み:
・稟議で必要なROI試算資料を整備
・企画・執筆・デザイン・配布設計までワンストップ支援
・SEO記事やコンテンツマーケティングとの連動も可能
・こんな企業におすすめ: 「稟議の壁を乗り越えたい」「施策を“投資”として説明したい」企業。
株式会社GIG
「コンテンツを単発で作るのではなく、戦略全体から支援してほしい」──そんなニーズに応えるのがGIGです。BtoBマーケティング全般に強く、制作を“点”ではなく“線”として設計してくれるのが特徴です。
特徴: 戦略設計から制作までをワンストップ対応。コンテンツマーケティングの知見が豊富。
料金: 案件ごとに見積もり。戦略〜制作一式を依頼する企業が多い。
強み:
・マーケ戦略に基づいたテーマ設計
・制作だけでなくコンテンツ流通までカバー
・BtoB特化の知見を活かした提案
・こんな企業におすすめ: 「社内に戦略のリソースが不足している」「全体最適の観点で支援してほしい」企業。
Hub Works
「まずは小さく試したい」「スピーディーに動きたい」──そんな企業にフィットするのがHub Worksです。コストを抑えつつ短納期で成果物を納品してくれるので、初めての外注にも向いています。
特徴: 業界最安級の料金帯とスピード感のある納品。
料金: 比較的安価(数十万円未満で収まるケースも多い)。
強み:
・短納期での納品実績
・小規模案件にも柔軟に対応
・初めての外注でも安心のプロセス
・こんな企業におすすめ: 「まずは外注を試したい」「予算を抑えつつスピード重視で進めたい」企業。
株式会社アイコネクト
「作って終わり」ではなく、成果につながるホワイトペーパーを作りたい企業におすすめです。独自の効果測定システムを持ち、読了率や離脱率などを可視化して改善につなげられる点が大きな強みです。
特徴: 成果志向型の制作。読者行動データを分析し改善提案を実施。
料金: 案件に応じてカスタマイズ。
強み:
・読了率・離脱ポイントを把握できる分析基盤
・制作と改善をセットで提案
・リード獲得から商談化率改善までを支援
・こんな企業におすすめ: 「ダウンロード数だけでなく、商談につながるホワイトペーパーが欲しい」企業。
Appmart株式会社
「難しい内容を分かりやすく伝えたい」──そんな企業に選ばれているのがAppmartです。図や表、イラストを活用したビジュアル表現に強みを持ち、読み手に“直感的に伝わる資料”を提供します。
特徴: デザイン重視のホワイトペーパー制作。ビジュアルで伝える力に特化。
料金: 中価格帯(数十万〜100万円程度が目安)。
強み:
・図解やイラストを多用した分かりやすい構成
・デザインとコンテンツの一貫制作
・難解なテーマを直感的に理解できる資料に仕上げる
・こんな企業におすすめ: 「技術的・専門的な内容を分かりやすく届けたい」企業。
株式会社エコンテ
「社内で活用しやすい形で納品してほしい」──そんな声に応えてくれるのがエコンテです。インフォグラフィック制作に定評があり、PPTやIllustratorなどの形式で柔軟に納品してくれるので、社内プレゼンや二次利用がしやすいのが魅力です。
特徴: インフォグラフィックに強く、分かりやすい資料を制作。
料金: 案件により変動。柔軟な納品プランあり。
強み:
・PPTやIllustratorなど多様な形式に対応
・社内資料としても二次利用しやすい
・グラフィックを活かした直感的な資料構成
・こんな企業におすすめ: 「営業資料や社内提案資料としても活用したい」企業。
株式会社ニュートラルワークス
「ホワイトペーパー単体ではなく、マーケ全体の仕組みに組み込みたい」企業におすすめ。SEOや広告、サイト改善と連動した支援を行い、リード獲得からナーチャリングまで一貫して支えてくれます。
特徴: Webマーケティング全体を視野に入れたホワイトペーパー制作。
料金: 中〜高価格帯。戦略支援とセットで提案されることが多い。
強み:
・SEOや広告施策と連動した戦略設計
・ナーチャリングまで考慮した導線設計
・マーケ全体を支援する包括的サポート
・こんな企業におすすめ: 「ホワイトペーパーを単発ではなく、リード獲得の仕組みづくりに組み込みたい」企業。
株式会社アジタス
「安定感のあるパートナーに任せたい」──そんな企業に選ばれてきたのがアジタスです。20年以上の実績を持ち、専任チームによる一貫制作で確実に品質を担保。初めての外注でも安心して依頼できます。
特徴: 老舗の信頼感。20年以上の実績を持つ制作会社。
料金: 中価格帯。安定した品質を担保。
強み:
・豊富な実績と経験に基づくノウハウ
・専任チーム体制による安定した進行
・長期的なパートナーシップを構築可能
・こんな企業におすすめ: 「とにかく安心して任せたい」「失敗のリスクを減らしたい」企業。
ホワイトペーパー制作の費用・料金相場
ホワイトペーパーを外注しようとすると、最初にぶつかるのが「費用はどのくらいかかるのか」という疑問です。
社内で稟議を上げるにしても、根拠のある数字を提示できなければ承認は得られません。
実際の相場は、1本あたり30万〜100万円前後。幅があるのは、依頼内容や制作範囲によって大きく変わるからです。
内訳の目安
・企画・構成:10〜20万円
→ テーマ設定や全体の骨子を作るフェーズ。
・執筆:20〜50万円
→ 専門ライターが文章化する部分。ボリュームや専門性によって金額は大きく変動。
・デザイン:10〜30万円
→ 図表やレイアウト、表紙デザインなど。内容の伝わりやすさを大きく左右します。
このように、1本のホワイトペーパーでも関わる工程ごとにコストが積み上がるのが一般的です。
稟議でよくある会話シーン
マーケ担当者:「ホワイトペーパー制作に50万円ほど必要です」
上司:「なぜそんなに? その投資で本当にリードは取れるの?」
──こんなやりとり、経験ありませんか?
単に「費用がこれくらい」と伝えるだけでは、社内を納得させるのは難しいものです。必要なのは「費用対効果のシミュレーション」です。
例えば、1本のホワイトペーパーが年間で100件のリードを獲得し、そのうち20件が商談化、5件が受注につながったと仮定します。
1件あたりの平均受注額が100万円なら、総額500万円の売上貢献。投資額50万円に対して10倍のリターンがある──このように数字で示せれば、稟議は通りやすくなります。
詳しい考え方は別記事「ホワイトペーパー制作の費用対効果を徹底解説|ROIシミュレーションと稟議書の通し方」で解説しています。
制作会社選定で重視すべき5つのポイント
ホワイトペーパー制作を外注しようとすると「どの会社に頼めば失敗しないか?」という不安がつきまといます。
価格だけで判断すると、いざ納品されたときに「思っていたのと違う…」という事態になりかねません。
ここでは、マーケ担当者が安心してパートナーを選ぶために、最低限チェックすべき5つの視点をご紹介します。
実績・事例の豊富さ
まず確認すべきは「その会社がどんな案件を手がけてきたか」です。
自社と近い業界やBtoBの事例を持っているかどうかで、期待できる成果は大きく変わります。
「実績ページで見られる事例が、自社の課題に近いか?」──ここが判断の第一歩です。
対応範囲(企画~納品まで)
ホワイトペーパー制作は「ライティング」だけでは完結しません。
テーマ設定・企画構成・デザイン・配布設計まで、どこまで対応してくれるのかを必ず確認しましょう。
内製リソースが限られている企業ほど、「丸ごと任せられる会社」を選んだ方が、結果的に工数削減につながります。
費用とROIの説明力
「いくらかかるか」だけでなく、「どれだけリターンがあるか」を説明できる会社かどうかも重要です。
上司や経営層からは必ず「この投資で何件のリードが取れるのか?」と問われます。
そのときに、ROIをシミュレーションして説明できる制作会社なら、稟議を通す上でも心強い味方になります。
デザイン・制作クオリティ
同じ内容でも、デザイン次第で成果は大きく変わります。
「文字ばかりで読みにくい資料」と「図解やビジュアルで直感的に理解できる資料」──ダウンロード後の読了率は雲泥の差です。
「自社の顧客層に合うデザインか?」「実績のテイストが自社のブランドにフィットするか?」を必ず確認しましょう。
ナーチャリングまで含む提案力
ホワイトペーパーは「作って終わり」ではありません。
メール配信やMA(マーケティングオートメーション)と連動して初めて、リードナーチャリングの成果につながります。
単なる制作代行ではなく、その後の活用プランまで提案してくれる会社を選ぶことで、商談化率や受注率に直結しやすくなります。
この5つを意識すれば、「ただ安いから選んだ」という失敗を防ぎ、自社に最適なパートナーを選べるようになります。
「実績」「対応範囲」「ROI」「デザイン」「ナーチャリング」──この5つが揃っているかどうかを軸に、比較検討してみてください。
成果につながるホワイトペーパーの活用方法
ホワイトペーパーは「作ったら終わり」の資料ではありません。
むしろ、その後の使い方によって成果が大きく変わります。
ここでは、BtoB企業が実際に成果を出している代表的な活用シーンを紹介します。
リード獲得(広告・SEO経由)
もっとも分かりやすい活用が「リード獲得」です。
広告やSEOを通じてダウンロードを促すことで、見込み顧客のリストを効率的に集められます。
例えば、SEO経由なら「課題解決のために検索している層」に自然にアプローチできます。
広告経由なら、ターゲット企業の意思決定層にリーチできる可能性が高まります。
展示会やテレアポに頼らず、オンラインで効率よく見込み顧客を獲得できるのが大きなメリットです。
リードナーチャリング(MA/メルマガ活用)
ダウンロードされた瞬間に受注につながることはほとんどありません。
そこで重要になるのが「ナーチャリング」です。
・MAツールでのスコアリング:資料ダウンロード後の行動を可視化
・メルマガ配信:関連するホワイトペーパーや記事を定期的に届け、関心度を高める
例えば、「導入事例集をダウンロードした見込み客」に続けて「費用対効果の解説ホワイトペーパー」を送ることで、検討フェーズを前に進められます。
“今すぐ顧客”を取りこぼさず、“将来の顧客”を育てるのがナーチャリングの狙いです。
営業支援資料としての活用
営業現場でもホワイトペーパーは強力な武器になります。
「自社が言うより、客観的な資料で示す方が説得力がある」というのは営業担当の口癖です。
・初回訪問時の置き資料として
・商談中の説明を補うエビデンスとして
・社内稟議をサポートする“上申資料”として
実際に、営業が「このホワイトペーパーを読んでください」と渡すだけで、商談が次のステップに進むケースも少なくありません。
営業の説得力を補強し、商談化率・受注率を底上げできるのがホワイトペーパーの価値です。
まとめ
ここまで8社の特徴を見てきて「結局どこを選べばいいのか?」と感じた方も多いかもしれません。
正解は一つではありません。大切なのは、自社が今抱えている課題と目的に合った会社を選ぶことです。
目的ごとに最適な制作会社は変わります。
だからこそ、「価格だけ」で選ぶのではなく、「成果につながる条件は何か」を整理することが成功のカギです。
いずれにしても、ホワイトペーパー制作は単発のアウトプットではなく、リード獲得から商談化、そして受注へとつながる導線をつくる投資です。
ぜひ自社の状況に合わせて、最適なパートナーを選んでください。
さいごに
ここまで読んで「自社はどの会社に依頼すべきだろう…」と迷っている方もいるのではないでしょうか。
または、社内で「費用対効果をどう説明するのか?」と問われ、稟議が進まず立ち止まっている方も多いはずです。
そんなときに必要なのは“客観的な提案資料”と“成果につながる制作パートナー”です。
当社では、
・ROIシミュレーションを含んだ稟議用資料の整備
・企画・執筆・デザイン・配布設計までの一気通貫支援
・SEO記事や他のマーケ施策との連動
を通じて、ホワイトペーパー制作を“投資”として社内に説明できる形に整えます。
「まずは費用感を知りたい」「稟議を通すための資料が欲しい」──そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。