営業におけるアイスブレイクとは?商談アプローチの初期における信頼構築の10ステップ

営業の商談アプローチの初期に効果的なアイスブレイクを行うことができると、ヒアリング提案(プレゼンテーション)などのステップまでスムーズに繋げることができます。

本記事では、営業におけるアイスブレイクとは何か、ということや、商談アプローチの初期における信頼構築のコツについて紹介していきます。

営業におけるアイスブレイクとは?

アイスブレイクとは、相手の緊張や警戒心を解きほぐす方法のことを指します。相手の緊張や警戒心を氷(アイス)にたとえ、それを打破(ブレイク)する、という意味でアイスブレイクと呼ばれます。

人はそもそも知らない人に対しては、攻撃的、批判的、冷淡に対応する習性があります。そのため、まずは自分(自社)のことを知ってもらわないと、相手も安心や信頼の気持ちを持って接してくれません。

営業におけるアイスブレイクとは、商談相手の緊張感や警戒心を解きほぐすために行う、商談アプローチの初期における信頼構築のステップの一連の流れのことを指します。

相手の緊張感や警戒心を解きほぐすことができれば、商談全体の流れ(ヒアリングや提案、クロージングなど)にも良い影響を与えることができます。

商談アプローチの初期における信頼構築の10ステップ

商談アプローチの初期のアイスブレイクでの印象によってヒアリングの際にお客さまがどのくらい心を開いて話してくれるか変わってきます。お客さまとの信頼関係を構築するために、次のステップを踏むようにしましょう。

マナーに沿った挨拶を行う

一つ目のステップは、マナーに沿った挨拶を行うことです。第一印象が大切ということは、既に心得ていることと思います。緊張しすぎてもいけませんが、くだけ過ぎてもいけません。社会人としてマナーに沿った挨拶から商談をスタートするようにしましょう。

    ◎チェックリスト

  • 商談にふさわしい服装、身だしなみをしているか
  • 約束の時間を守る、コートは部屋に入る前に脱ぐなどの基本的な礼儀作法を外していないか
  • 「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えているか

軽い会話①(共感を得る)

挨拶を終えたら、緊張感をほぐすための軽い会話を交わしましょう。狭義の意味では、この会話のことをアイスブレイクと呼ぶこともあります。ただ、単なる世間話をすれば良いのではなく、お客さまと共感できることや共通点を見つけ、信頼関係の構築につなげることが目的であることを意識しておきましょう。

    ◎会話のテーマの例

  • 一般のテーマ:気候や趣味、天候など、誰でも共感できるもの
  • 特定のテーマ:業界の傾向や、その業界の人にはホットは話題など、共感できるもの
  • 個人的な話題:自分自身の話題など、共感を得るためには自分をさらけ出す必要があるもの

軽い会話②(自分のポジションを示す)

お客さまには、信頼できる相手から商品・サービスを購入したいという心理があります。これは、少々難易度の高い会話のテクニックとなりますが、自分が信頼を得るに足るということを、暗に示す必要があります。

    ◎自分のポジションを示す内容(軽い会話の中で、さりげなく伝えること)

  • 業界経験や知識
  • 自分が担当している取引先の事例(話せるもの)
  • 自社内での立場・役職
  • お客さまからの評判(実際にいただいた喜びの声、など)

面談の目的・内容の合意

軽い会話を交わして場の雰囲気が和んできたところで、いよいよ本題に入ります。まずは、その日の面談で何を話そうとしているのか、面談の目的・内容の合意を行い、お互いの思惑に行き違いが生じないように確認をします。

    ◎チェックポイント

  • 本日は○○について××させていただきたいと思っております。宜しいでしょうか?」と聞く
  • 「はい」あるいは「そうですね」などの答えが返ってきてから次に進むこと

面談時間、進め方の確認

お客さまと面談の目的・内容の合意ができたら、その日の面談時間と話の進め方についてお客さまに確認します。お客さまの急な予定などで面談時間が土壇場で変更になるケースもあるため、一言、確認を入れた方が良いでしょう。

    ◎チェックポイント

  • 「本日は○時までお時間を頂戴できるということで宜しいですか?」と確認する
  • 「本日のお打ち合わせは、まずお客さまの○○をお聞かせいただいた上で、次に弊社から△△させていただく、という順序で進めさせていただいても宜しいでしょうか」

初期導入質問を行う

初期導入質問とは、商談の初期に投げかける質問のことを指します。例えば「今日は○○な訳ですが、今の××に何かお困りのこと(お悩み、ご不満)でもおありなんですか」などといった質問です。この質問で、お客さまのお困りのことや、そのお困りのことを解決することの緊急度・優先度を推し量ることができます。

    ◎課題解決の緊急度・優先度を推し量るための質問の例

  • 「先日、○○(商品やサービス)の資料請求をいただきましたが、△△(商品やサービスで解決できること)について、何か困っていらっしゃることがあるのですか?」

自社・取扱商品・サービスの概要を説明する

自社や自社の取扱商品・サービスについての概要を簡単に説明しましょう。ただし、警戒感を持たれないよう、そもそも自分達は何者なのか、何を強みとしているのかを理解してもらうことを目的に、軽く説明する程度に留めておきましょう。

    ◎チェックポイント

  • 簡潔に、事実と価値だけがストレートに伝わるように工夫するようにしましょう
  • なお、「詳しくお聞かせいただく前に、まずは当社や当社のサービスについて、簡単にご説明させていただいても宜しいでしょうか」などと前置きをしてから、説明を始めるようにしましょう

信頼を裏付ける事例の提示

取扱製品・サービスについての概要を簡単に説明したあと、信頼していただくために裏付けとなる事例を軽く説明するのもオススメです。「実際にあった事例+結果どうなったか」をセットで説明するのがポイントです。

例えば、「実は以前、貴社と同じように○○についてお困りだった企業さまをご支援させていただいたことがございます。その際には、○○といったことに取り組み、○○といった結果を出すことができました。大変お喜びいただけたんですよ」といった具合です。

ヒアリングの許可を依頼

提案するために必要な詳細のヒアリングに入る前には、ヒアリングの許可を依頼した方が丁寧です。「それではもう少し詳しく、いくつかお伺いしても宜しいですか」と、ごく当たり前のようにヒアリングの許可を依頼します。メモは、ヒアリングの許可が出てからとるようにしましょう。

    ◎チェックポイント

  • 「それではもう少し詳しく、いくつかお伺いしても宜しいですか」と、確認してみましょう
  • お客さまと既に十分に打ち解けている場合や、話の流れでヒアリングに移行してもお客さまにとって不自然でなく(不躾でなく)感じられる場合には、許可を依頼せずにヒアリングに入りましょう

抵抗の排除アプローチ(無関心を克服する)

ヒアリングに移る前に解消しておかなければならないのが、お客さまの無関心です。お客さまの反応が弱かったり、面談を早めに切り上げたがっているような状況です。お客さまに無関心の兆候があったら、克服するためのアプローチをとりましょう。

    ◎無関心を克服するための3つのステップ
    ①お客さまが想定している理由を確認:お客さまの断り文句や断る理由をまず聞き出します
    ②お客さまの想定を覆す根拠・事例の提示:根拠をもとに、断る理由を切り返します
    ③再度ヒアリングを依頼:①②の結果、お客さまが話を聞く気になってきたら、再度ヒアリングを依頼

コツ・留意点

コツ・留意点です。営業におけるアイスブレイクでは、避けた方が無難な話題もあります。

例えば、政治に関する話題や、好きなスポーツチームに関する話題、好きな芸能人に対する話題など、場合によっては相手と意見が対立してしまう可能性がある話題は避けましょう。また、相手が興味を持つかがわからない話題や、会社や仕事に関する不満や競合企業の悪口など、ネガティブな話題も避けた方が良いでしょう。

いくら話が盛り上がったとしても、会社の信頼を損なってしまっては、本末転倒になってしまいます。商談相手とコミュニケーションを取る際は、信頼を損なうことがないように注意しましょう。

さいごに

本記事では、営業におけるアイスブレイクの意味や目的、商談アプローチの初期における信頼構築のコツについて紹介しました。

商談アプローチの初期のタイミングで、相手の緊張感や警戒心を解きほぐし、信頼関係を構築することができれば、その後の商談全体の流れ(ヒアリングや提案、クロージングなど)も円滑に進めることができるようになります。たかがアイスブレイク、と思わずに、上記で紹介した10ステップを実践し、信頼関係の構築に努めましょう。

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