ホワイトペーパーを活用したマーケティングで成果を上げるためのポイント

企業間取引(BtoB)においてもホワイトペーパーを活用したマーケティングは効果的だとされており、実際に、IT業界、製造業、建設業、コンサルティングなど、さまざまな業種・業界で活用されています。

本記事では、ホワイトペーパーを活用したマーケティングで成果を上げるためのポイントについてわかりやすく解説します。

ホワイトペーパーとは

ホワイトペーパーとは、企業のWebサイト上で掲載されている「お役立ち資料」や「Ebook」と呼ばれる資料のことです。Webサイトに訪れた見込み客に対し、個人情報と引き換えにダウンロードしてもらう仕組みを構築するのに役立ちます。

ホワイトペーパーは、見込み客のバイヤージャーニー上に現れる課題・疑問の解決に役立つ情報をまとめたもので、ノウハウ系、事例系、調査系など、様々な形式のホワイトペーパーが存在します。

広告やメールマーケティングなどの施策とも相性が良いため、さまざまなマーケティング施策に活用することができます。

ホワイトペーパーの概要については、別記事「ホワイトペーパーとは?作成する5つのメリットと6つの種類についてわかりやすく解説します」でも詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

ホワイトペーパーを活用したマーケティングが効果的な理由

ホワイトペーパーを活用したマーケティングが効果的な理由は、大きく2つあります。

合理的な判断を支援することができる

一つ目の理由は、合理的な判断を支援することができるということです。

企業間取引(BtoB)において、法人は製品・サービスの購入を検討する際に関係者への説明責任が発生するため、合理的に判断する傾向があります。しかし、一般向けの消費財とは違い、法人が購入を検討する製品・サービスには高額、かつ専門性の高いものが多いため、十分な検討が必要です。

そんなとき、必要な情報がコンパクトにまとめられたホワイトペーパーがあれば、ダウンロード者の情報収集の手間を省くことができ、製品・サービスの購入を検討するにあたって現れる課題・疑問の解決に役立つ情報を得ることができます。

このようなホワイトペーパーを提供することができれば、ダウンロード者が購買プロセスを進めるにあたり合理的な判断を支援することができ、効率的な商談発生につながります。

課題を推測することができる

二つ目の理由は、課題を推測することができるということです。

見込み客が持つ課題を外部から推測することは容易ではありません。しかし、ホワイトペーパーのダウンロードは見込み客による能動的な情報の取得であり、そこには見込み客自身や所属する企業の内情が投影されます。つまり、ダウンロードされたホワイトペーパーに記載されている内容を能動的に取得したいと思うような状況に置かれていることは間違いないのです。

こうした点からも、ホワイトペーパーはコンテンツを軸としたBtoB マーケティングにおいて、大きな役割を果たすツールであるといえます。

ホワイトペーパーを活用する5つの方法

BtoBマーケティングで作成されるホワイトペーパーには、大きく5つの活用方法があります。

見込み客の獲得に活用

一つ目は、見込み客の獲得に活用する方法です。

前述したとおり、ホワイトペーパーのダウンロードは見込み客による能動的な情報の取得であり、そこには見込み客自身や所属する企業の内情が投影されます。そのため、ホワイトペーパーは質の高いリードの獲得のために活用することができます。

Webサイト上にダウンロードコンテンツとして掲載し、ダウンロードを促します。また、ホワイトペーパーを無料でダウンロードできる代わりに、個人情報を登録とアプローチの許諾をもらいます。

これにより、自社の製品・サービスに関わる課題や疑問を解決したい見込み客の情報を獲得することができます。

見込み客の獲得(リードジェネレーション)については、別記事「リードジェネレーションとは?リードを獲得するための代表的な手法まとめ」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

見込み客の育成に活用

二つ目は、見込み客の育成に活用する方法です。

見込み客がホワイトペーパーの内容を理解し、製品・サービスの購入を検討するにあたって現れる課題・疑問の解決に役立つ情報を得ることができれば、製品購入の可否についても合理的な判断ができるようになります。

製品・サービスに対する理解度や課題を解決することに対する緊急度が上がることにより、購買意欲の高い有望な見込み客へと育成していくことができます。

有益なホワイトペーパーを提供することができれば、ダウンロード者が購買プロセスを進めるにあたり合理的な判断を支援することができ、効率的な商談発生につながります。

見込み客の育成(リードナーチャリング)については、別記事「リードナーチャリングとは?実施するメリットと設計する手順をわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

見込み客の選別に活用

三つ目は、見込み客の選別に活用する方法です。

バイヤージャーニーを洗い出し、ジャーニー別に対応できるホワイトペーパーを用意しておくことで、見込み客の選別に活用することができます。

例えば、購買プロセス初期の見込み客向けには、調査レポートやノウハウ系のホワイトペーパーがおすすめです。ダウンロードした見込み客が、ホワイトペーパーの内容に関連する情報を能動的に集めているという判断ができるからです。

また、顕在化している可能性の高い見込み客向けには、導入事例、稟議書のサンプル、競合比較表などの資料がおすすめです。ダウンロードした見込み客は、製品・サービスの購入を具体的に進めている可能性があると判断できるからです。

このように、ジャーニー別に対応できるホワイトペーパーを用意しておくことで、見込み客の選別に活用することができ、今アプローチすべきかの判断がしやすくなります。

見込み客の選別(リードクオリフィケーション)については、別記事「リードクオリフィケーションとは?具体的な方法を事例付きでわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

商談に活用

四つ目は、商談に活用する方法です。

ホワイトペーパーにまとめられたデータやノウハウは、営業部門が商談を行う際にも活用できます。導入事例やノウハウ集にまとめられた製品・サービスの活用方法、調査レポートにまとめられた調査結果のデータなどは、営業担当者が見込み客に商品・サービスを提案する際にも役立ちます。

商談の進め方については、無料ebook「法人営業の基本と実践」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

休眠顧客の掘り起こしに活用

五つ目は、休眠顧客の掘り起こしに活用する方法です。

休眠顧客(既に取引がなくなっている元顧客、もしくは過去に失注している見込み客)のリストにメールマーケティングを行い、ホワイトペーパーのダウンロードを促します。

ホワイトペーパーのダウンロードのためにフォームの設問項目に入力してもらうことで、顧客情報を最新の状態にアップデートします。これにより、休眠していた見込み客への再アプローチの方法を検討することができ、効果的な休眠顧客の掘り起こしを行うことができます。

尚、ホワイトペーパーをダウンロードするためのフォームの設問項目は、BANT-CHを取得できるように意識して設計しましょう。

BANT-CHについては、別記事「BANT条件(BANT-CH条件)とは?法人営業におけるヒアリングの代表的なフレームワーク」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

ホワイトペーパーを活用したマーケティングで成果を上げるためのポイント

ここからは、ホワイトペーパーを活用したマーケティングで成果を上げるためのポイントについて紹介します。

見込み客や購買プロセスについて理解する

一つ目のポイントは、見込み客や購買プロセスについて理解することです。

ペルソナバイヤージャーニーを作成することによって、見込み客や購買プロセスについて理解することができます。

効果的なマーケティングや営業を行うためには、どのような状態のお客さまに対して、どのような情報を提供し、どのような反応を引き出したいのかを事前に整理しておくことが大切です。

ペルソナについては、別記事「ペルソナ設定とは?BtoBマーケティングにおけるペルソナ設定と活用のコツ」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

バイヤージャーニーについては、別記事「バイヤージャーニーとは?作り方やマーケティングや営業に活用する方法について解説します」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

見込み客の課題・疑問の解決に役立つホワイトペーパーを複数用意する

二つ目のポイントは、見込み客の課題・疑問の解決に役立つホワイトペーパーを複数用意することです。

購買プロセスの各フェーズで発生する課題や疑問の解決に役立つホワイトペーパーが準備できているか確認してみましょう。各フェーズで発生する課題や疑問に対して準備できていないホワイトペーパーのテーマがあれば、追加作成を検討することをおすすめします。

バイヤージャーニー上で発生する課題や疑問の解決に役立つホワイトペーパーは、見込み客の課題解決に直接的な貢献ができることが理由です。前述したとおり、ホワイトペーパーのダウンロードは見込み客による能動的な情報の取得であり、課題を推測することができます。そのため、効率的な商談発生につなげるためのフォローアップも検討しやすいです。

各フェーズで発生する代表的な課題や疑問に対してホワイトペーパーを作成することは、非常に強力なマーケティングツール、そして営業ツールを作成することに他なりません。

ホワイトペーパーの作り方については、別記事「ホワイトペーパーの作り方とは?ホワイトペーパー制作の8つの手順についてわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

ターゲットやニーズ別に使い分ける

三つ目のポイントは、ターゲットやニーズ別に使い分けることです。

ホワイトペーパーは見込み客の購入プロセス上の課題や疑問を解消し、購入プロセスのフェーズを進展させることに役立ちますが、ターゲットを広く取りすぎると個々の見込み客に対するインパクトが弱まり、次の行動へ促すことができないことがあります。

ターゲットは綿密に想定し、それぞれに最適な情報提供を行う必要があります。セグメントやフェーズによっても見込み客の懸念点は異なるため、ホワイトペーパーを複数用意して、ターゲットやニーズ別に使い分けることを意識することも大切です。

タッチポイントもセットで設計する

四つ目のポイントは、タッチポイントもセットで設計することです。

素晴らしいホワイトペーパーが作成できたとしても、それを狙った見込み客に見てもらえないのであれば、ホワイトペーパーを活用したマーケティングで成果を上げることはできません。

Webサイト上で公開しておき、閲覧されるのを待つのか、それとも広告やSNSも使用して狙った見込み客に対してホワイトペーパーの存在を告知する、あるいは保有しているメールアドレスに対してメルマガやメールマーケティングで存在を告知するなど、狙っている見込み客のセグメントによって、効果的なタッチポイントは異なります。

そのため、作成したホワイトペーパーをどのようにして狙った見込み客に届けるのか、作成する内容と併せてあらかじめ設計しておく必要があります。

セグメンテーションについては、別記事「リードナーチャリングにおけるセグメンテーションの2つの方法」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

CTAを明記しておく

五つ目のポイントは、CTAを明記しておくことです。

ホワイトペーパーを読んだ見込み客が課題や疑問を解消できたとしても、次にどのような行動を取るべきか明記しておかなければ見込み客に対して不親切ですし、購買プロセスを次に進めてもらうこともできません。

そのため、CTAを明記しておくことが大切です。CTAとは、Call To Action(コール トゥ アクション)の略語で、日本語でいえば行動喚起のことです。

ホワイトペーパーにCTAを明記しておかないことは、非常にもったいないことです。ホワイトペーパーをダウンロードした方にどのような行動を促したいのか、明確にし、明記しておきましょう。

さいごに

ホワイトペーパーが有用なツールであっても、作り方や使い方を間違ってしまうと、期待する効果が見込めません。

とはいえ、正しく作成し、正しく運用することができれば、ホワイトペーパーは作成にかかるコスト以上の売上をもたらす、非常に強力なマーケティングツールになるでしょう。

さいごになりますが、当社ではSEO記事、ホワイトペーパー、メルマガなどのコンテンツ作成や運用を一括でご支援するコンテンツマーケティング支援サービスのプランをご用意しております。

ホワイトペーパーを活用したマーケティングを始めたい、あるいは当社サービスについて詳しく知りたい、という方はお気軽にお問い合わせください。

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