マーケティング用語の多くはカタカナ用語であり、種類が多く、類似している用語も多いです。新しい用語も頻繁に登場するため、意味がよくわからないまま使っている用語も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、マーケティングや営業の現場で耳にすることが多い基本的なマーケティング用語を中心に、その意味を解説していきます。
目次
「さ」から始まるマーケティング用語
今回は、マーケティングに関する基本的な用語を中心に、「さ」から始まるマーケティング用語についてまとめました。ぜひ、参考にしてみてください。
SaaS(サース)
SaaSとは、Software as a Service(サービスとしてのソフトウェア)の略称で、クラウドコンピューティングの一形態です。
SaaSは、インターネットを介してソフトウェアやアプリケーションを提供する形態であり、利用者は自分たちのデバイスにソフトウェアをインストールする必要がありません。代わりに、ウェブブラウザを使用して、SaaSプロバイダーのサーバー上で実行されているソフトウェアにアクセスすることができます。
例えば、メールサービスやCRM、プロジェクト管理ツール、ホスティングサービスなどがSaaSで提供されています。SaaSは、コストを節約し、スケーラビリティを高めることができるため、多くのビジネスにとって魅力的な選択肢となっています。
サイコグラフィックデータ
サイコグラフィックデータとは、人々が持つライフスタイル、人生の価値観、興味関心、購買行動などの心理的特徴を分析したデータのことです。これらのデータは、マーケティングにおいて、より効果的な広告や販促戦略の立案や、顧客との接点の深化に役立つとされています。
サイコグラフィックデータは、アンケート調査や、消費者の購買履歴、インターネットの検索履歴、SNSやブログなどの趣味や関心についての情報から収集します。
顧客を単なる年齢や性別、地域別のデータから把握するだけでなく、その人々が普段どのような価値観を持ち、どのようなライフスタイルを送っているのかを深く理解するのに役立ちます。得られる示唆もとにして、よりターゲットに合わせたプロモーションや広告を作り、より良いキャンペーン効果を狙うことができます。
サイトマップ
サイトマップとは、ウェブサイト内のページ構成を図解化したものです。ウェブサイト上のすべてのページとその階層構造を一望することができ、ナビゲーションの設計に役立ちます。
また、検索エンジンのクローラーがウェブサイトのページを検索するときにも、サイトマップがあると検索エンジンにウェブサイトの全体像を伝える役割があります。
サイトマップはHTMLまたはXML形式で作成され、ウェブサイトのトップページやフッターにリンクされる場合が多く、利用者の利便性を高めるためにも必要な要素となっています。
サイバネティクス理論
サイバネティクス理論は、目標に向かう道筋においてズレがあれば素早くそのズレを察知してフィードバックし、そして自動的にすぐに方向を修正して、最終的な目的に到達するという考え方です。アメリカのノーバート・ウィナー氏によって提唱されました。
例えば、効果的なプロモーション戦略を考える際には、消費者の反応や需要の動態を理解する必要があります。プロモーションを実施した際のさまざまな反応に目標に向かう道筋とのズレがあればフィードバックし、方向性を修正してより効果的だと考えられるプロモーション戦略に移行していく、というイメージです。
最近では、機械学習やAI技術を活用し、消費者の行動や需要を予測するためにサイバネティクス理論が応用されることもあります。
サスペクト
サスペクトとは、目標市場の中で商品やサービスを潜在的に購入する可能性がある、マーケティング対象として適切な個人や企業を指します。
例えば、同業他社の顧客や、ウェブサイトや店舗で商品をチェックしているがまだ購入していないユーザー、商品に関連する検索キーワードを使用しているがまだアクションを起こさないユーザーなどが該当します。
マーケティングにおいては、これらのサスペクトをリスト化することで、ターゲティングや営業活動に活用されます。
サスペクトについては、別記事「プロスペクト・サスペクト・リードとは?見込み客を表す3つのマーケティング用語の意味と違いについてわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。
サブスクリプション
サブスクリプションは、顧客に対し定額課金サービスを提供し、定期的に商品やサービスを届けるサービスモデルのことです。具体的には、音楽配信サービスや映画・ドラマ配信サービス、書籍や雑誌などの定期購読などが挙げられます。
マーケティングにおいては、顧客のニーズや嗜好を理解し、適切な価格設定、コンテンツ提供、プロモーション戦略を立てることで、顧客のロイヤルティを高め、サブスクリプションの定期利用を促進することが大切になります。また、定期利用している顧客に対しては、特典や割引などのリワード制度を用意することも、ロイヤルティの向上につながります。
サーチエンジン
サーチエンジンとは、インターネット上に存在する膨大な情報から、キーワードなどの検索条件に合致する情報を収集し、一覧で表示するシステムです。代表的なサーチエンジンには、Google、Yahoo! JAPAN、Bingなどがあります。
サーチエンジンはウェブサイトを運営する企業や個人だけでなく、検索を行うユーザーにとっても欠かせないサービスになっています。
サードパーティークッキー
サードパーティークッキーとは、ウェブサイト以外の第三者サイトから提供されるクッキーのことです。
例えば、ある広告主が別のサイトに広告を掲載している場合、その広告のクリックや閲覧履歴をトラッキングするために、広告主のサイトからクッキーが設定されます。ウェブサイトのドメインとは異なるサードパーティーのサイトから提供される情報を収集することで、広告配信やユーザー行動の分析などが可能となります。
ただし、プライバシーの観点からは、サードパーティークッキーの利用について、ユーザーの同意を得る必要があります。
参入障壁
参入障壁とは、新規参入企業が市場に参入することを難しくする要因のことです。主な参入障壁には以下があります。
◎技術力やノウハウ
既存企業が持つ特許や技術力などを持つことが難しい場合、競合他社との差別化が困難になるため、市場参入の障壁になります。
◎資金力や規模経済
既存企業が国内外で既に多くの顧客を獲得している場合、新規参入企業が顧客を獲得するためには大量の投資を必要とすることがあり、資金力や規模経済がなければ、参入障壁になります。
◎ブランドイメージ
既存企業が高いブランドイメージを持っている場合、新規参入企業はそのブランドイメージと対抗することが困難になるため、参入障壁になります。
◎規制や法律
競合他社がすでに独占的な地位を占めている場合、政府や規制当局がその市場への新規参入を制限する場合があり、参入障壁となることがあります。
これらの要因は市場によって異なりますが、参入障壁が高い市場ほど、新規参入企業の参入は困難になるため、既存企業が優位に立ち、市場競争は低下する可能性があります。
3C(サンシー)分析
3C分析とは、企業がマーケティング戦略を策定するために、自社と競合他社、そして市場の3つの要素を分析することを指します。3つの要素を英語の頭文字から3C(サンシー)と呼ばれています。
具体的に、以下のような分析項目が挙げられます。
◎Company(会社)
– 自社の強み・弱み(製品力、ブランド力、販売網、人材、資金力など)
– 経営ビジョンや目標、企業文化、カスタマーサービスなど自社の戦略的な情報
◎Competitors(競合他社)
– 現在の競合状況(誰が主要競合相手か、その強み・弱み)
– 競合他社のビジョンやブランドイメージ、営業戦略、製品・サービスラインなど
◎Customers(お客様・市場)
– 顧客の大きさ、成長市場の規模、その成長予測など市場規模に関する情報
– 顧客のニーズ・要望、購買行動、価値観に関する情報
– 産業構造やマクロ経済情勢、政策環境など市場全体に関する情報
以上の情報を収集・分析することで、企業は自身の強みを活かし、競合他社との差別化、市場ニーズに合った製品・サービスの提供など、戦略的な方向性を定めることができます。
3C分析については、別記事「3C分析とは?やり方と手順をわかりやすく解説します」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。
サンプル割付
サンプル割付とは、アンケート調査において、事前に設定した各セグメント毎のアンケート回答数の目標に達した段階で、そのセグメントの回答を締め切ることです。
サンプル割付を設定することで、セグメント別に回収するアンケート数を事前に設定し、例えば10代、20代、30代、40代、50代といった各世代毎にそれぞれ50サンプルずつ回収する目標数を設定することができます。
さいごに
以上、今回はマーケティングや営業の現場でよく使われるマーケティング用語について「さ」から始まる用語編と題し、お届けしました。次回は「し」から始まるマーケティング用語についても解説したいと思います。
さいごになりますが、当社ではBtoBマーケティングの業務に役立つお役立ち資料を複数ご用意しております。マーケティングの基礎知識と実践方法を体系的にまとめたお役立ち資料などもご用意しておりますので、ご活用いただければ幸いです。