【PDCAの基本】失敗しないポイントやメリット・デメリットを徹底解説します

PDCAサイクルというビジネスフレームワークはご存知でしょうか?

PDCAのサイクルは、品質や業務の継続的な改善を目的とした品質管理・業務管理の考え方の一つです。用語自体は非常に有名なので、ご存じの方が多いと思いますが、実務においてPDCAサイクルをうまく実践できている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?

大手の企業から個人まであらゆるビジネスパーソンが身につけておくべき、基本のフレームワークですので、改めて基本に立ち返り、自身の実務においてPDCAサイクルを活用できているか点検しましょう。

PDCAサイクルはもう古い?PDCAの基本や失敗しないポイント

PDCAサイクルは第二次世界大戦後から提唱されている考え方と言われています。
とても歴史の長いフレームワークなので、「PDCAサイクルはもう古い考え方なのでは?」と疑念を持たれている方もいらっしゃると思います。

結論から言いますと、PDCAサイクルは古い考え方ではなく、今の時代にも有効な考え方だと言えます。考え方が古いのではなく、「正しく理解して正しく実践できていないから効果が十分に発揮されていないだけ」だと考えています。

以下に、PDCAサイクルを正しく理解して正しく実践するためのポイントをまとめましたので、ぜひご覧ください。

【PDCAサイクルを上手に活用するためのポイント】
✓PDCAサイクルは、継続的な業務・品質改善の手法である
✓PDCAサイクルのメリットは、業務改善の観点・水準・頻度が明確になること
✓PDCAサイクルのデメリットは、非常に短いスパンでの改善やイノベーティブな取り組みには向いていないこと
✓PDCAサイクル実践のポイントは、「定量的かつ現実的な目標」と「具体的かつ実行される計画」を設計すること

PDCAサイクルの成り立ち

PDCAサイクルは、アメリカの統計学者であるウォルター・シューハートが1950年代に日本で統計的品質管理について講演をした際の内容を受けて、日本にも広まった考え方です。

ウォルター・シューハート氏は品質管理や生産性についての研究を行っており、PDCAサイクルが品質や業務改善の考え方であることはこの事実からも推察できると思います。

PDCAサイクルの基本的な考え方と実践のポイント

では、PDCAサイクルの基本的な考え方と実践する際のポイントについて解説していきます。
P・D・C・Aの各意味を解説します。

Plan|計画立案

まず最初に、目標と実行計画を立てます。

・目標…定量的かつ達成可能な目標を立てる
・実行計画…具体的かつ詳細な計画を立てる

目標は人によって解釈がぶれないように定量的な指標(数値)で設定しましょう。定量化するのは「いつまでに(期限)」「どのくらいを(水準)」目指すのかの2つの観点を参考にしてみてください。

目標水準の設計においては、定めた期限までに到達しうるギリギリ現実的なラインを定めるのが良いでしょう。到底到達できないような非現実的な水準を設計した場合、後の工程で振り返る際に「計画が悪かった」という評価となってしまい、適切な改善計画を検討しづらくなるからです。

また、実行計画については具体的かつ詳細な計画を立案しましょう。誰が・いつ・どうやって、という5W1Hで考えるのが良いでしょう。具体的で詳細な計画でないと、実行の達成度が下がったり、想定していない実行のされ方が発生してしまうことがあります。

誰の目から見ても、定義がぶれない目標と実行計画を立てましょう。

Do|計画実行

計画を立てたら、実行です。実行はただ実行すればいいわけではありません。

実行する際には、実行結果を評価できるように実行することがポイントです。
せっかく実行しても、結果を評価しづらい、あるいはできないことがあります。そうならないように以下のことに注意して実行しましょう。

・計画通りに実行する
・複数の検証を同時に行わない
・定量的な結果も得られるように記録をしながら実行する
・計画通りに実行できない場合、理由やその時の判断を記録しておく

立てた計画に従わなければ計画の意味がありませんし、検証観点を複数同時に検証してしまうと、結果に影響する因子が複数発生してしまい、何が影響してその結果が得られたのかが分かりづらくなります。

また、実行計画の時点で設計しておくべきことですが、実行した行動が定量的に振り返れないと定性的な事実だけで評価をくださなければならず、評価を誤ってしまうリスクが残ります。
数値で記録できるものはできる限り全て記録するくらいの考え方がベストです。

Check|結果評価

計画の実行が終わったら、実行して得られた結果を評価しましょう。

評価する際には「定量」「定性」の両面から評価することがポイントです。
評価をする主な観点は、以下を参考にしてみてください。

・実行計画通りに実行できたか(計画の遂行率)
・立てた目標通りの実績が得られたか(目標の達成率)

つまり、「遂行した/しなかった」「達成した/しなかった」の2段階で評価します。
まずは遂行率を定量で評価し、未遂行の場合は、担当者の意識なのかやろうとしたが遂行を妨げる外的要因があったのかを確認して定性の評価も加えます。

遂行できている場合、定めた目標の水準に到達しているか否かを定量で評価します。未達成の場合は、計画通りに実行したのに達成できなかった理由をヒアリングして、定性の評価を加えます。

遂行と達成の2段階で、定量と定性の2観点をもって、得られた事実としての結果が良かったのか、悪かったのかを評価します。
定量的には未達成だが、外的要因やそもそもの目標設計が悪かった場合には、未達成であること自体は悪いとは評価されないでしょう。このように、定量と定性の両面をもって評価しないと、結果を見誤るリスクがあるので注意しましょう。

Action|改善

最後は改善点の検討です。
「Check」のプロセスで得られた評価を基準にして、
・計画の継続
・計画(目標、実行方法)の変更
・計画の中止
を、まずは判断します。

計画の変更となった場合には、何をどのように変更するのを「Plan」のプロセスで検討したようなやり方で検討します。

PDCAサイクルのメリット

PDCAサイクルのメリットについて解説します。
PDCAサイクルのメリットは、業務改善の観点・水準・頻度が明確になることです。

「Plan」のプロセスで、
・結果をどういう観点で評価するのか
・結果がどういう水準に達していたら良しとするのか
・どういう頻度で結果を評価するのか
を設計しますので、「Plan」のプロセスを経ることで、業務改善の観点・水準・頻度が明確になります。

計画を実行して得られる結果は事実でしかありません。事実を「良かった」「悪かった」とラベリングするのは、評価です。この評価は基準がないと人によって評価結果が異なってしまい、PDCAサイクルが回らず、一向に業務が改善されなくなってしまいます。

よって、PDCAサイクルの「Plan」のプロセスで業務改善の観点・水準・頻度を設計することで、業務改善が前に進みやすくなるというメリットがあります。

PDCAサイクルのデメリット

では、PDCAサイクルにはデメリットはないのでしょうか?

結論、PDCAサイクルにもデメリットはあります。
ただし、使うことでネガティブな結果が得られるというよりも、PDCAサイクルにはこういう特徴があるから「PDCAサイクルを活用するシーンを留意して選んでね」という言い方の方が適切だと言えます。

PDCAサイクルのデメリットは、以下の2点です。

改善に一定の期間を要する

PDCAサイクルは、P・D・C・Aの4つの工程を経る必要があり、非常に短いスパンでの業務改善には向かないという特徴があります。

日次・週次で結果を確認し改善をしていくような「走りながら考える」施策においては、PCDAサイクルを回す方が非効率となります。

PDCAのサイクルの目的は、品質や業務の継続的な改善だとご説明したとおり、継続的に特定の物を磨き込んでいく時に適したフレームワークです。

既存施策・前例の延長線上の改善になる

「PDCAサイクルを採用すると前例主義的になる」というような表現をされることもありますが、PDCAサイクルはイノベーションを求める場合には向かないという特徴もあります。

PDCAサイクルはすでに存在する業務や品質の改善が目的なので、「イノベーションを起こしたい」という場合などは、そもそも目的がズレていることになりますので、PDCAサイクルを採用すべきではないでしょう。

以上、PDCAサイクルのデメリットをご説明しましたが、これらはデメリットというよりもPDCAサイクルという考え方を用いる場面における、向き/不向きですので、ご自身の業務にPDCAサイクルを用いる場合には「既存業務の継続的な改善」という目的に適っているかを考えて活用しましょう。

「OODAループ」という考え方

PDCAサイクルは歴史あるフレームワークなので、関連する考え方や派生系の考え方がいくつか存在します。

この記事では、PDCAサイクルが不向きだとされている「非常に短いスパンでの業務改善をしたいシーン」「イノベーションを起こしたいシーン」において、有用なフレームワークとして「OODAループ」をご紹介します。

OODAループとは?

OODAループとは、「ウーダループ」と読み、
・Observe|観察
・Orient|状況判断
・Decide|意思決定
・Act|実行
の頭文字を取った言葉です。

アメリカ空軍の大佐であったジョン・ボイド氏によって提唱された考え方です。ボイド氏はどんな不利な状況でも40秒あれば形勢逆転できたと言われており、非常に短い時間で情報整理と意思決定を繰り返し行ってきた人物です。

よって、OODAループは以下のようなシーンにおいて有用です。

・繰り返し、短いスパンで改善を行うシーン
・状況が頻繁に変化し即時に意思決定が求められるシーン

自社のビジネスが置かれている状況を踏まえて、PDCAサイクルを採用するか、OODAループを採用するか適切に判断しましょう。

さいごに

PDCAサイクルについての解説は以上です。
非常に歴史あるビジネスフレームワークですが、古くて使えないものではなくポイントを押さえて活用すれば、今でも自社のビジネスを成長させることのできるフレームワークですので、ぜひご活用ください。

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