KPIツリーとは?〜目的・作り方を解説します〜

KPIツリーとは、最終的に目指したい目標であるKGIを達成するために、どのKPIをどの水準まで調整すれば良いのかを構造的に把握・整理するためのフレームワーク(考え方)です。

この記事では、

  • KPIツリー作成の目的
  • KPIツリー作成の方法
  • を分かりやすく解説いたします。

    KPIツリー作成のメリット・デメリットについては以下の記事で詳しく解説していますので、以下の記事も合わせてご覧ください。
    KPIツリー作成のメリット・デメリット

    KPIツリー作成の目的と作り方

    まず初めに結論をお伝えします。
    KPIツリー作成の目的は、目標であるKGIを達成するためにボトルネックとなっている指標を特定し、その指標に影響を与える行動はなにか?を視覚的に表現をすることです。

    また、作り方は以下の5つのポイントを押さえることが大切です。

    1. すべての要素が四則演算で関係性を説明できること
    2. 単位を明確にすること
    3. 上流=遅行指標→下流=先行指標となっていること
    4. 要素が計測可能であること
    5. 要素がMECEであること

    4.〜5.はKPIが適切に設定されているかとおよそ同義です。KPIの適切な設定方法については、「KPIの適切な決め方」にて詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

    それでは、詳しく内容を見ていきましょう。

    KPIツリーとは

    そもそもKPIツリーとは、最終目標であるKGIがどういう要素(=KPI)で構成されているのかを分解し、KGIとKPIの関係性をツリー状に整理・可視化した図のことです。
    KGI達成をするための成功パス(=KPI)を特定することを目的としています。

    以下が営業組織におけるKPIツリーの一例です。

    このKPIツリーを見ると、商談件数というKGIを伸長させるためには、未契約顧客あるいは新規顧客いずれかのアポ件数を伸長させることが必要だということが一目瞭然です。

    このように「KGIがどんなKPIで構成されているのか」「どのKPIを伸長させると、KGIにどのくらい影響があるのか」を構造的かつ視覚的に明らかにすることがKPIツリーの役割です。

    KPIツリーを作成する目的

    KPIツリーを作成する目的は、KGIを達成するためにはどのKPIを伸ばすべきかを明らかにし、そのKPIを伸ばすためにはどういう行動をするべきかを分かりやすくすることです。

    KPIツリー作成の方法は後述しますが、KPIツリーを作成すると最終的に「具体的なアクション」にまで分解されます。KGI→KPI→…→アクションというように、KGI達成のためにどんな行動を推進すれば良いのかが明らかになります。

    具体的な行動が明らかになれば、あとは行動の結果としてのKPIが想定の水準に達しているかをモニタリングして、行動のチューニングをしていくことになります。

    このように、KGIという大きな目標を達成するための日々の行動を具体的かつ細かな調整ができるようにすることがKPIツリー作成の目的です。

    KPIツリーを作成する方法

    KPIツリーを作成する方法、KPIツリー作成のポイントをご紹介します。

    KPIツリー作成方法1.すべての要素が四則演算で関係性を説明できること

    KPIツリーは、KGIを目的変数として要素をKPIとして分解していった結果です。
    つまり、構成要素であるすべてのKPIが四則演算(+、−、×、÷)で関係性を説明できなければ、ツリーのロジックが破綻しているということになります。

    最も分かりやすい例でいうと、
    [売上]=[顧客数] × [単価] のように、[売上]を[顧客数]と[単価]の四則演算(この場合は掛け算)で説明することができていることがKPIツリー作成のポイントです。

    KPIツリーの中に四則演算の計算式に組み入れることのできない要素があれば、それはKPIツリーが正しく分解できていないことを意味するので、分解を見直したほうが良いでしょう。

    KPIツリー作成方法2.単位を明確にすること

    KPIツリー作成の2つ目のポイントは、各要素の単位を明確にすることです。

    KPIツリーにおいて単位を明確に設定することは非常に重要です。
    単位を明確にするとともに、四則演算の結果が設定した単位で正しいのかをチェックすることも重要です。

    具体的な事例でご説明します。人材紹介会社の売上のKPIツリーを事例にご説明します。
    前提として人材紹介ビジネスは、後課金のビジネスモデルで紹介した人材が入社決定した後に、入社決定した人材の理論年収の約30%が売上となることが多いです。

    このKPIツリーでは、「円」「人」「枚」「率」という単位が登場しています。
    単位が変換されているところに赤枠をつけています。左から、
    ・[売上(円)]=[決定人数(人)] × [決定単価(円)] ・[推薦人数(人)=[求人枚数(枚)] × [1枚あたり推薦枚数(枚)] という2箇所で単位が変換されていることがわかると思います。

    このような単位変換が行われているところにおいて、四則演算の結果として正しい単位が設定されているかどうかをチェックすることはKPIツリー作成において非常に重要です。

    単位設定が正しいかどうかの確認は、KPIツリー作成の後に実際の数値を入れて計算してみるという方法が簡単かつ正確でおすすめです。

    KPIツリー作成方法3.上流=遅行指標→下流=先行指標となっていること

    KPIツリー作成の3つ目のポイントは、KGIに近い上流には遅行指標。KGIから遠い下流には先行指標が配置されていることです。

    もう一度、人材紹介会社のKPIツリーを例にご説明します。
    KGIが配置されている左側が遅行指標で、右側に行くほど先行指標となっています。
    具体的には、遅行指標である「内定」の先行指標として、「面接合格」があるというような関係性がすべての指標において成立しています。

    コツは、ビジネスプロセスの時系列に沿って指標を分解していくことです。計算式で考える前に率以外の指標をビジネスプロセスに沿って、一つ一つ分解していけば、必ず「遅行指標→先行指標」と分解できるはずです。

    KPIツリー作成方法4.要素が計測可能であること

    KPIツリー作成の4つ目のポイントは計測可能であることです。

    KGI達成のために、KPIツリーの各要素を積上げていくことになりますが、計測できない要素が混ざっていると、その要素以降の遅行指標が計算できなくなります。

    計算ができないと、実際には存在している指標であってもKPIツリーにおいては無意味な指標となってしまいます。できる限り計測可能な要素でKPIツリーを構成しましょう。

    KPIツリー作成方法5.要素がMECEであること

    5つ目のKPIツリー作成のポイントは、要素がMECEであることです。

    「MECE」とは、「モレなくダブりなく」という意味で、以下の単語の頭文字を取っています。

    • Mutually|お互いに
    • Exclusive|重複せず
    • Collectively|全体として
    • Exhaustive|網羅的である

    KPIツリーの中に漏れがあると、KGI達成のための変数が足りていないことになるのでKGI達成の見立ての精度が下がってしまいます。

    逆に重複が存在すると、同じ指標をダブルカウントすることになるため、こちらも見立ての精度が下がってしまいます。

    【参考】KPIの適切な設定方法:MECEに分解する

    さいごに

    KPIツリー作成の目的と作成方法を解説しました。

    KPIツリーをどれだけ正確に作成することができるかは、事業の成否に大きく影響します。事業運営をする上で、施策など手段を検討することに頭を使ってしまいがちですが、そもそもなぜその施策をやるのか?その施策をやるとKPIツリーのどこに寄与するのか?を構造的に明らかにすること(目的の設定)が優先課題です。

    ぜひ、KPIツリーを作成して適切なマネジメントをしていきましょう。

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