マーケティング用語を解説します|「え」から始まる用語編

マーケティング用語の多くはカタカナ用語であり、種類が多く、類似している用語も多いです。新しい用語も頻繁に登場するため、意味がよくわからないまま使っている用語も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、マーケティングや営業の現場で耳にすることが多い基本的なマーケティング用語を中心に、その意味を解説していきます。

「え」から始まるマーケティング用語

今回は、マーケティングに関する基本的な用語を中心に、「え」から始まるマーケティング用語についてまとめました。ぜひ、参考にしてみてください。

エヴァンジェリスト

エヴァンジェリストとは、一般的にはある思想、宗教、商品などを積極的に宣伝・普及する人のことを指します。キリスト教においては、イエス・キリストの教えを広めることを目的とした使徒や布教者をエヴァンジェリストと呼びます。

ビジネスの世界でも、製品やサービスの普及・拡販を担当するマーケティング担当者を「エヴァンジェリスト」と呼ぶことがあります。エヴァンジェリストには、単に商品を宣伝するだけではなく、その商品やサービスに情熱を持ち、積極的にアピールすることで、それに関心を持ってもらう人を増やすことが求められます。

エグザクトターゲット

エグザクトターゲットとは、広告主が求める顧客像を極めて細かく定義した上で、それにマッチするようなターゲット層に対してマーケティングを行う手法を指します。ある条件に完全に一致するターゲット層を対象にマーケティングを行い、より効果的なアプローチを目指すことが特徴です。

一般的には、年齢、性別、地域、趣味嗜好、所得などのデータに基づいて、細かいターゲティングを行うことが多いです。例えば、あるショップが女性向けのファッションアイテムを販売している場合、以下のようなエグザクトターゲットを設定することができます。

・年齢:20代前半〜後半
・職業:学生、OL、主婦
・趣味:ファッション、美容、トレンドに敏感
・所在地:都市部
・購買履歴:直近1年以内に同様のアイテムを購入したことがある

こうしたエグザクトターゲットを利用することで、より的確なターゲティングが可能となり、マーケティングの効率を高めることができます。

エコシステム

エコシステムとは、ある特定の分野や市場において、複数の事業者や顧客、サービスなどが相互に関わり合う状態を指します。例えば、スマートフォンのエコシステムには、ハードウェアメーカー、ソフトウェアメーカー、アプリ開発者、プラットフォーム提供者、通信事業者、ユーザーなどが含まれます。

エコシステムにおいては、それぞれの事業者や顧客が相互に連携し合うことで、市場全体が成り立っています。エコシステム内で重要なのは、各事業者が自社製品やサービスを開発し、提供することで、エコシステム全体の成長に貢献することです。

エコシステムについては、別記事「エコシステムとは?エコシステムに参画してビジネスを伸ばすためのポイント」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

SEO(エスイーオー)

SEO(検索エンジン最適化)とは、自社のウェブサイトやコンテンツを、検索エンジン(GoogleやYahoo!など)の検索結果で上位表示されるように最適化することを指します。

具体的には、検索エンジンが取り扱うアルゴリズムを理解し、それに合わせたキーワードの選定や、コンテンツの最適化、リンク戦略の策定などを行います。これによって、検索エンジンからのアクセスが増え、ウェブサイトの集客が増加することが期待できます。

SSL(エスエスエル)

SSL(Secure Sockets Layer)は、Webサイトとユーザーのブラウザ間のデータ通信を暗号化するための技術です。これにより、第三者による通信の盗聴や改ざんを防止することができるため、Webサイトにおいてセキュリティが要求される情報(パスワード、クレジットカード情報など)を取り扱う場合には必須の技術となっています。

通常、SSLは証明書(SSL証明書)を使用して、暗号化の信頼性を担保しています。証明書は公開された鍵の暗号化方式の一つであるRSA暗号方式を使用し、ウェブサイトと証明書認証局(CA:Certificate Authority)との間でやり取りされます。証明書には、ウェブサイトのドメイン情報や認証局による証明書の発行元などが含まれています。ユーザーがウェブサイトにアクセスすると、Webサーバーとブラウザの間で証明書が交換され、正当なウェブサイトであることを確認した上で、暗号化されたデータの通信が行われます。

SFA(エスエフエー/セールスフォースオートメーション)

SFA (Sales Force Automation) とは、営業支援システムの一つで、営業活動に必要な情報を一元管理し、営業プロセスの効率化や成果の最大化を図るために用いられるシステムのことです。

主に営業担当者のフォローアップや見込み顧客の管理などに用いられ、営業成績管理や見込み顧客の把握・管理、報告書の作成、自動化された文書配信、日程管理、出勤・勤怠管理などの機能が提供されています。

SFAについては、別記事「SFAとは?導入するメリットとMA・CRMとの違いをわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

SAL(エスエーエル)

SAL (Sales Accepted Lead) は、営業担当者が受け入れ、追跡を開始するために承認したリード(見込み顧客)のことを指します。SALはリードと顧客との間の関係が最初の段階を超え、営業活動によって追跡されることが期待される最初の段階であり、しばしば責任ある営業担当者によって管理されます。

SALの発生には、リード生成プロセス、リードクラス分類、およびリードの評価が関連しています。SALは、リード優先度付けモデルの中で、MQL (Marketing Qualified Lead) とSQL (Sales Qualified Lead) の間に位置しています。

SOA(エスオーエー)

SOA (Service Oriented Architecture) は、ソフトウェアのアーキテクチャスタイルの一つで、ビジネスプロセスを機能単位で分解し、サービスとして提供することで、柔軟性と再利用性を高めることを目的としています。

具体的には、ビジネスプロセスを機能単位に分解し、それぞれの機能に対してサービスとしてAPIを提供することで、他のシステムやアプリケーションから必要な機能を容易に利用できるようになります。また、このような設計により、システム全体が柔軟になり、変更に対しても迅速に対応できるようになります。

SOAは、ビジネスプロセスの分解やサービスの提供方法に関する標準やプロトコルが定義されており、Webサービスなどの技術で実現されることが一般的です。

SQL(エスキューエル)

SQL (Sales Qualified Lead)とは、営業がアプローチしても購入意思があるのかどうか判断できるリードのことです。具体的には、デモや見積もりの申し込み、資料請求、商談の設定など、営業が進めていく上で必要な情報を提供してくれるリードを指します。

SQLについては、別記事「SQL(セールスクオリファイドリード)とは?マーケティング・セールスの用語についてわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

また、デモや商談の設定など、具体的なアクションを起こしてくれるリードと考えると良いでしょう。SQLになるまでには、リードジェネレーション、リードナーチャリングの段階を経て、ビジネスのニーズや興味関心、予算などが明確になっている必要があります。

SGL(エスジーエル)

SGL (Sales Generated Lead)とは、営業活動によって生み出され、リードとして捉えられる見込み客のことを指します。ただし、まだアプローチを受ける前の段階であり、まだリードが購入意思を持っているかどうか、取引に繋がる可能性があるのかどうかは不明確です。

SGLは、さまざまなチャネルでのマーケティング施策やキャンペーンによって得られることがあります。

STP(エスティーピー)分析

STP分析とは、市場セグメンテーション(市場を細分化すること)、ターゲット市場(セグメンテーションから優先的にターゲットとする市場)、ポジショニング(商品やサービスを市場でより良い位置づけをすること)の3つの要素から構成されるマーケティング手法です。

具体的には、市場セグメンテーションで同様なニーズ・行動を示す消費者をグループ化(セグメンテーション)し、そのグループに合わせた商品・サービスを提供することで効果的にターゲット市場を狙い、その差別化や魅力的なポジショニングによって消費者の利益を最大化することを目的としています。

STP分析については、別記事「STP分析とは?分析のやり方についてわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

エス(S)字カーブモデル

S字カーブモデルは、ある現象の発展過程をS字カーブで表現したモデルです。このモデルは、初期の急激な伸びが次第に緩やかになってピークを迎え、最終的に飽和点に至る過程を表します。

企業経営の観点では、市場の成長や製品の販売量の推移、技術の進歩などが、このS字カーブモデルで表現されます。

企業の成長戦略やマーケティング戦略において、S字カーブモデルを用いて、市場または製品の発展段階を把握し、適切な戦略を取ることが重要となります。

エディター

エディターとは、プログラムや文書を編集するためのソフトウェアのことです。エディターには、テキストエディターや、コードエディター、統合開発環境(IDE)などがあります。

テキストエディターは、主にメモ帳のようなテキストファイルを編集するソフトウェアです。一方、コードエディターは、プログラミング言語のコードを編集するために特化したソフトウェアです。IDE(統合開発環境)は、コードエディターに加えて、デバッガーやコンパイラー、ユニットテストなどの開発機能をまとめて提供するソフトウェアです。

エディターは、開発者にとっては、開発作業を効率化するために欠かせないツールの一つとなっています。

エディトリアルカレンダー

エディトリアルカレンダーとは、あらかじめ予定された記事やコンテンツの投稿時期や更新スケジュールをまとめたものです。主に、企業やメディアなどで広く使われています。

エディトリアルカレンダーは、コンテンツを計画する際に重要な役割を果たします。特定のテーマやキャンペーンに関する記事や広告、プロモーションの投稿スケジュールを事前に把握し、内容やタイミングを調整することができます。

また、スケジュールに沿ってコンテンツを作成し、投稿することで、複数のチームやステークホルダーとのコミュニケーションや調整がスムーズに進められるため、企業やメディアの運用の効率化につながります。

MRR(エムアールアール)

MRR(エムアールアール)とは、月間経常収益(Monthly Recurring Revenue)、つまり、定期的な収益(主にサブスクリプション型ビジネスなど)の月間基準として定めた、ある月の収益を表す指標です。重要なのは「再現可能な収益」であり、月々の継続課金など、毎月同じ額が入金される状況を表します。

例えば、1か月で100人が10ドルの登録費用を支払った場合のMRRは、1,000ドルになります。また、MRRに対して、チャーン(顧客離脱率)を見ることで、ビジネスの継続性や成長性を分析することができます。
 

MQL(エムキューエル)

MQL(Marketing Qualified Lead)は、マーケティングの観点から見て、見込み顧客としての資格があると見込まれるリード(見込み客)のことです。つまり、その人が自社の商品やサービスに興味を持っているかどうか、またそれが購入につながる可能性があるかどうかをマーケティングチームが判断した結果、資格があると認定された顧客です。

MQLとは、見込み顧客の中で最も優れた見込み客というわけではありませんが、興味を持っていることが確認されたり、購入につながる情報を提供してくれたり、コンバージョンにつながる可能性があるということが分かっているリードです。そのため、販売チームにリードが引き渡され、営業活動が開始される前段階の段階となります。

MQLについては、別記事「MQL(マーケティングクオリファイドリード)とは?SQLとの違い、基準の決め方についてわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

MEL(エムイーエル)

MEL(Marketing Engagement Leads)とは、マーケティング活動によって見込まれる見込み客の一種で、既に企業のマーケティング活動に反応しているため、魅力的な見込み客であることが期待されます。

MELは、Webサイトでの情報閲覧やソーシャルメディア上でのコメントなど、マーケティング活動に積極的に関与してくれる見込み客です。ただし、MELが真に購買意欲を持っているかどうかはわかりません。

そのため、MQL(Marketing Qualified Lead)を目指して、更なるプロファイリングやリードナーチャリングが必要となります。

MA(エムエー/マーケティングオートメーション)

MA(マーケティング・オートメーション)は、マーケティング活動を自動化するテクノロジーやソフトウェアのことです。主な目的は、プロスペクト(見込み客)や顧客との関係性を育み、顧客のニーズに合わせたメッセージを効果的に送信することによって、ビジネスの成長を促すことです。

MAの主な機能には、メール自動配信、ウェブサイトやソーシャルメディアのトラッキング、フォーム作成、レポート作成などがあります。これらの機能を用いることで、自動化されたマーケティング活動を実行し、リードや売上の根拠に基づく分析が可能になります。

MAを使うことによって、マーケティング活動の時間や費用を節約することが可能になるとともに、より迅速で正確なキャンペーンの実行が可能になります。また、トラッキングや分析の機能を活用することで、ビジネスの成果を測定し、改善点を把握することができます。

MAについては、別記事「マーケティングオートメーションとは?導入するメリットと使い方をわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。

MCL(エムシーエル)

MCL(Marketing Captured Lead)とは、マーケティング活動によって集められた、興味を持っている可能性がある見込み客のことを指します。MCLは、商品やサービスに興味を示した人や、問い合わせフォームに入力した人、メルマガの登録をした人など、さまざまな方法で集めることができます。MCLは、営業チームに引き継いでさらなるアプローチをして、顧客獲得に繋げるための重要なステップとなります。

エンゲージ/エンゲージメント

エンゲージ/エンゲージメントとは、ユーザーがWebサイトやSNSなどのオンラインプラットフォーム上で、コンテンツと関わりを持ち、参加したり、共有したりすることを指します。例えば、Webサイトでのページビューや滞在時間、SNSでのいいねやシェア、コメントなどがエンゲージメントの一例です。エンゲージメントが高いほど、ユーザーはコンテンツに興味を持っており、ブランドとの関係性が強くなるため、マーケティングにとって重要な指標となります。また、エンゲージメントを高めるためには、コンテンツのクオリティや、ユーザーが参加しやすい仕組みの提供が求められます。

ABテスト

ABテストとは、Webサイトやアプリの改善などのために複数のバージョンを比較的短期間でテストする方法です。Aバージョン(コントロール)とBバージョン(テスト)の2つのバージョンを用意し、同じ条件で2つのバージョンをランダムに見せ分けることで、どちらのバージョンがより効果的かを分析します。

例えば、ボタンの色や配置、商品の画像、コピーの差異などをテストすることができます。テスト結果に基づいて改善を行い、さらなるコンバージョン率の向上を目指します。

ABテストは、コンバージョン率の向上やユーザー体験の改善などの目的で、Webサイトやアプリの改善を行う際に広く使われています。

ADR(エーディーアール)

ADR(Account Development Representative)は、特定の領域に特化した製品やサービスのセールスチームで、見込客とコンタクトをとりトップセールスマンにビジネスを引き継ぐことを目的とした役割です。

主に、電話やメールで見込み顧客にアプローチし、その企業のニーズや課題を把握し、関連する製品やサービスを提案することが求められます。また、見込み顧客のリストアップやリードジェネレーションも担当することがあります。

さいごに

以上、今回はマーケティングや営業の現場でよく使われるマーケティング用語について「え」から始まる用語編と題し、お届けしました。次回は「お」から始まるマーケティング用語についても解説したいと思います。

さいごになりますが、当社ではBtoBマーケティングの業務に役立つお役立ち資料を複数ご用意しております。マーケティングの基礎知識と実践方法を体系的にまとめたお役立ち資料などもご用意しておりますので、ご活用いただければ幸いです。

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