MA(マーケティングオートメーション)ツール導入・選定に失敗しない手順とコツ

MA(マーケティングオートメーション)ツールは1990年代にアメリカで登場し、2010年代には日本にも上陸、注目されるようになりました。それから10年近く経ち、MAツールはデジタルマーケティングの実施のために多くの企業で導入されています。

企業が効果的なマーケティング施策を実施するためには、適切なMAツールの選定が欠かせません。しかし、MAツールには国内製、海外製を問わず数多くのツールが存在し、自社にとって適切なMAツールを選ぶには慎重な計画が求められます。

本記事では、MAツールの導入・選定に失敗しないための手順とコツについて詳しく掘り下げ、ポイントを解説します。MAツールの導入を検討している方や、既に導入済みで効果を上げたいと考えている方にとって、貴重な情報となるでしょう。

MA(マーケティングオートメーション)とは

MA(マーケティングオートメーション)は、企業が複雑なマーケティングプロセスを効率化・自動化し、ターゲットとの的確なコミュニケーションを構築するためのツールです。潜在顧客との関わりをトラッキングし、それに基づいて適切な情報やコンテンツを配信することで、見込み客の購買意欲を高め、リードの獲得から育成を行うことができます。

MAツールを活用することで、自動化されたキャンペーン(シナリオやワークフロー)の展開や見込み客の行動履歴(webアクセス履歴やメールの開封履歴など)が可視化できるため、従来の手動プロセスに比べて効率的かつ効果的なマーケティングや営業のアプローチを行うことが可能です。

MAツールの導入メリットや使い方については、別記事「MA(マーケティングオートメーション)とは?導入するメリットと使い方をわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

製品としてのMA(マーケティングオートメーション)は、様々なマーケティング業務に必要なアプリケーション(例えば、メール配信、フォーム作成、webアクセス解析、シナリオやワークフロー、顧客管理、CMSなど)が一つのツールで全て利用できるようになっているものを指します。

ただし、MA(マーケティングオートメーション)ツールを提供するベンダーは数多く存在し、各ベンダーが提供するMAツールごとに実装されている機能が異なっている状況です。そのため、MAツールの導入・選定に失敗しないためには、導入目的の達成と自社業務遂行の妨げにならないこと、この二つの条件を満たす必要があります。

MA(マーケティングオートメーション)ツール導入・選定に失敗しない手順

MA(マーケティングオートメーション)ツール導入・選定における失敗を避け、MAツールから最大限の価値を引き出すためには、選定プロセスについて慎重に検討し、ビジネスのニーズにフィットするツールを選ぶことための計画と戦略が必要です。

以下に、MA(マーケティングオートメーション)ツール導入・選定に失敗しない手順を紹介します。

①:導入目的を決める

マーケティングオートメーションツールの導入にあたっては、まず明確な目的を設定することが重要です。例えば、CVRの向上、アプローチする見込み客の優先順位の可視化、フォローアップの抜け漏れ防止、ウェビナー運営の効率化、メール配信業務やフォーム作成業務、リスト作成業務などの作業効率化など、実現可能な目標を明確にしましょう。

②:現状業務を洗い出す

現行の業務プロセスを詳細に把握し、どの部分が自動化や効率化が可能かを洗い出します。これにより、具体的な課題や改善ポイントが浮き彫りになります。

③:導入目的の達成に必要な業務を洗い出す

導入目的を達成するために必要な業務をリストアップします。これにより、どの機能や機能が必須かを理解し、後のステップで適切なツールを選定できます。

④:②、③の業務の実施・省力化に必要な機能条件を決める

必要な業務を実現するための具体的な機能条件をリストアップします。これにより、ベンダーとのコミュニケーションやツールの比較が容易になります。

⑤:②、③の業務の実施・省力化ができない場合には導入しない

現行業務が既に十分に効率的であり、導入しても大きなメリットが見込めない場合は、MAツールの導入を見送ることも一つの選択肢です。無理に導入するよりも、自社の運用ニーズにマッチするかどうかを冷静に検討しましょう。

⑥:ベンダーにデモを依頼して必要な操作手順を確認する(利用者同席必須)

ベンダーにデモンストレーション形式でMAツールを紹介してもらい、実際の操作手順やインターフェースを確認します。利用者が同席することで、実際の運用イメージをより具体的に把握できます。

⑦:社内運用できるMAツールを選ぶ

最終的には、企業のニーズや運用状況に適したMAツールを選定します。社内のユーザビリティや拡張性、カスタマーサポートなども考慮し、継続的な成功を約束するツールを選ぶことが重要です。

コツ・留意点

MA(マーケティングオートメーション)ツール導入・選定時のコツ・留意点です。

MAツールが得意なのは業務の自動化と省力化

MA(マーケティングオートメーション)ツールは、業務の自動化と省力化が得意なツールです。重複作業の削減やルーチン業務の自動化により、効率的かつ効果的な運用が可能です。導入前に、具体的な業務プロセスを確認し、ツールがどれだけ効果的に業務を補完できるかを評価することが大切です。

MAツールでない方が良いケース

一方で、MAツールが必ずしも適しているわけではありません。業務が既にスムーズに運用されており、特に自動化や省力化が求められていない場合や、導入にかかるコストが見合わない場合は、MAツールを導入しない方が良いケースもあります。無理な導入はリソースの無駄使いにつながる可能性があるため、慎重な判断が必要です。

MAツールはコンテンツマーケティングと相性が良い

コンテンツマーケティングを展開する企業にとって、MAツールは非常に有益です。MAツールを使用することで、ターゲットオーディエンスに合わせたパーソナライズされたコンテンツを自動的に配信できます。また、リードの行動履歴を分析し、適切なタイミングで適切な情報を提供することができます。コンテンツマーケティングを強化したい企業は、MAツールを活用することで戦略的な成果を上げることが期待できます。

コンテンツマーケティングについては、別記事「BtoBのコンテンツマーケティング|見込み客を獲得するために押さえておきたい4つのポイント」に詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

さいごに

MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入・選定は、慎重な検討と計画が欠かせません。まず初めに、導入の目的をしっかりと把握し、現状の業務プロセスや課題を正確に洗い出すことが重要です。企業の規模や業種によって必要な機能や適したツールは異なりますので、一概にどのツールが最適かといった絶対的な答えは存在しません。

次に、デモやトライアルを活用して複数のツールを比較検討し、実際の操作手順や利便性を確認することが大切です。ベンダーとの対話や実際の使用感を通じて、導入後の運用や管理がスムーズに行えるかどうかを判断することができます。

MAツールの導入は単なるツールの変更だけでなく、マーケティングプロセスや顧客との関係構築において大きな影響を与える可能性があります。従って、チーム全体での共有とトレーニングを通じて、ツールの有効活用を図ることが成功への鍵となります。MAツールの導入は長期的な視点で捉え、ビジョンに基づいた選定を心がけましょう。

さいごになりますが、当社ではMA(マーケティングオートメーション)ツールの導入・活用を支援しています。また、MA(マーケティングオートメーション)でのコンテンツ発信を支援するコンテンツマーケティング支援サービスのプランもご用意しております。

MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入・活用を支援してほしい、あるいはMAでのコンテンツ発信を支援してほしい、という方はお気軽にお問い合わせください。

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