マーケティング用語を解説します|「い」から始まる用語編

マーケティング用語の多くはカタカナ用語であり、種類が多く、類似している用語も多いです。新しい用語も頻繁に登場するため、意味がよくわからないまま使っている用語も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、マーケティングや営業の現場で耳にすることが多い基本的なマーケティング用語を中心に、その意味を解説していきます。

「い」から始まるマーケティング用語

今回は、マーケティングに関する基本的な用語を中心に、「い」から始まるマーケティング用語についてまとめました。ぜひ、参考にしてみてください。

イグノアレート(無視率)

イグノアレート(無視率)は、ラテン語の「ignorare(知らない、無知である)」から派生した単語で、直訳すると「無視する」という意味になります。

BtoBマーケティングでは、マーケティングが創出して渡した案件(MQL)のうち、営業がフォローしなかった案件の割合を指します。SAL(Sales Accepted Lead)率の反対語として用いられます。

イノベーション

イノベーションとは、新しいアイデアや技術、製品やサービスを創造することによって、社会や経済に大きな影響を与えることを指します。

イノベーションには、大きな変革をもたらす「ラジカルイノベーション」と、少しずつ改善を加えていく「イノベーションの継続」の2つの種類があります。

イノベーションは、企業が新製品や新サービスを開発して競争力を高めたり、社会が新たな課題に対して解決策を生み出すために必要な活動とされています。現代においては、デジタル技術の発展により、イノベーションがより加速するようになっています。

イノベーションのジレンマ

イノベーションのジレンマとは、「既存の強み」と「新たな可能性」という2つの要素が相容れず、イノベーションを成功させるための難題を指します。

例えば、新しい技術や製品が開発される際に、既存の製品や技術を手放すことができない企業が存在します。また、市場が既に成熟している場合に新しい製品や技術を導入することができず、イノベーションの道を進むことが困難になってしまうこともあります。

このように、企業や社会にとって大きなチャンスとなる新たな可能性に対して、既存の強みに固執することがジレンマとなり、イノベーションの障害になることがあります。

イノベーションのベルカーブ

イノベーションのベルカーブは、イノベーションが導入される市場において、イノベーションの採用率が時間の経過と共にどのように変化するかを表すグラフです。

グラフの形状がベルカーブになることから、このように呼ばれます。初期段階ではイノベーションの採用率が低いものの、時間とともに増加し、一定のピークに達した後、徐々に低下します。

このグラフは、製品のライフサイクルを表すためにも使用されます。

イノベーター

イノベーターとは、新しいアイデアや製品、技術を先駆者として発展させ、導入する人のことを指します。具体的には、市場に先立って新しい製品やサービスを開発し、先進的なテクノロジーや方法論を積極的に取り入れ、新しいビジネスチャンスを模索することが特徴とされています。

彼らは、市場におけるイノベーションの導入をリードすることが多く、事業や産業の成長に大きく貢献しています。

イノベーター理論

イノベーター理論とは、ある製品やサービスが成熟するまでには、新しい技術やアイデアをいち早く採用する「イノベーター(先駆者)」が存在する必要性を説明する理論です。

イノベーターは、新しい技術やアイデアに興味を持ち、早期にその製品やサービスを採用します。その後、イノベーターに続く「アーリーアダプター(早期採用者)」や「マジョリティ(大衆)」といったグループが、製品やサービスに徐々に興味を持ち始めます。

このようにして、製品やサービスの市場が徐々に成熟していくとされています。

イベントマーケティング

イベントマーケティングは、ある特定の目的や目標を達成するために、イベントを活用したマーケティングの手法です。通常、企業はイベントを開催し、直接消費者にアプローチして、その製品やサービスを紹介し、販売促進を行います。

また、イベントを通じて、消費者とのコミュニケーションやブランドイメージの向上、顧客獲得・維持を目的とすることもあります。

イベントマーケティングは、展示会、セミナーやワークショップ、試食会やサンプリングイベント、スポーツイベントなど様々な形態があります。

インサイドセールス

インサイドセールスは、企業が顧客との商談をインターネットや電話などで行う営業活動のことです。リモートで行われることが多いため、コストや時間の面で効率的です。

代表的な活動内容としては、リードの発掘やフォローアップ、商談の進捗管理やクロージングなどがあります。また、インサイドセールスの成功のためには、効果的なコミュニケーション能力や協調性などが求められます。

インサイドセールスについては、別記事「インサイドセールスとは?求められる役割やKPIの設定方法について理解しよう」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

インセンティブ

インセンティブとは、行動や成果を促すために与えられる報酬のことで、モチベーションを高める効果があります。

例えば、営業マンに対して、売上目標を達成した場合に高額なボーナスを与える、従業員が勉強会に積極的に参加した場合に、昇給や賞与の特典を与える、などが一般的なインセンティブの例です。

インセンティブをうまく設定することで、従業員のモチベーション向上や生産性向上に繋がることが期待されています。

インタラクティブ

インタラクティブとは、相互に働きかけることを指します。コンピューター関係の言葉として、ユーザーがコンピューターやスマートフォンの画面上で表示された情報に対して操作や反応を行い、情報のやり取りを行うことを表します。

例えば、ゲームやSNSなどでのユーザーの操作や反応は、インタラクティブな形で行われています。最近では、AIやIoTの技術も発展し、より多様でリアルタイムなインタラクションが可能になっています。

インターネットリサーチ(ネットリサーチ)

インターネットリサーチは、インターネット上で行う調査のことを指します。特に、個人や企業が行う市場調査や顧客調査、競合調査などに活用されます。

一般的には、検索エンジンやSNSなどを利用して情報を収集し、その分析結果をもとに将来のビジネス展開やマーケティング戦略の策定などに役立てます。

ただし、インターネットリサーチでは、ネット上の情報の正確性や信頼性などが問題となることがあるため、注意が必要です。

IMC(インテグレーテッドマーケティングコミュニケーション)

IMC(インテグレーテッドマーケティングコミュニケーション)は、企業がマーケティング戦略を策定する際に用いる手法の1つで、広告、プロモーション、販売促進、パブリシティ、直接マーケティングなど、異なるコミュニケーション手法を組み合わせて、1つの効果的なマーケティングコミュニケーション戦略を構築することです。

マスメディア(テレビ・ラジオ・雑誌・新聞)での広告だけでなく、電話、FAX、インターネットなど、複数のコミュニケーション手法を統合的に活用することで相乗効果を生み出し、マーケティングコミュニケーションの効果を最大化しようとする考え方です。

IMCの導入により、企業はマーケティング予算の削減や、スムーズなコミュニケーションの促進などの効果を期待できます。

インテントデータ

インテントデータとは、検索エンジンでの検索履歴やアクション、Webページの閲覧履歴、ソーシャルメディアの投稿やコメントなどから、ユーザーが関心を持っていると思われるトピックや製品についての「意図」について把握できるデータのことを言います。

マーケティング分野では、インテントデータを収集、分析することで、ターゲット層がどのような製品やサービスに関心を持っているのかを把握し、ターゲットに合わせた広告やコンテンツを配信するための情報として活用されています。

インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティングとは、顧客が自発的に企業に関心を持ち、アプローチしてくるマーケティング手法のことを指します。

具体的には、企業が有用な情報を提供することで、顧客に興味を持たせ、自社にアプローチしてくることを目的としています。

そのため、SEO対策やコンテンツマーケティング、SNS活用、メールマーケティング、CRM(顧客関係管理)などの手法を活用して、顧客との関係を構築し、成果を出すことが重要となります。

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングとは、有名人や専門家などの「インフルエンサー」と呼ばれる人物を利用して、自社製品やサービスの宣伝やPRを行うマーケティング手法です。

例えば、SNS上でインフルエンサーが商品やサービスを紹介することで、認知度や信頼性の向上、購入意欲の喚起などの効果が期待されます。

最近では、自社の商品やサービスに詳しく、影響力のあるSNS上の個人やブロガーに協力を依頼することも増えています。

インプレッション

インプレッションは、広告やウェブページなどがユーザーの画面上に表示された回数を表します。一人のユーザーが同じ広告やウェブページを複数回見た場合でも、それぞれを別々のインプレッションとして数えます。

広告の効果を評価する上で重要な指標の一つで、広告表示回数の多さを示すときに用いられます。

インフィード広告

インフィード広告とは、Webページ内のフィードや掲載記事内に流れる形で表示される広告のことです。ユーザーに広告が自然な形で目に入るため、クリック率が高いのが特徴です。

また、ニュースサイトやSNSなど、多様なサイトで採用されているため、ターゲット層に合わせた配信が可能です。

EC(イーコマース:電子商取引)

EC(イーコマース:電子商取引)とは、インターネット上であらゆる商品やサービスを売買することを指します。具体的には、オンラインストア、オークションサイト、デジタルコンテンツ販売サイト、フリマアプリなど、さまざまな形態が存在しています。

イーコマースの普及により、24時間いつでも購入ができる、手軽に商品を比較検討できる、あらゆる地域から商品を販売できるなどの利点があります。

ただし、個人情報や決済情報がネット上でやりとりされることから、セキュリティの確保や偽サイトからの詐欺などのリスクも考慮する必要があります。

EFO(イーエフオー/エントリーフォームオプティマイゼーション)

EFO(エントリーフォームオプティマイゼーション)とは、ウェブサイト上のフォーム(応募フォーム、お問い合わせフォームなど)を最適化する手法のことです。

主に、フォームの設計や文字・ボタンの色・配置などを変えることで、フォームへのアクセス数や入力完了率を向上させることを目的としています。EFOによる最適化は、見込み顧客データの収集・分析にも役立ちます。

因子分析

因子分析とは、多変量解析の一つで、多数の変数に対して、その中の共通する要素を抽出して因子としてまとめることで、データの要約と簡略化を行う手法です。具体的には、多数の質問項目から共通する因子を抽出し、それを主成分分析などの手法で分析することができます。

因子分析は、社会調査や心理学、ビジネス分野などで幅広く利用されています。

さいごに

以上、今回はマーケティングや営業の現場でよく使われるマーケティング用語について「い」から始まる用語編と題し、お届けしました。次回は「う」から始まるマーケティング用語についても解説したいと思います。

さいごになりますが、当社ではBtoBマーケティングの業務に役立つお役立ち資料を複数ご用意しております。マーケティングの基礎知識と実践方法を体系的にまとめたお役立ち資料などもご用意しておりますので、ご活用いただければ幸いです。

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