コロナウィルスが拡大したことで、今まで対面で行われてきた商談や展示会やセミナーといった情報収集の場においても対面で行われる機会は減り、オンラインで開催される展示会やセミナー(ウェビナー)が増えてきました。
また、移動時間や雑談時間が減少したことでスキマ時間が生まれ、仕事に関する情報収集などのインプットに使うビジネスマンも増えていると感じています。これらの要因が重なったことで、ウェビナー需要は大幅に拡大しています。
本記事では、ウェビナーの概要や、ウェビナーを開催するメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
目次
ウェビナーとは
ウェビナーとは、ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を合わせた造語です。
インターネット環境を通じて提供するオンラインのセミナーとなるため、気軽に情報収集できる場として多くの企業で導入されているセミナー手法です。
ウェビナーという呼称が一般的になりつつありますが、ウェブセミナーあるいはオンラインセミナーと呼ばれることもあります。
ウェビナーの種類
ウェビナーの配信種類には以下の2種類があります。
- ライブ配信
- オンデマンド配信
配信方法の一つ目は、ライブ配信です。ライブ配信は決められた時間に参加し、リアルタイムに情報提供・質問が行える形式です。双方向でのコミュニケーションがメリットとして挙げられます。
もう一つの配信方法は、オンデマンド配信です。オンデマンド配信はあらかじめ収録されたセミナー動画を配信する形式となります。配信時間が決まっていないため、参加者が好きな時間に視聴できることがメリットとして挙げられます。
ウェビナーの開催目的
ウェビナーの開催目的は、マーケティングのパイプライン上の何を目的にするかによってさまざまです。
例えば、リード獲得を目的に開催する、リード育成を目的に開催する、既存顧客のサポート・利用促進を目的に開催するなど、どのフェーズでも活用することができます。
コロナ禍になる以前から、リード獲得目的のセミナー、リード育成目的のセミナー、カスタマーサクセス目的のセミナーなどはさまざまな企業が開催していました。
今までオフラインで実施していたそれらのセミナーが、オンラインで開催されるウェビナーに置き換わったと考えるとわかりやすいでしょう。
ウェビナーの参加頻度
ファストマーケティング社の調査によると、会社員の7人に1人に当たる14.6%の人がウェビナーへの参加経験があると答えています。
また、同調査では、ウェビナーに参加する1ヶ月あたりの平均的な頻度としては、約6割が月に1~2回はウェビナーに参加しているともあります。
コロナ禍以降、ウェビナーに関するメールの案内やプレスリリース、ニュース記事などを頻繁に見かけるようになりました。
ファストマーケティング社の調査からもわかるように、PCやスマートフォンさえあれば、自宅や外出先からでも簡単に視聴できるウェビナーは、情報収集の手段としても定着しつつあることがわかります。
ウェビナーのメリット
ウェビナーならではのメリットは、大きく3つあります。
遠方の見込み客も集客できる
一つ目のメリットは、遠方の見込み客も集客できることです。
オフライン型のセミナーとは異なり、ウェビナーはインターネット環境さえあればどこからでも参加できます。そのため、オフライン型のセミナーでは距離的に来場が困難だった遠方の方も気軽に参加できるというメリットがあります。
ハウスリストに対して集客メールを送る際にも、オフライン型のセミナーに比べて集客メールの配信対象を拡げることができるでしょう。
開催のコストを抑えられる
二つ目のメリットは、オフライン型のセミナーに比べ開催コストが抑えられることです。
オフライン型のセミナーでは会場費や運営スタッフの人件費、会場での配布物など、様々なコストがかかります。また、会場を探して予約する手間や、当日の客席準備なども非常に大きな労力を要します。
ウェビナーであれば、最低限のインターネット環境さえあれば開催でき、会場を借りる必要がないので金銭的なコストを抑えることができます。また、会場を探して予約する手間もかからないので人的なコストを抑えることにもつながります。
さらに、ウェビナーであれば、会場のキャパシティはほとんど無制限に広げられるため、キャパシティの問題も解決します。
デジタルマーケティングに必要な情報の取得が容易
三つ目のメリットは、デジタルマーケティングに必要な情報の取得が容易なことです。
ウェビナーの参加者を募る際には、申込フォームから事前登録を行ってもらい、登録が完了したら参加URLを登録メールアドレスに配信するオペレーションが一般的です。
そのため、MAなどのマーケティングツールを導入していれば、申込フォームからリード情報の登録があったタイミングでCookieデータを紐付けて管理することができ、今後のマーケティング活動に役立てていくことが可能となります。
また、ウェビナーで利用するツールによっては、参加した見込み客の視聴時間や視聴維持率(全体の何パーセント視聴したか)を取得することができるものもあり、興味度合いを推し量ることが可能です。
このように、ウェビナーの場合はオフライン型のセミナーに比べ、デジタルマーケティングに必要な情報の取得がオペレーション上も比較的容易になることも、一つのメリットとして挙げられます。
もちろん、オフライン型のセミナーと同様に、ウェビナーの場合であっても開催後にヒアリングする、あるいはアンケートなどを活用してBANT-CH条件を確認することは商談化する上で大切な取り組みになります。
ウェビナーのデメリット
ウェビナーには、ウェビナーならではのデメリットも存在します。以下のようなデメリットも把握したうえで、適切にウェビナーを導⼊することを推奨します。
良好なインターネット環境が必要
一つ目のデメリットは、良好なインターネット環境が必要だということです。ウェビナーを開催する場合、スピーカー側のインターネット環境が良好な状態であることは必須です。
Zoom公式は、ウェビナー配信時の目安の上り速度を1.5Mbps以上としていますが、肌感覚的には10Mbps以上あることが望ましいと考えています。
あまりにも遅い回線でなければ問題はないですが、あらかじめリハーサルを⾏うなど、安⼼してウェビナーを開催できるインターネット環境かどうか、あらかじめ確認しておいた方がようでしょう。
不参加になる可能性も高い
二つ目のデメリットは、不参加になる可能性も高いということです。ウェビナーは、参加希望者側も気軽に申込むことができるのがメリットである反⾯、参加しないという選択も気軽にできてしまいます。
当日の参加率を低下させないよう、丁寧なリマインド施策を実施することが大切です。
参加者の集中力が切れやすい
三つ目のデメリットは、オフライン型のセミナーに比べて参加者の集中力が切れやすいということです。⾃宅から画⾯越しに⻑時間視聴すると、集中⼒は切れやすくなります。
目線はカメラに向ける、ジェスチャー&リアクションを大きくする、初頭効果と終末効果を意識するなど、視聴者を飽きさせない構成を⼼がけると視聴維持率を向上させることができます。
オンラインでのプレゼンテーションのコツは、別記事「オンラインのプレゼンを成功に導く5つのポイント」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。
参加者の反応や関心が把握しづらい
四つ目のデメリットは、参加者の反応や関心が把握しづらいということです。オフライン型のセミナーとは異なり、ウェビナーの場合には参加者の反応を把握することが難しくなります。
そのため、チャットを利⽤して質問やリアクションをしてもらうよう促す、あるいはウェビナーの中で参加者にアンケートに答えてもらうなど双方向でのコミュニケーションをとるためのアクションをとることで、参加者の反応や関心を把握しやすくするための工夫を行うことが大切です。
オンデマンド開催の場合は質問を受け付けられない
五つ目のデメリットは、オンデマンド開催の場合は質問を受け付けられないということです。オテンデマンドの場合、仕組みとして質問を受け付けることができません。
そのため、オンデマンド開催の場合はリード獲得施策として割り切り、ナーチャリング施策やインサイドセールスの架電によって、どのような興味を持っているかを再確認するオペレーションを構築することが必要です。
インサイドセールスについては、別記事「インサイドセールスとは?求められる役割やKPIの設定方法について理解しよう」に詳しくまとめております。あわせてご覧ください。
さいごに
本記事では、ウェビナーの概要や、ウェビナーを開催するメリット・デメリットについて解説してまいりました。
ウェビナーのメリット・デメリットを認識した上で、マーケティング活動における一つの手段として有効活用していきましょう。
さいごになりますが、当社ではBtoBマーケティングの業務に役立つお役立ち資料を複数ご用意しております。マーケティングの基礎知識と実践方法を体系的にまとめたお役立ち資料などもご用意しておりますので、ご活用いただければ幸いです。