セグメンテーションとは?マーケティングに欠かせない市場細分化について

マーケティングを行うときに、まず考える必要があるのは「誰に向けた、どんな商品やサービスを作るのか」ということです。その足がかりになるのが、顧客となるターゲットの選定です。

顧客となるターゲットの選定し、実際にアプローチを行うためには、市場を細分化(セグメンテーション)し、ターゲットの選定(ターゲティング)し、商品の価値を明確化(ポジショニング)する必要があります。これは、それぞれの頭文字からSTPと呼ばれており、マーケティング戦略を策定するための代表的なフレームワークとなっています。

本記事では、STPの第一のプロセスであるセグメンテーションに焦点を当て、詳しくご紹介していきます。

セグメンテーションとは

マーケティングにおけるセグメンテーションとは、大きな市場を細分化して、自社が戦うべき適切な市場を見極めることを指します。マーケティング戦略を策定するために行うSTPのプロセスの一つです。

顧客ニーズ・行動の分化と多様化が進んでいる現代で、自社の製品やサービスが売れる仕組みをつくるためには、自社の製品やサービスに満足してくれる客層がいる市場、かつ、競合優位性を持つことができる市場を選ぶことが大切です。

良質なセグメンテーションは、良質なマーケティング戦略につながります。セグメンテーションによって攻める市場が決まれば、営業・マーケティングの効率が上がり、売り上げアップが期待できます。また、製品やサービスの機能を必要以上に拡充することもなくなり、無駄なコスト投下を抑えることができるようになります。

セグメンテーションの実施タイミング

マーケティングプロセスは、戦略プロセスと戦術プロセスに分かれており、全体としては、主に5つのプロセスから成っています。

セグメンテーションは、2つ目のプロセスのSTPの中で行われます。STPはマーケティングプロセスの中でも、マーケティング戦略策定の中核を担うプロセスです。セグメンテーションでは、ニーズを基に市場を細分化し、標的とすべきニーズを持つ市場を特定していくことが大切です。

セグメンテーションにおける4つの軸

ここでは、セグメンテーションにおける代表的な4つの軸をご紹介します。

  • 人口統計的変数(デモグラフィック変数)
  • 地理的変数(ジオグラフィック変数)
  • 心理的変数(サイコグラフィック変数)
  • 行動変数(ビヘイビアル変数)

人口統計的変数(デモグラフィック変数)を活用したセグメンテーションは、年齢、性別、所得、職業などを切り口に市場を細分化する方法です。ライフステージで処方を変える化粧品などは、この切り口で市場を細分化することも効果的です。

地理的変数(ジオグラフィック変数)を活用したセグメンテーションは、都道府県、国内・海外などを切り口に市場を細分化する方法です。関東と関西でダシの濃さが違うカップラーメンなどは、この切り口で市場を細分化することも効果的です。

心理的変数(サイコグラフィック変数)を活用したセグメンテーションは、性格、価値観、動機などを切り口に市場を細分化する方法です。アウトドアが好きじゃなくてもキャンプができるグランピングなどは、この切り口で市場を細分化することも効果的です。

行動変数(ビヘイビアル変数)を活用したセグメンテーションは、、行動、活動、知識、反応、態度などを切り口に市場を細分化する方法です。初回購入とリピート購入で値段が違うサプリメントなどは、この切り口で市場を細分化することも効果的です。

セグメンテーションでは、市場を様々な切り口で分類します。大切なことは、同質のニーズを持つ市場ごとに細かく分類していき、自社にとって意味のある層の特定を行うことです。ニーズが同一であれば、あまり細かく分ける必要はありません。

セグメンテーションの6R

セグメンテーションには、4つの軸とともに、6つのRと言われているものがあります。この6つのRも全て検討することが重要です。

  • Realistic scale(有効な規模)
  • Rate of growth(成長率)
  • Rival(競合)
  • Rank(優先順位)
  • Reach(到達可能性)
  • Response(測定可能性)

Realistic scale(有効な規模)は、その市場が利益を生み、事業目標を達成するために十分な市場規模を持っているかを見極めることを指します。

Rate of growth(成長率)は、現在の市場規模だけでなく、将来の市場規模を考慮することを指します。市場の成長期に上手く参入することができれば、比較的短期的に売上やシェアを拡大するチャンスが生まれれるためです。

Rival(競合)は、競合の参入状況を考慮することを指します。参入企業が多く競争が激化している、もしくは今後激化する可能性が高い場合、開発費やマーケティング費など、多大なコストが必要となり、収益性が低下する可能性があるためです。

Rank(優先順位)は、自社の商品やサービスにマッチするセグメントが複数存在する場合には、優先順位を考慮することを指します。インフルエンサーや口コミ発信者に対しては、優先順位を上げて対策を講じる、などです。

Reach(到達可能性)は、ターゲットに直接アプローチできるかどうかを考慮することを指します。セグメンテーションを行っても、その市場にアプローチする手立てがなければ、マーケティング活動に利用することはできません。また、手立てはあるものの構築されていない場合、新たに構築するための費用も考慮しなければなりません。Reach(到達可能性)は、マーケティングの施策を行うにあたり、影響が大きい要素です。

Response(測定可能性)は、顧客の反応を測定できるかどうかを考慮することを指します。マーケティング活動を行なった結果が計測できなければ、正しいセグメンテーションにアプローチできているのかどうか、判断することができません。また、マーケティングアプローチの精度を改善するためにも、顧客の反応が計測できなければなりません。Response(測定可能性)も、マーケティングの施策を行うにあたり、影響が大きい要素です。

6Rを考慮したセグメンテーションを行い、自社にとって魅力的で最適な市場を選びましょう。

セグメンテーションが重視される業界

セグメンテーションを大きく重視している業界のひとつに、コーヒー業界があります。「コーヒー」と一括りにしてしまうことがほとんどですが、細かく分けていくと下記のようにセグメンテーションすることが可能です。そして、これらを全て作っているメーカーはありません。

  • 家庭用コーヒー ・・・ネスカフェ
  • 缶コーヒー ・・・UCC
  • チェーン店のコーヒー ・・・スターバックス
  • コーヒー牛乳 ・・・雪印
  • コンビニコーヒー ・・・セブンカフェ(セブンイレブン)

セグメンテーションの成功事例

セグメンテーションの成功事例として、コーヒー業界におけるセブンイレブンのセグメンテーションが挙げられます。セブンイレブンは、前述したコーヒーのセグメントの中で、コンビニコーヒーにのみ注力を注ぎました。今はスタンダードになっているコンビニコーヒーですが、当時、コーヒー業界の中では新しいジャンルでした。それを確立させたのがセブンイレブンの「セブンカフェ」です。

中でも、カップを購入してから客自身にコーヒーを淹れさせる独自の「セルフ式ドリップコーヒー」方式を開発したことが大きな成功の要因になっています。現在、セブンカフェは1年間に10億杯以上を売り上げる商品となっています。セグメンテーション分析が優れていたため、大きな利益を作り出すことができた事例です。

まとめ

本記事では、STPの第一のプロセスであるセグメンテーションに焦点を当ててご紹介してきました。

STPはマーケティング戦略の要とも言えるプロセスであり、その第一プロセスであるセグメンテーションは、正にマーケティング戦略を立案するためのはじめの一歩といえるでしょう。

自社が強みを出すことができるセグメンテーションを見つけることは、中長期的なマーケティング活動を考えれば必要不可欠なことです。時間とコストを投下し、自社のマーケティングセグメンテーションをしっかりと定義しましょう。