リードジェネレーション(lead generation)を行う際、なんとなく「これまでやってきたから」 という理由で手法を選んでいませんか?
どのようなリード(見込み客)情報の獲得したいかによって、有効な手法も違えば、成果を出すための方法やコストも変わってきます。
本記事では、これからマーケティング活動に取り組もうとしている方や多くのリードを獲得したいと考えている方に向けて、リードジェネレーションの概要やリードを獲得するための代表的な手法をまとめてご紹介します。
目次
リードジェネレーションとは?
リードジェネレーションとは、リード(見込み客)の情報を獲得するための一連の活動のことを指します。
リード(見込み客)とは、不特定多数の人を指すのではなく、自社の商品やサービスに興味を持ってくれた、将来的に商談につながる可能性のあるお客さまのことを指します。もっと言えば、その方々の連絡先(電話番号やメールアドレス)の情報のことを指しています。
例えば、過去にお問い合わせや資料ダウンロードをしてくださった方の情報や、名刺交換などで何らかの接点を持った個人や企業の情報がリード(見込み客)にあたります。
マーケティング活動を行う上で、対象が広範囲にわたるBtoC向けの商品やサービスを扱っている場合であれば、マスマーケティングによって不特定多数にアプローチする手法も効果的です。しかし、属性が限定されたBtoCや法人を対象にしたBtoB向けの商品やサービスを扱っている場合には、あらかじめ十分な数のアプローチ先を確保しておいた方が、効率良くマーケティング活動が展開できます。
このように、リードジェネレーションは、マーケティングのスタートラインであると同時に、事業を継続的に成長させていく上で重要な取り組みになります。アプローチ先となる見込み客のリストを未だ十分に確保できていない事業(創業期のスタートアップや新規事業)において特に重要視されます。
リードジェネレーションとリードナーチャリングの違い
リードジェネレーションと混同されることの多いマーケティング用語にリードナーチャリングがあります。
リードジェネレーション(lead generation)とリードナーチャリング(lead nurturing)は、商談を増やすための活動という点では同じですが、日本語訳すると「見込み客の獲得」と「見込み客の育成」となるように、マーケティング活動においては区別されています。
リードジェネレーションとは、商談につながるリードを0→1から獲得してくることです。すぐに商談につながるリードを獲得できることもあるでしょう。しかし、BtoBの場合、お客さまが興味を持ってくれたとしても、すぐに具体的な検討が可能なタイミングにあるとは限りません。
そのため、リードジェネレーションで獲得したリードを商談につながるタイミングまで継続的にフォローし、関係を築いていくための取り組みがリードナーチャリングになります。
リードジェネレーションとリードナーチャリングは、言い換えれば、見込み客のリストを獲得してくるための取り組みと、見込み客のリストに記載されている企業や個人に対してフォローアップするための取り組みという違いがあります。
ただし、リードナーチャリングは見込み客のリストがなければ実施が難しいことからもわかるように、マーケティング活動の入り口はリードジェネレーションになります。リードジェネレーションの段階で良質なリードが獲得できると、リードナーチャリングやその後の商談(営業活動)の効率が大きく向上します。
マーケティングのプロセス(ファネル)の全体像
リードジェネレーションはマーケティング活動の入り口になるというお話をさせていただいたので、リードジェネレーションの代表的な手法をご紹介する前に、マーケティングのプロセス(ファネル)の全体像についても触れておきたいと思います。
マーケティングのプロセス(ファネル)の全体像は、以下の図のように表すことができます。
◎リードジェネレーション(リード獲得)
リードジェネレーションは前述したとおり、自社の商品やサービスに興味を持ってくれた、将来的に商談につながる可能性のあるリードを獲得するための一連の取り組みになります。
特に創業期のスタートアップや新規事業のように保有しているリード数が不十分な場合、一から新しく集めて行かなければなりません。リードジェネレーションは事業を継続して成長させていくためには欠かせない取り組みです。
リードジェネレーションの各手法に関しては、本記事の後半で詳しく解説いたします。
◎リードマネジメント(リード管理)
リードマネジメントとは、獲得したリードを管理し、マーケティング活動に活用できるようにしておくことです。自社にとっての見込み客の条件に合うリードがどのくらいあるのか、常に把握できるように管理しておきましょう。
この際に、自社にとっての見込み客の条件に合わないリードは管理対象から外す、競合に所属している担当者の情報もフォロー対象から外す、などといった判断を行うことも大切です。
リード情報を管理して活用するためには、顧客管理システムを導入することをおすすめします。
◎リードナーチャリング(リード育成)
リードナーチャリングは前述したとおり、リードジェネレーションで獲得したリードを商談につながるタイミングまで継続的にフォローし、関係を築いていくための取り組みになります。
自社製品やサービスへの購買意欲を高め、将来的に購入してもらうために、ノウハウや活用事例など、お客さまのニーズにあった情報を定期的に提供していくことをおすすめします。
ただし、闇雲に情報を提供するだけでは、期待する反応を引き出すことはできません。どのようなお客さまに対してどのような情報を提供しどのような反応を引き出したいのかを整理することが大切です。
整理の際には、ペルソナやカスタマージャーニーを作成することも有効です。
◎リードクオリフィケーション(リード選別)
リードクオリフィケーションとは、営業部門に引き継ぐために必要となる、見込み客の絞り込みのことを指します。リードクオリフィケーションの基準をあらかじめ決めておき、マーケティング部門と営業部門が連携するためのルールづくりをしておきましょう。
リードクオリフィケーションの基準を定めるにあたり、唯一の正解はありません。そのため「決める」という意識を持つことがとても重要です。また、定めた基準を可視化するためにBANT条件を確認する仕組みをつくったり、MAのスコアリングを活用したりすることもおすすめです。
◎商談(提案活動・クロージング)
商談は、営業部門による提案活動・クロージングのプロセスです。ここで注意したいのは、営業部門にリードを引き継いだからと行って、マーケティング部門の活動は終わりではない、ということです。
営業部門に引き継いだリードからどのくらいの割合が商談やクロージング(受注)に繋がっているのかを把握できるようにしておきましょう。場合によっては、マーケティングプロセス(ファネル)全体を見直すことが必要なときもあります。
営業部門の商談(提案活動・クロージング)の進捗を可視化するためには、SFAの活用が便利です。
このように、マーケティングのプロセス(ファネル)は、リードジェネレーションから始まり、リードマネジメント→リードナーチャリング→リードクオリフィケーション→商談と推移していきます。
受注数を最大化するためには、マーケティングのプロセス(ファネル)を整備し、プロセスの上流から流れてくるリードの流れを最大化することと、リードの漏れ(離脱)を最小限に抑えることが大切になります。
リードジェネレーションの代表的な手法まとめ
本記事でご紹介するリードジェネレーションの代表的な手法の一覧です。
- 展示会
- セミナー
- Webサイト(HP・企業ブログ)
- オンライン広告(インターネット広告)
- オフライン広告(テレビCM、交通広告、雑誌広告)
- プレスリリース
- SNS
- DM(郵送)
- DM(メール)
- DM(FAX)
- DM(フォーム)
- 飛び込み営業
- 電話営業(テレアポ)
各手法の概要や、メリット・デメリットを解説していきます。
展示会
リードジェネレーションの代表的な手法の一つ目は、展示会です。展示会はテーマによって様々な企業が出展しており、多くの人に自社の商材・サービスを直接アピールできる場として活用できます。自社が開催するときの参考にするため、出展前に来場者側として参加し、会場の広さやブースの位置、人の流れ、来場者の属性などを見ておくことをお勧めします。
メリットとしては、展示会のテーマに関心を持った見込み客が数日間に多く来場するため、少ない期間で多くのリードを獲得できることです。HPに訪れる見込み客とは異なり、自社の商品やサービスを知らない人も多く来場する可能性が高いため、名刺交換やパンフレットを渡すことで自社の商品やサービスの認知度を高められる効果があります。また、自社のブースに訪問した方とのコミュニケーションが直接とれるため、その場でニーズのヒアリングや商談が行えることも特徴です。
デメリットとしては、出展するための出展料、装飾工事費、ブース設営費など大きな費用が必要になる可能性が高いことが挙げられます。ブースの広さ、場所やディスプレイの種類や量などオプションプランによってさらに費用がかさむこともあります。また、会期中にブースを運営するための人件費がかかることも挙げられます。
展示会は、短期間で多くのリード獲得ができる、BtoBマーケティングの代表的な手法と言えます。最近では、コロナ禍の影響もありオンラインで開催される展示会(オンライン展示会、バーチャル展示会)の開催も増えてきました。リード獲得の見込み数と出展に伴う費用を鑑みながら、活用を検討すると良いでしょう。
セミナー
リードジェネレーションの代表的な手法の二つ目は、セミナーです。リードジェネレーションを目的としたセミナーは既に数多くの企業が開催しています。コロナ禍の影響もあり、最近ではオンライン会議システムを活用したセミナー(ウェビナーと呼ばれます)の開催も増えてきています。
メリットとしては、展示会と比較すると、備品や出展料が無いためコストを抑えることができることや、参加してほしいターゲットに合わせてセミナーの中身を企画することができることが挙げられます。また、自社にブランド力が無くて集客力が弱い場合でも、ブランド力のある他社と共催することで多くの集客を行うことができる場合があります。セミナーやウェビナー後に懇親会や個別相談会を設けることで、参加者の課題を収集し、商談につなげやすくする効果もあります。
デメリットとしては、自社の認知度やタイトルによっては集客が難しいことや、ターゲットによって開催場所を考慮する必要があるといった点があげられます。
デメリットに比べメリットが多く、一度企画してしまえば定期開催型のセミナーにしてしまうことも可能なので、リードジェネレーションの施策としては非常に優秀だといえます。
Webサイト(HP・企業ブログ)
リードジェネレーションの代表的な手法の三つ目は、Webサイト(HP・企業ブログ)です。Webサイトや企業ブログは、訪問者に対して役立つ情報を提供し、リード情報を獲得する仕組みづくりをすることで大量のリードを獲得できる可能性があります。
メリットとしては、SEO対策を施したHPや企業ブログの上に良質な記事を作成して継続して上げ続けることで、自社のWebサイトへの訪問者数を伸ばすことができることです。Webサイトに公開した記事などのコンテンツは半永久的に残るため、見込み客を集客し続ける資産と成り得ます。また、Webサイトへの訪問者数が伸びてくれば、広告を打つよりも低コストで集客できる可能性があります。企業ブログが成長することで、自社の認知度が向上しブランディングの役割を果たすこともあります。
デメリットとしては、Webサイトや企業ブログが軌道に乗り、成果を出すためには6ヶ月〜1年以上の長い時間がかかるということです。また、記事を継続して作成し続ける必要があるため、サーバー代などのコストに加えて人件費が必要となる点があげられます。
リードジェネレーションの効果を最大化するためのコツとしては、問い合わせフォームなどの他に、訪問者に対して役立つ情報やノウハウをまとめたダウンロード資料を用意することです。資料をダウンロードする際にリード情報を入力してもらう(獲得する)仕組みづくりをしておけば、自社のWebサイトへの訪問者数が伸びることと比例して、大量のリードを獲得できるようになります。
オンライン広告(インターネット広告)
リードジェネレーションの代表的な手法の四つ目は、オンライン広告(インターネット広告)です。インターネットを利用するユーザに向けて自社の商品やサービスの宣伝や販売促進ができます。広告の形状(バナーやディスプレイなど)や課金形式(クリック課金型やインプレッション保証型など)が様々であるため、自社の目的に最適な広告を選択できます。オフライン広告との違いとして、ターゲット層をより絞り込んで広告を届けられます。
オンライン広告を利用する際には、LP(ランディングページ)を別途作成しておく必要があります。LPはオンライン広告(インターネット広告)をクリックした人が広告内容の詳細を確認し、次のアクションに促すため(例えば、問い合わせや資料ダウンロードなど)に作成されるフォーム付きのWebページのことです。
メリットとしては、ターゲット層をより絞り込んで広告を届けられるため、オフライン広告と比べて、広告費用が安く抑えることができる点や、クリックやコンバージョン数から費用対効果を算出できる点、広告文やクリエイティブをリアルタイムに変更できるため、A/Bテストのような検証がしやすいなどが挙げられます。
デメリットとしては、代理店を利用せず自社で運用する場合、用語やツールの知識が必要になり出稿の手間がかかることや、競合によるオンライン広告の出稿が増えることに比例して、広告費用が上がっていってしまう点が挙げられます。
オンライン広告もWebサイト(HP・企業ブログ)と同様に、訪問者に対して役立つ情報やノウハウをまとめたダウンロード資料を用意することで、リードジェネレーションの効果を最大化することができます。
オフライン広告(テレビCM、交通広告、雑誌広告)
リードジェネレーションの代表的な手法の五つ目は、オフライン広告(テレビCM、交通広告、雑誌広告)です。オフライン広告にはテレビCM、交通広告、雑誌広告など様々な種類があり、エリアを限定したキャンペーンから全国的なものまで様々な規模において活用できます。最近ではBtoCだけでなく、BtoB向けの商品・サービスでもテレビCMやタクシー広告が活用されており、一気にサービスの知名度を広げられる有効な手段と言えるでしょう。
メリットとしては、テレビCMや交通広告のようなマス向けの広告は 多くの人の目に留まるため、認知度向上が期待できる、広告を出稿する時間帯や媒体をターゲット層に合わせることで、効果的なアプローチができるなどが挙げられます。
デメリットとしては、オンライン広告と比較すると非常に高い費用がかかってしまう点や、広告出稿によるリード獲得の費用対効果が分かりづらい点が挙げられます。
プレスリリース
リードジェネレーションの代表的な手法の六つ目は、プレスリリースです。プレスリリースとは、マスコミや報道機関に向けて経営や新商品、サービスに関する情報を告知する資料のことです。自社のニュースを媒体に掲載してもらうことで広報や宣伝に活用できます。
メリットとしては、プレスリリースの制作費以外はコストが必要ないので非常に低コストで広告の役割を果たしてくれる点や、有名なニュースサイトや報道機関に取り扱われると一気に認知度が向上する点が挙げられます。また、記事という形式で読んでもらうことで、確度の高い見込み客からの問い合わせを獲得することができる可能性が高まります。
デメリットとしては、プレスリリースを出したからといって、必ず報道機関に取り扱われる訳ではないという点や、報道機関側が編集して掲載するため、想定外の書かれ方をされる恐れがあるという点が挙げられます。
リードジェネレーションを目的としたプレスリリースでよく見かけるのが、特定の業種やテーマを取り扱った調査レポートをリリースしたというプレスリリースです。調査資料をダウンロード資料化しておくことで、リードジェネレーションの効果を最大化することができます。
SNS
リードジェネレーションの代表的な手法の七つ目は、SNS(ソーシャルネットワークサービス)です。TwitterやFacebook、LINE@などのSNSは、自社や商品PR、販売促進やブランディングの効果を発揮してくれます。
ユーザに情報を届けるためにはアカウントに登録してもらう、もしくはフォローしてもらう必要があるため、そのための施策を効果的に実施できるかが鍵となります。しかし、登録さえしてもらえれば無料でユーザに情報を届けることができるようになります。
メリットとしては、「いいね」やリプライによって低コストで情報の拡散を見込めることや、自社の投稿を「タメになる」「面白い」と感じてもらうことができればブランディングにも効果を発揮できることです。直接ユーザとやり取りができるため、信頼感や安心感を獲得できる点もメリットだと言えます。
デメリットとしては、フォロワーが少ないと情報発信をしても影響力が少なく宣伝効果を見込めないことや、「炎上」が起きてしまうと自社や自社の商品・サービスに対する信頼を失ってしまいかねない可能性がある点が挙げられます。
フォロワーとの信頼関係をうまく築くことができれば、SNS経由のやり取りの中から商談が生まれたり、リードジェネレーションの仕組み(例えばセミナーや資料ダウンロードなど)に効果的な形で促すことが可能になります。しかし、リードジェネレーションのみを目的にしてしまうと、フォロワーに売りっ気の強い印象や不信感を抱かせてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
DM(郵送)
リードジェネレーションの代表的な手法の八つ目は、DM(郵送)です。ハガキや封筒などの郵送物によって自社の商品やサービスのカタログやセミナー情報を新規の見込み客向けに告知することで、リードジェネレーションが見込めます。ターゲットの属性に合わせてコンテンツを送り分けることで反応率が上がり、成果に繋がりやすくなります。
メリットとしては、冊子やカタログの形式にすれば多くの情報を伝えることができることや、回覧性があること、また、QRコードやURLを記載しておくことで、Webサイトへのアクセス数を計測することができることなどが挙げられます。
デメリットとしては、印刷費や郵送費(外注する場合+デザイン費)が掛かるため、DMのなかでも費用が割高になる点や印刷や、発送準備が必要なので発送までに時間かかる点、自社との関係性が薄ければ、捨てられてしまう恐れがある点などが挙げられます。
経営層向けのアプローチを行う際には、DM(郵送)が効果的な印象を持っています。
DM(FAX)
リードジェネレーションの代表的な手法の九つ目は、DM(FAX)です。FAXを利用してDMを送信する方法もあります。しかし、インクや印刷用紙などは受け取り側の負担になるため、送付先の企業によってはクレームに発展する可能性があります。FAXお断りとの連絡を受けた場合、その後の送信はしないように注意しましょう。
メリットとしては、郵便やメールのDMとは異なり、開封して中身を確認する手間がないため、先方に見てもらえる確率が高いことや、白黒表示されるため、カラー印刷物よりデザイン制作が容易な点が挙げられます。
デメリットとしては、送信先の印刷用紙やインク・トナーを使用するためクレームが発生する場合がある点や、FAXを出力する際に大きな音が出てしまい、送信先 に迷惑をかけてしまう恐れがある点が挙げられます。
FAXでのコミュニケーションが未だに主力となっている業種もありますので、そのような業種に向けたアプローチを行う際には、DM(FAX)は大きな効果を発揮します。
DM(フォーム)
リードジェネレーションの代表的な手法の十個目は、DM(フォーム)です。DM(フォーム)は、フォームマーケティング、もしくはフォーム営業と呼ばれることもあります。企業のHPにある「問い合わせ」フォームに営業メールを送る手法です。類似の手法としては、info@のメール宛に送る手法も挙げられます。
受け取った企業側は、窓口の種類や問い合わせの内容を確認し社内の適切な担当者へメッセージを転送します。転送を受けた担当者がメッセージの内容を確認し、必要に応じて問い合わせ元に返信をするというのが一般的です。
メリットとしては、問い合わせフォームのメリットは、他のリード獲得のチャネルのチャネルと比較しても、ファーストアプローチに限って言えば質の高いリードが獲得できるという点にあります。決裁権を持っている役職者の方からの引き合いが獲得できる可能性も十分にあります。
デメリットとしては、不特定多数の企業に同一の営業メールを送る行為をよく思わない企業もいることです。アプローチ先の企業からクレームが発生する場合もありますので、送り過ぎには注意が必要です。
飛び込み営業
リードジェネレーションの代表的な手法の十一個目は、飛び込み営業です。法人向けや高価格な商品やサービスは、ネットショッピングとは違って広告だけで売ることが難しいため、対面での営業活動が必要になります。 飛び込み営業は、運よくキーマン(決裁者、担当者)に会うことができれば、初回から対面での営業活動を開始することが可能です。
メリットとしては、営業マンの人件費だけで始めることができることや、対面でお客様と話すことでお客様との関係性を築きやすくなることが挙げられます。
デメリットとしては、1件1件移動して営業先を回るため時間も人件費も余分にかかってしまう点や、受付で断られてしまいキーマン(決裁者、担当者)まで辿り着きづらい点などが挙げられます。また、信用されるまでに何度か訪問する必要がある点も挙げられます。
非効率なアプローチ方法とも捉えられがちですが、アプローチする業種や職種によっては、むしろ直接会いにいくことを考えてしまった方が効率の良いケースがあります。
電話営業(テレアポ)
リードジェネレーションの代表的な手法の十二個目は、電話営業(テレアポ)です。テレアポは、テレマーケティングや、インサイドセールス(BDR)と呼ばれることもあります。飛び込み営業と比べ移動する時間も手間もかからないため、よりアプローチ件数を増やすことができるのが特徴です。
メリットとしては、飛び込み営業と比べると、移動する手間がかからないため件数を多くアプローチできることや、自社の地域以外のお客様にもアプローチすることができることが挙げられます。また、着電率やアポ率といったように、成果を定量的に管理できることもメリットになります。
デメリットとしては、電話番号のリストが必要なため、1件1件調べるかリストを購入する必要があることや、受付で断られてしまいキーマン(決裁者、担当者)まで辿り着きづらい点、対面でのコミュニケーションでは無いため相手の印象に残りづらいことなどが挙げられます。
リードジェネレーション施策の効果を高めるコツ
以上が、リードジェネレーションの代表的な施策になります。アプローチする施策を変えた途端にリードが効率良く獲得できるようになることもあり得るので、効果が見込めそうな施策に関しては、一度は試して見ることをおすすめします。
ここからは、リードジェネレーション施策の効果を高めるコツについてもご紹介していきます。
3つのMの整合性を検証しよう
一つ目のコツは、3つのMの整合性を検証することです。3つのMとは、マーケティングを考える上で必要不可欠な3つの要素、Market(市場、顧客)・Message(伝えたいこと)・Media(手段、媒体)の頭文字を表した言葉です。
Market(市場、顧客)・Message(伝えたいこと)・Media(手段、媒体)とは、言い換えれば「誰に」「何を」「どのように」ということです。
例えば、医療機関(病院など)に向けてアプローチを行う際に、同じメッセージを伝えるにも、メール・DM(FAX)・DM(郵送)など手段はさまざまあります。いままではメールを使ってしかアプローチしていなかった医療機関にDM(FAX)を送ったら、メールでは反応がなかった医療機関からの引き合いが獲得できた、というのは良くある話です。
医療機関では未だにFAXでのコミュニケーションが主流であることから、DM(FAX)の方が反応を促しやすかった可能性があります。または、メールではキーマン(決裁者、担当者)まで届かなかったメッセージが、FAXでは届いた、ということかも知れません。
リードジェネレーション施策の効果を高めるためには、3つのMの適切な組合せ、そして整合性を検証することが大切です。
CPL・CPAを検証しよう
二つ目のコツは、CPL・CPAを検証することです。CPLとはリード1件を獲得するためにかかる費用のことです。CPL はCost Per Leadの略語で日本語訳にするとリード獲得単価となります。
CPAとはコンバージョン1件を獲得するためにかかる費用のことです。CPAはCost Per Acquisitionの略語で日本語訳にすると顧客獲得単価となります。ここでいうコンバージョンとは、マーケティング施策における目標のことです。そのため、マーケティング施策の目標の置き方によって新規顧客獲得数、お問い合わせの数、資料請求の数など、コンバージョンが表す内容が変化します。
リードジェネレーション施策の効果を高めるためには、CPL・CPAが共に低く抑えられるMarket(市場、顧客)・Message(伝えたいこと)・Media(手段、媒体)の組み合わせを検証し、効果を改善するためのPDCAを回していくことが大切です。
少ないリード獲得単価、顧客獲得単価を実現することができれば、同じ費用でもより多くのリード獲得が見込めるようになります。
受注率・LTVを検証しよう
三つ目のコツは、受注率とLTVを検証することです。LTVとはLife Time Valueの略語で日本語訳すると顧客生涯価値となります。顧客生涯価値とは、顧客が自社の商品やサービスを生涯でどのくらい購入してくれたかを数値で表したものになります。
先に説明したCPL・CPAはとても大切なのですが、マーケティング施策の目標の置き方次第によってコンバージョンが表す内容が変化するため、マーケティング部門の追っているKPIのみが反映されがちです。そのため、CPL・CPAは低く抑えられているけれども実際には受注率が低い、あるいは受注してもLTVが上がらない、というケースが発生することがあります。
事業としての目標達成や成長を考えたときには、受注数の拡大による新規顧客開拓やLTVの向上による収益性の向上が大切です。受注率×LTVを検証し、受注率×LTVの高いセグメントを把握できるように努めましょう。
受注率×LTVの高いセグメントが把握できれば、リードジェネレーションを実施する際にもそのセグメントに向けてアプローチを集中することをおすすめします。結果の出るセグメントから逆算してアプローチすることにより、リードジェネレーションの効果も最大化されることになります。
そうすれば、受注に繋がりやすいリードが獲得できることはもとより、リードジェネレーションの費用対効果、そしてマーケティングのプロセス(ファネル)の全体の費用対効果の改善につながり、限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ・時間)で最大の付加価値を発揮できるようになります。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
本記事では、リードジェネレーションの概要や代表的な手法をまとめて解説いたしました。リードジェネレーションが事業を成長させていくためには欠かせない取り組みであるということはご理解いただけたのではないでしょうか。
自社にとって有効なリードジェネレーションの方法論を見つけ出して実行し、多くのリードの獲得や受注の獲得につなげていきましょう。
さいごになりますが、当社ではBtoBマーケティングの業務に役立つお役立ち資料を複数ご用意しております。マーケティングの基礎知識と実践方法を体系的にまとめたお役立ち資料などもご用意しておりますので、ご活用いただければ幸いです。