新規事業の立ち上げに役立つフレームワークについてわかりやすく解説します

新規事業を立ち上げようと思っても、「何から取り組めばいいのだろう?」「結局何をすればいいのだろう?」など様々な疑問が出てくるのではないでしょうか。

今回は、ゼロから新規事業を立ち上げる際の一般的なステップと、それに役立つフレームワークについて解説します。

新規事業立ち上げの流れは?

まずは新規事業立ち上げの大まかな流れを把握しておきましょう。ここでは、事業立ち上げ時の流れを6段階にわけ、それぞれについて解説していきます。

事業成立条件の確認

新規事業を立ち上げ、継続させるためには、経営陣に価値を判断してもらえるだけの基準を満たさなければなりません。この条件が、事業成立条件となります。

事業成立条件は、経営陣の考え方や保有している経営資源の大小によって変化しますが、経営層の意思決定の際に問われるのは、大凡以下の3つの観点です。

    ・事業性:この事業は収益を上げられるのか
    ・実現性:この事業は現実的に構築できるのか
    ・取り組む意義:この事業は取り組む意義があるのか

例えば、A社では

    ・事業性:5年以内に10億円の収益を上げられる事業になるか
    ・実現性:それだけの市場ニーズがあるか、販売・サービス提供体制は整うのか
    ・取り組む意義:事業は取り組む意義があるのか(金を稼ぐことだけが目的になっていないか)

が事業成立条件となり、事業を継続するためには、ステークホルダー(利害関係者)にそれらの根拠の説明と実績の証明が必要があります。

そのため、新規事業立ち上げについて検討する際には、まずは自社の事業成立条件について経営陣に確認を行い、認識合わせをするところから始めましょう。

アイデア出し

事業成立条件が確認できたら、新規事業のアイデア出しに移りましょう。

アイデア出しと一言で言っても「顧客の課題はなにか」「事業を立ち上げる目的は何か」など考え方の切り口は様々です。最初から一つの正解を出すことは困難でしょう。そのため、まずは質より量を重視するのがよいとされています。

良し悪しの判断は多くのアイデアが出た後で行いましょう。アイデア出しのステップで使えるフレームワークについては、後ほど解説します。

市場調査・分析

事業の方向性が決まったら、市場性や事業性についての検討を行いましょう。関係者のアンケートや信用できるところが公開しているデータなどを集めて分析していきます。分析の際に役立つフレームワークについても、後ほど解説します。

事業(仕組み)構築

分析をもとにビジネスモデル(仕組み)を構築し、事業計画へ落とし込んでいきます。構築する仕組みの具体例として「売れる仕組み」「リスクに対処する仕組み」などが挙げられます。

また、事業計画へ落とし込んでいく際には、あわせて新規事業の撤退ライン(事業撤退の要件)についても、経営陣と認識合わせをしておくようにしましょう。

サービス化

事業の構築が完了したら、サービス化のフェーズへと移ります。サービスの分析・改善に必要なので、顧客の反応や細かいデータなど取りこぼしのないように気を付けましょう。

分析

事業継続のため、分析で得られたデータを利用し事業の改善を進めていきましょう。事業が走り出した後も、一連のプロセスを繰り返し、PDCAサイクルを回していくことが重要です。

新規事業立ち上げ時に活用できるフレームワーク

ビジネスにおいて、フレームワークとは共通して用いることができる考え方の枠組みのことを言います。フレームワークを利用することで、現状を正しく理解し効率的に分析を進められます。ここからは、新規事業立ち上げを手助けする9つのフレームワークについて解説します。

アイデア出しにおすすめのフレームワーク

◎マンダラート
マンダラートは、複雑な情報の整理や課題の可視化を実現するフレームワークです。アイデアを深堀りできたり、意外なアイデアが浮かんだりするため、アイデア発想法の定番としても知られています。

具体的な手順は以下の通りです。

    ・9マス×9マス、計81マスのマス目を書く
    ・中心のマスにテーマを書く
    ・テーマの周囲の8マスに、関連語や必要な取組みを書く
    ・外側のマスに、中心9マスに書いたことに関連することをさらに書いていく

◎ペルソナ分析
ペルソナ分析とは、「架空のターゲット像」を設定し、人物像からその人の課題や求めていることを考えていくフレームワークです。チーム全体でターゲット像が一致するよう、詳細な部分まで設定することが重要です。

◎アナロジー分析
アナロジー分析とは、他業種の成功事例を自社に適用することでアイデアを出していくフレームワークです。同業種の事例からは得られなかった新しい視点からのアイデアが出やすくなります。

アイデア整理をするときにおすすめのフレームワーク

◎ロジックツリー
ロジックツリーとは、ある事柄に対して問題点や原因などの要素をツリー状で書き出していくフレームワークです。問題を深堀、分解することで複雑な事象をとらえやすくなります。

◎MVV
MVVとは「Mission(存在意義)」、「Vision(目標)」、「Value(行動指針)」の頭文字をとった言葉です。このMVVに沿ってアイデアを整理することで、「自社だからこそ実現できる事業」を選び取ることができます。

◎ビジネスモデルキャンパス
ビジネスモデルキャンバスとは、ビジネスの構造を「顧客セグメント」や「価値提案」など9つの要素に整えるフレームワークです。この手法により、アイデアを視覚的に表現することで俯瞰して考えることができるようになります。

市場調査・分析におすすめのフレームワーク

◎SWOT分析
SWOT分析とは、自社の外部環境と内部環境をそれぞれプラス要因とマイナス要因の計4つに分類して分析するフレームワークです。各要素はStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)と呼ばれます。自社の現状や競合などを把握し、効果的なマーケティング戦略を立案する際に役立ちます。

◎3C分析
3Cとは、Customer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競争相手)の頭文字を取ったものです。これらの3つの要素を分析することで、市場の中で自社が勝つための成功要因を導き出すことができます。

◎ポジショニングマップ
ポジショニングマップとは、2つの軸からマップを作成して自社のポジションを明確にするフレームワークです。市場の中で自社がどこに位置するのか把握し、自社の強みやマーケティング施策の方向性などを明確にすることができます。

さいごに

新規事業のステップと役立つフレームワークについて解説しました。新規事業をスタートしてから、初めて気づく問題点もあるでしょう。今回ご紹介したステップを繰り返し、より良い事業に改善していきましょう。また、その都度フレームワークを活用することで、深く考えることができます。

自社にふさわしいフレームワークなどを見極め、新規事業を成功に導きましょう。

さいごになりますが、当社ではBtoBマーケティングの業務に役立つお役立ち資料を複数ご用意しております。ビジネスリーダーが知っておきたいフレームワークを中心にまとめたお役立ち資料などもご用意しておりますので、ご活用いただければ幸いです。

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