※KPIに関する詳しい解説(KGIやKSFとの違いも解説に含みます)はこちら
KPIとは、組織の目標達成度合いを定量的に表現したものです。組織が目指すゴールに到達するための成功の鍵を数値で定義したもの、と言い換えてもいいでしょう。
本記事では、KPI指標の中でも「メルマガ・メールマーケティング」で一般的に使われるKPI指標の意味・設定例について解説していきます。
目次
メルマガ・メールマーケティングのKPI指標
メルマガ・メールマーケティングのKPIを計測する上で参考になる指標はいくつかありますが、メルマガ・メールマーケティングの代表的な指標は以下の5つになります。
- 配信数
- 到達数
- 開封数
- クリック数
- CV数(コンバージョン数)
ファネル図に表すと、以下のようになります。
メルマガ・メールマーケティングの目的によって、注目すべきKPIの比重は若干異なります。
各KPI指標の意味・設定例、そして効果改善のポイントについても解説しますので、ご自身の業務に活用できる点があれば、ぜひ試してみてください。
配信数
配信数とは、配信したメールの総数を意味します。メルマガ・メールマーケティングにおける配信数の総量は、上記のファネルを流れる総量を意味します。
メルマガ・メールマーケティングにおいても量と質の議論は存在するため、ただ量が多ければ良いというわけでもありませんが、KPIやKGIを達成するために必要な配信数は担保しなくてはなりません。
配信数の計算方法は、以下の方法があります。
・配信可能リード数×配信回数
配信数とは、配信可能リード数に配信回数を掛けた数です。配信可能リード数とは、自社のリード管理の対象に含まれるものだと考えてください。
このように考えると、自社の製品やサービスを購入できない学生や、競合に所属している担当者情報も管理対象とは言えないため、そもそもの配信対象に含めない方が良いといった判断をすることができます。
自社のリード管理の対象条件が明確になったら、顧客管理システムを活用して条件に合うリードがどのくらいあるのか把握できるようにしましょう。また、MAやメール配信システムを活用し、必要なときにすぐにメールを配信できるようにしておくオススメです。
配信数をKPI指標として設定する際には、
・○月:目標配信数○○件
・×月:目標配信数××件
と月単位で設定しているケースが多いです。
配信数を向上させるためには、配信可能リード数か配信回数を増やす必要があります。配信可能リード数を増やすためには、新しいリードを獲得するための取り組みが必要です。配信回数を増やすためには、リードを育成するための仕組みを設計し、無理のない範囲で配信回数を増やすことを検討しましょう。
到達数
到達数とは、配信したメールが配信先に到達した数を意味します。メールが開封されるためには、受信者の受信箱にメールが届かなくてはなりません。
到達率の計算方法は、以下の方法があります。
・到達数÷配信数×100
メールが到達しない、すなわちメール配信がエラーになってしまう理由は一つではなく複数存在します。但し、メールアドレスが既に利用されていない場合を除き、正しいメールアドレスにメールが届かない主な理由はサーバーやネットワーク上、あるいはメールソフトに備わっているフィルタリング機能による影響が出ていることがほとんどです。
迷惑メールを判定する仕組みとしては、メール内の文章か配信元の情報をみてフィルタリングすべきかどうか判定されています。あまりにメールが届かない状態が続くとそのメール配信元IPアドレスがブラックリストに登録されてしまう可能性があるため注意が必要です。
到達数をKPIに設定する際には、最低でも到達率90%以上、できれば95%以上を目指すようにしましょう。
到達率を改善するためには、配信リストに使われていないメールアドレスがないか見直すことや、文章内に不適切な表現がないかを見直すこと、あるいはSPF・DKIM・DMARCなどの迷惑メール振り分け防止対策を行うことが大切です。
参考:これでばっちり、メールセキュリティー三銃士 ~メールの到達率を上げるSPF、DKIM、DMARC~(Benchmark社記事)
開封数
開封数とは、メールが開封された数を意味します。メールの開封率は、件名や差出人名、配信日時(曜日・時間帯)などによって変化します。
開封率の計算方法は、以下の方法があります。
・開封数÷配信数(又は到達数)×100
メールの開封数は、すなわちメールを開いて読んでもらった回数になるため、メルマガ・メールマーケティングにとって非常に重要なKPIです。お知らせ情報など、読んでいただくまでが目的のメールであれば、開封数が最も重要なKPIになるでしょう。
開封数や開封率をKPI指標として設定する際には、
・開封数○○件以上
・開封率○○%以上
と設定しているケースが多いと思います。
開封率は、調査対象となる企業や調査方法にもよりますが、全体で平均すると20%前後とされています。
開封率を改善させるためには、件名や差出人名を工夫してみることが大切です。最近のメールソフトは、PC・スマートフォンを問わず、メール件名よりも差出人名を太く大きく表示する傾向があります。配信先と面識のある担当者名で配信することによって開封率が上がることもあります。
メールの件名、あるいは配信日時(曜日・時間帯)などの改善によっても開封率は変化するため、何度か配信していく中で、開封率が高くなったメールキャンペーンに共通する点(件名や差出人名、配信日時など)を見つけ出し、PDCAを回しながら検証・改善を繰り返していきましょう。
また、開封率を計測するためにはHTML形式でメールを配信する必要があります。HTML形式でメールを配信でき、開封率を計測することができるツールを利用してメールを配信することが大切です。
クリック数
クリック数とは、メール本文内に設置されたURLがクリックされた数を意味します。メールの本文内に自社サイトやLP(ランディングページ)に誘導するURLを設置し、メール本文から興味を持った見込み顧客の興味・関心を図り、問い合わせや資料請求に誘導することが可能です。
リンクのクリック率は、CTR(Click Through Rate)とも呼ばれます。クリック率(CTR)の計算方法は、以下の方法があります。
・クリック数÷到達数× 100
クリック数は、自社サイトやLP(ランディングページ)への誘導を目的としたメールにとって非常に重要なKPIになります。
クリック数やクリック率をKPI指標として設定する際には、
・クリック数○○件以上
・クリック率○○%以上
と設定しているケースが多いと思います。
開封率は、調査対象となる企業や調査方法にもよりますが、全体で平均すると2〜3%前後とされています。
クリック率を改善させるためには、本文の内容やリンクの設置場所、配信内容と配信リストがマッチしているかなどを確認してみると良いでしょう。メールのコンテンツの作り込み方だけでなく、適切なセグメントにメールを配信できているかどうかの方がクリック率に影響を与える傾向があります。
CV数(コンバージョン数)
CV数(コンバージョン数)とは、最終的な目的を達成した割合を意味します。最終的な目的とは、商品購入や資料請求など、受信者に期待する行動のことです。
CV率(コンバージョン率)の計算方法は、以下の方法があります。
・CV数(コンバージョン数)÷開封数× 100
マーケティング部門や営業部門であれば、欲しいCVは商品購入になるでしょう。あなたの会社が手掛けている商品がtoC向けであれtoB向けであれ、見込み客側の購買プロセスが進んだ状態であれば、メールによる最後の一押しで成約につながるかもしれません。
しかし、メールを配信する相手は、必ずしも購買意欲や関心が高い人ばかりではありません。そのため、購買プロセスを一歩先に進めることを目的にCV(コンバージョン)を設定することも多々あります。
例えば、まずは資料請求をしてもらうことを目的とする、導入事例を紹介するウェビナーに参加してもらうことを目的とするなどです。
クリック数やクリック率をKPI指標として設定する際には、
・商品購入数○○件以上
・ウェビナー参加者数○○件以上
といったように、CV(コンバージョン)の内容に合わせて設定しているケースが多いです。
CV率(コンバージョン率)が低い場合には、メール本文の内容と遷移先のページ(自社サイトやLP)の内容が合ってない、どこをクリックすればよいかわからない、そもそも商品自体に魅力を感じなかった、など複数の原因が考えられます。
CV率(コンバージョン率)を上げるためには、メールからサイトに訪れたユーザーが違和感なくCV(コンバージョン)に進めるかどうかが大切です。
また、いくらCV率(コンバージョン率)が高くても、CV数(コンバージョン数)が目標に届かなければ施策としてはなかなか評価をされません。そのため、CV率とCV数をバランスよく見ることが大切です。
さいごに
本記事では、メルマガ・メールマーケティングのKPI指標の意味・設定例について解説しました。
メールはさまざまな業種・業態で活用でき、比較的安価に取り組むことができる施策です。また、他の施策に比べてコンテンツ作成が容易で、セグメンテーションの自由度も高いことも魅力です。
マーケティング部門をこれから立ち上げるが何からはじめたら良いのかわからないというお悩みをお持ちの方は、メルマガやメールマーケティングから開始してみるのもいいと思います。
さいごになりますが、当社ではBtoBマーケティングの業務に役立つお役立ち資料を複数ご用意しております。マーケティングの基礎知識と実践方法を体系的にまとめたお役立ち資料などもご用意しておりますので、ご活用いただければ幸いです。