MQL(マーケティングクオリファイドリード)とは?SQLとの違い、基準の決め方についてわかりやすく解説します

MQL(マーケティングクオリファイドリード)とは、マーケティングやセールスの現場でよく使われる、BtoBマーケティングの用語です。本記事では、MQLとは何か、また、関連用語のSQLとの違いや基準の決め方についてわかりやすく解説します。

MQL(マーケティングクオリファイドリード)とは?

MQL(マーケティングクオリファイドリード)とは、マーケティング部門において営業部門に引き渡した方が良いと判断した見込み客のことを指す言葉です。MQL とは、Marketing(マーケティング部門が)、Qualified(選別した)、Lead(見込み客)の頭文字を指しています。

MQLは、デマンド・ウォーターフォールのフレームワークにおいてInquiry(リードを獲得するフェーズ)に続く2番目のプロセスになります。

デマンド・ウォーターフォールは、シリウスディシジョンズ社によって提唱されたBtoBマーケティング → セールスのフレームワークです。案件発掘から受注までのプロセスをファネル(漏斗)に見立て、プロセスを俯瞰し、改善ポイントを見つけ出すために利用されます。

MQLは、マーケティング部門によるリードの精査(競合や学生など、自社の商品やサービスを購入する見込みがないリードを除外)、もしくはリードナーチャリング(MAを活用したメルマガ配信やセミナー開催など)によって選別されます。

MQL数は、事業責任者やマーケティング担当者の業務上のKPIになっていることも多いです。例えば、「今年の事業成長の目標は売上20%アップだから、MQL数は昨年比で40%アップを目標にしよう」と行った具合で決まっていきます。

KPIの設定に関しては、別記事「KPIの適切な決め方〜KPIの設定方法を具体例で解説します〜」をご参照ください。

MQLとSQL(セールスクオリファイリード)の違いとは

MQLとSQL(セールスクオリファイリード)の違いについても説明します。SQLとは、営業部門に引き渡されたMQLの中で、営業が商談を進めると判断したリードのことです。

MQLとSQLの違いとは、つまり、

  • MQL → マーケティング部門から営業部門に対し、フォローを依頼した見込み客
  • SQL → マーケティング部門からのフォロー依頼に対し、OKを出した見込み客

となっています。案件発掘から受注までのプロセスの中でも、異なるプロセスとして扱われています。

本来であれば、MQLもSQLもフォローが必要な同じ見込み客であることには変わりはなく、MQL数=SQL数になることが望ましいはずです。しかし、マーケティング部門と営業部門の間で発生する引き合いに対する認識の違いなどから、MQL数=SQL数になるとは限らず、場合によっては部門間に溝が発生してしまうこともあります。

資料請求のみのリードはMQL?それともSQL?

ここからは、MQLやSQLの具体例を交えながら、もう少しわかりやすく解説していきます。

MQLは、前述したとおり、マーケティング部門において営業部門に引き渡した方が良いと判断した見込み客のことを指します。そのような前提に立てば、以下のような見込み客はMQLとして判断されるべきだと思います。

  • HPからの問い合わせ(営業担当者から詳しく話を聞きたい)
  • セミナー参加後に営業と個別相談したいと依頼があった
  • セミナー後のアンケートに、後日営業担当者から話が聞きたいと書いてあった

見込み客側から営業担当者と話がしたい、と言われているのですから、MQLであり、SQLになるべき対象だと思います。

時には、自社の商品やサービスのターゲット対象から外れている見込み客からの要望も発生するかもしれません。しかし、ターゲットを見直すという議論はあるとしても、営業担当者と話がしたいと言っているのに対応しないというのは、非常に悪い印象を与えてしまいます。注意するようにしましょう。

では、以下のような見込み客は、MQLとして判断されるべきでしょうか?

  • HPから資料請求した
  • セミナーに参加した
  • ホワイトペーパーをダウンロードした
  • メルマガのリンクをクリックした
  • 展示会場で名刺交換をした
  • スコアリングの点数が一定数を超えた

皆さまは、どのように判断されますか?

上記のようなアクションをした見込み客をMQLと判断するかSQLと判断するか、そのどちらでもないかについては、非常に意見がわかれるところだと思います。

マーケティング部門からすれば、マーケティング施策に反応を示さない他のリードに比べたら、興味関心の度合いが高いと判断するでしょうし、実際にその可能性は高いでしょう。営業部門にフォローしてもらいたいと思うに違いありません。

しかし、営業部門からすれば、「営業担当者から具体的な話を聞きたい」と問い合わせをくれたリードに比べたら、興味関心の度合いが低いと判断するでしょうし、実施にその可能性は高いでしょう。営業部門からしたら、提案中の別案件に力を注ぎたいから、その見込み客へのフォローはマーケティング部門で継続してほしいと思うかもしれません。

このように、立場が違えば、MQLやSQLの選別の基準が異なります。そのため、MQLやSQLの選別基準に唯一の正解はありません。

資料請求のみのリードはMQLか?それともSQLか?という問いに対する答えは、

  • 資料請求のみのリードはマーケティング部門でフォローすると「合意した」
  • 資料請求のみのリードも営業部門でフォローすると「合意した」

の、どちらで合意したかによって判断が変わってきます。MQLやSQLの選別基準を決める際には、「決める」という意思と、マーケティング部門と営業部門で「合意する」ということが必要になります。

基準の決め方

ここからは、MQLやSQLの基準を決める際の、マーケティング部門と営業部門で合意するまでの流れについて、解説していきます。以下の4つのステップで整理できれば、基準が定まってきます。

アプローチすべき顧客像を決める

一つ目のステップは、アプローチすべき顧客像を決めることです。自社の商品やサービスを購入してくれる可能性がある顧客像を明らかにしましょう。事前にペルソナを作成しておくのも良いでしょう。

ターゲットとなる顧客像が複数存在する場合には、自社の商品やサービスを購入する見込みがないリードの条件も固めておくと良いでしょう。競合や学生は除外する、特定の条件を満たさないリードは除外するなど、該当しないという観点からMQLやSQLの基準を作りやすくなります。

ペルソナの設定方法に関しては、別記事「ペルソナ設定とは?BtoBマーケティングにおけるペルソナ設定と活用のコツ」をご参照ください。

アプローチすべきタイミングを決める

二つ目のステップは、アプローチすべきタイミングを決めることです。アプローチすべきタイミングを決めるためには、アプローチすべき顧客像が決まっていること、そして、購買プロセスのどのタイミングにいる顧客に狙いを定めるべきか決めることが大切です。購買プロセスに関しては、カスタマージャーニーマップを作成しておくと関係者間での認識合わせがしやすくなります。

この時に、カスタマージャーニー上、どのタイミングの見込み客まではマーケティング部門でフォローした方がいいのか、もしくは営業部門でフォローした方がいいのかを話し合っておくようにしましょう。

正解はありませんが、一般的には、

  • 情報収集段階の見込み客 → マーケティング部門が担当
  • 具体的検討段階の見込客 → 営業部門が担当

としている企業さまがほとんどだと思います。

カスタマージャーニーに関しては、別記事「カスタマージャーニーとは?概要とカスタマージャーニーマップの作り方について解説します」をご参照ください。

アプローチ方法を明確にする

三つ目のステップは、アプローチ方法を明確にすることです。カスタマージャーニー上の購買プロセスの各段階(情報収集段階〜具体的検討、商談など)に該当する対象者に、どのようなアプローチを行い、どのように購買プロセスの次の段階に移行してもらうのか、決めていきましょう。

例えば、HPからの問い合わせ(営業担当者から詳しく話を聞きたい)があった、セミナー参加後に営業と個別相談したいと依頼があった、といった見込み客の場合であれば、次のアプローチは「営業担当者からお客さまに連絡し、商談の日程調整を行うこと」と明確に決めましょう。

このように、アプローチすべき顧客像とタイミング、アプローチ方法を明確にすることで、この見込み客はマーケティング部門のアプローチ方法に該当するからマーケティングでフォローしよう、もしくは、営業部門でフォローしよう、とMQLやSQLの基準がほぼ出来上がります。

現状の受注・商談・リード数を考慮する

四つ目のステップは、現状の受注・商談・リード数を把握するということです。先程までのステップで、MQLやSQLの基準がほぼ出来上がったと思います。しかし、最終的に決めるまでには、現状の受注・商談・リード数なども考慮に入れておく必要があります。

と、いいますのも、マーケティングや営業の現場では「抱えている商談数が明らかに少ないので、MQLの基準を下げてもらっていいので、もっと引き合いをパスして欲しい」といった要望や、「抱えている商談数が明らかに多く、営業担当者だけではフォローの手が回らないので、MQLの基準を上げてもらって、確実に売れるところだけをパスして欲しい」といった要望が発生する可能性があります。

そのため、MQLやSQLの基準については、マーケティング部門と営業部門でそれぞれの部門の事情を話し合ってから、合意して決めるようにしましょう。

マーケティング部門と営業部門の連携に関しては、別記事「BtoBマーケティングを組織に定着させるための5つの手順」にも詳しくまとめております。合わせてご覧ください。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

MQLやSQLという用語に馴染みのない方もいらっしゃったと思います。しかし、近年のMAやSFAの普及、それに伴うマーケティングやセールスの業務プロセスの改善の波の中で、さまざまな企業のマーケティング・セールスの現場で使われはじめている用語でもあります。

MQLやSQLはマーケティング部門と営業部門の連携(コミュニケーションや認識合わせなど)が非常に大切になる指標です。MQLやSQLの基準は双方で合意して決め、そして合意なしに変更しないようにしましょう。

マーケティング部門と営業部門の枠を超え、見込み客に対して最適、最善のアプローチが実現できるように、事業全体として仕組みを整えていきましょう。